ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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ノラ・ジョーンズ探検隊 その11

2017-04-11 18:06:27 | ジャズ
JOEL HARRISON / FREE COUNTRY

ノラ・ジョーンズ来日中と言うことで、超久々に「ノラ・ジョーンズ探検隊」を更新してみたいと思います。

冒険心旺盛なプログレッシヴなジャズで現行シーンにおいても異彩を放つギタリスト、ジョエル・ハリソンの初期の作品になる03年作「FREE COUNTRY」。そのタイトル通り、カントリー・ミュージックのフリー解釈と言えそうな、ジャズ meets アメリカーナな逸品。ジョニー・キャッシュ、ウディ・ガスリー、ジョージ・ジョーンズ、マール・ハガード、その他トラディショナル等を取り上げ、アリソン・ミラー(ds)、デヴィッド・ビニー(sax)、ロブ・トーマス(Violin)、といったニューヨーク界隈の精鋭達と共に、ユニークな解釈による斬新なルーツ・ミュージックを作り上げています。

ノラ・ジョーンズがゲスト参加しているのは2曲。ジョニー・キャッシュの「I Walk The Line」と、パティ・ペイジのヒットで知られるカントリー/ポピュラーのスタンダード「Tennessee Waltz」。これが2曲ともに、ジャズ・シンガーとしてのノラのビターな側面という点で屈指の名歌唱なのです!!

ノラのスモーキー且つスウィートな吐息のような歌声で始まる「I Walk The Line」。もうこの冒頭だけで心を鷲掴みにされます。そしてジャジーでクールなアレンジ。ジョニー・キャッシュがこうなるか?というジョエル・ハリソンの解釈もさることながら、その前衛掛かったアレンジにしっとり溶け込むノラのフィーリングがまた素晴らしい!! デビューしたばかりの頃とは思えない、アダルトなビター・フィーリング。

そして「Tennessee Waltz」。この曲はいくつかライヴ録音も残しているので、きっとノラの好きな曲なんでしょうね。寄せては引く波のように、移ろうフィーリングをしとっりと歌うノラ。ノラ・ジョーンズらしい歌声ながら、やはりここでは一味違う。より感傷的と言いますか、より芸術的に聴こえます。ゲストの南アフリカのアコーディオン奏者、トニー・セドラス(カサンドラ・ウィルソンやポール・サイモンのバックでも知られる人)の音色も滲みます。


個人的な趣味ながら、私は数あるノラのゲスト参加曲の中でも、この2曲こそ、最高峰の味わいと信じております。近年のノラは、あまりこういう歌唱を聴かせてくれないので、ちょっぴり寂しくもありますが、それがノラ・ジョーンズの良いところでもあるんですよね!!

来日公演で「Tennessee Waltz」とか、歌ってくれないですかね〜。




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