ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

こだま和文@新宿タワレコ

2010-05-15 18:54:23 | ワールド・ミュージック
今日はダブ・トランペッター、こだま和文さんのインストア・ライヴを観に、新宿タワーレコードに来ています。今回はCDではなく、エッセイ集の発売を記念してのインストア・ライヴということですが、どんなライヴになるのでしょうか。ステージにはDJ卓と親指ピアノが用意されています。もうすぐ始まりす!


帰宅後追記:

実はこだま和文さんのライヴは初めて観ましたが、えらい格好良かったです。DJ がインストアとは思えない大きな音で繰り出すリディムと、何処か哀愁のあるこだま和文さんのトランペットの響き。良いですね~。「ジェンカ」のダブ・ヴァージョンは特に染みました。そしてこだまさんはトランペットだけではなく、リディムに合わせて朗々と語ったりもする。エッセイの話や、ナンシー関さんの話など。それが独特の酩酊感があってまた格好良いんですよ! 今度は暗いところで観たいですね。

フジ予習:コリーヌ・ベイリー・レイ

2010-05-15 13:29:14 | フジロック
CORINNE BAILEY RAE / THE SEA

フジロック予習特集第2弾、UK出身の黒人女性SSW、コリーヌ・ベイリー・レイです。

06年のデビュー・アルバム「CORINNE BAILEY RAE」はホント素敵なアルバムでした。1曲目「Like A Star」が柔らか~く始まる瞬間から、彼女の優しくしっとりとした歌世界に引き込まれちゃいますよね。程よくジャジーでブルージーな黒さと、オーガニック系のSSWシーンにも通じるナチュラルな空気感。「Till It Happens To You」や「Put Your Records On」も良い曲でしたよね~。

そして今年リリースされた2nd作「THE SEA」(写真)。これがまた良いんですよ! 1st作には、心地よい癒しや、彼女独特の可愛らしさがありましたが、この2nd作はもっとアーバンで、ねっとりとした大人な印象を受けます。楽曲は前作にも増してヴァラエティに富み、以外とアップ・テンポな曲が多いことに驚かされます。そしてその曲調に絡むコリーヌの感情表現が前作より遥かにエモーショナル!! これはディープです。

ニューソウルなコード進行とベースラインがメチャクチャ格好良い「Feels Like The First Time」では、浮遊しながらもブルージーにグルーヴする歌唱が素晴らしい。クエストラヴがドラムを叩くアッパーな「The Blackest Lily」ではロック的なエッジを立てて妖艶に歌う。ヒップ・ホップ・ライクなファンク・チューン「Closer」では抑制の効いたファルセットが堪らなく黒い!! そしてスロー・ナンバー「I'd Do It All Again」でのサビへ向けてのエモーショナルの発露は何度聴いても鳥肌もの。

正直な話、デビュー作を聴いたとき、シンガーとしてはちょっと軽い印象を受けもしてたんです。でもその軽さがコリーヌ独特の空気感を作っていた訳なんですけどね。もちろん今作でもそんなコリーヌらしい、オーガニックで、甘く、ちょっぴりアンニュイな表情はしっかり残ってはいるんですけど、それ以上に楽曲ごとに見せるディープな質感には、やはり驚きました。まるで祈るように歌うサビが印象的な「Love's On Its Way」など、その深い歌声は神秘的ですらあります。

で、この話にはどうしても触れない訳にいかないのですが、コリーヌは一昨年、事故で夫を亡くすという悲しい体験に見舞われてしまいました。私には想像もできないほど辛く苦しい日々を過ごしたことでしょう。そのうえで新しい曲を書き、そして歌ったコリーヌの思いは、とても複雑なものだったと思います。まるで美しい鎮魂歌のような「I Would Like To Call It Beauty」。優しさと悲しさが交差するようなコリーヌの歌声に思わず泣きたくなっちゃいますね。特に「あなたが励ましてくれた」と繰り返すところ。胸を締め付けられます。私は普段、歌詩は気にせずに聴く方なんですが、この曲は対訳を読みながら聴きました。

そしてそのあとには「Paris Nights / New York Mornings」や「Paper Dolls」のような、前作にはなかったタイプのポップ・チューンが続きます。重くなりすぎないところがコリーヌ・ベイリー・レイらしいですね。最後を優しくふわりと包み込むようなタイトル曲「The Sea」も素晴らしい!! このアルバム、聴けば聴く程、曲の並びとか、トータル的な素晴らしさも染みてきます。また国内盤につく、内本順一さんによる愛情溢れるライナーも絶品です。

さて、フジロックで観るコリーヌ・ベイリー・レイ、本当に楽しみです。知名度的にはグリーンかもしれませんが、出来れば奥の方で聴きたいですね。きっと彼女の歌声と山の霊気が溶け合った素晴らしいライヴになることでしょう。



では、いくつかコリーヌのライヴ映像をご紹介。

http://www.youtube.com/watch?v=FhJKSseiPXE&feature=related
07年のグラミー賞での「Like A Star」。この時、『Record Of The Year』『Song Of The Year』『Best New Artist』という3っつの主要部門にノミネートされていました。この放送を見ていて、コリーヌは歌い出した瞬間にその場の空気を自分の色へ染めることの出来る希有なシンガーだと思ったことを覚えています。

http://www.youtube.com/watch?v=oZfp7Txyk_Y&feature=related
最新作から「I'd Do It All Again」。イギリスのTV番組からのスタジオ・ライヴ。ギター弾き語りにピアノのみサポートというシンプルさが良いですね。生々しいコリーヌの歌声にグッときます。

http://www.youtube.com/watch?v=vRzDWXnm07A&feature=related
最新作から「Closer」。これもTV番組ですかね? CDでは音が現代的で硬く聴こえますが、ここではバンドの演奏もコリーヌの歌も緩めで、より人間的でソウルフルな味わいです。