4月18日、ビルボードライヴ東京にて、スペンサー・ウィギンスのライヴを観てまいりました。私が見たのはこの日の1stショー。
生まれはテネシー州メンフィス、現在75歳。60年代半ばから70年代の初頭にかけて、ゴールド・ワックスやフェイム等からシングルを出すものの、ヒットには恵まれなかったスペンサー・ウィギンス。そんなスペンサー・ウィギンスが、今なお "サザン・ソウルの秘宝" と絶大なる人気を誇るのは、その圧倒的な歌声あってのこと。録音の少なさも相まって、まさに伝説のシンガーであり、来日など夢のまた夢、いや、実在すら半信半疑と言っても過言ではないような存在だったスペンサー・ウィギンス、奇跡の来日公演です。
まずは、スペンサーの1歳下の弟、パーシー・ウィギンスがバック・バンドと共に登場。そのメンバーはチャールズ・ホッジズ(Key)、リロイ・ホッジズ(Bass)、デリック・マーティン(Ds)、パトリック・ムーディー(Trumpet)、マイケル・ロバーツ(Sax)、ピーター・モンゴメリー(Guitar)という布陣。注目はもちろんチャールズ&リロイのホッジズ・ブラザーズです。メンフィス・ソウルの名門ハイ・レーベルのリズムを担った、あのハイ・リズムのホッジズ・ブラザーズです。もう一人の兄弟、ギタリストのメイボン・ティーニー・ホッジスが2014年に亡くなられてしまい、ここに居らっしゃらないのが残念ですが、それでもチャールズ&リロイが目の前にいる、これは凄いことですよ!!
1曲目はそのハイ・リズムをバックに1972年、アル・グリーンがハイ・レーベルへ録音した「Love and Happiness」。これぞハイ・サウンドを代表する1曲に数えられるこの曲で幕を開ける辺り、バンドのホッジズ・ブラザーズへ対する敬意が感じられますね。リロイの朴訥なベースにチャールズのオルガンがうねる! そして歌うはパーシー・ウィギンス。真っ白なスーツに足取りも軽く、歌もことのほか軽快。まだ10代前半の頃から兄スペンサーと共にゴスペル・グループで歌い始め、その後、兄同様にソウル・シンガーとしてデビューし、60年代半ば以降、RCA、アトコ、などに数枚のシングルを残しています。2曲目以降はそういったシングル曲が立て続けに披露される。
若い頃も、兄スペンサーの豪快なシャウト唱法に比べ、パーシーは滑らかで朗らかなテナー・ヴォイスが印象的でしたが、70歳を過ぎた現在でも、その魅力は変わりません。タイトなリズムとホーンリフが印象的な「Can't Find Nobody (To Take Your Place)」や、英ノーザン・ソウルでも人気を得た「It Didn't Take Much (For Me To Fall In Love)」など、アップテンポのダンス・ナンバーもさることながら、「Book Of Memories」のような南部フィーリング溢れるスローの味わいも格別でした。近年はスタックスのソウルを彩ったバーケイズのメンバー達によるバンド、ボーキーズのフィーチャリング・シンガーとしても存在感を発揮しているだけに、元気な歌声に会場も盛り上がりました。
そしてバンドの演奏がまた良い!! やはり何と言ってもホッジズ・ブラザーズですよ! 終始、ファンキー且つ滋味深い味わいを醸すチャールズのオルガン!! そして底辺のグルーヴを支えるリロイのベース。サザン・ソウルの旨味たっぷりですよ! そして彼らと共にリズムを担うドラマーのデリック・マーティンは、デニス・ラサール、シル・ジョンソン& ボビー・ラッシュ、ヘンリー・グレイ&エディ・ショウなどの来日公演でもドラムを叩いていた人で、1曲終わるごとにピョン!っと飛び跳ねるアクションは、ここ日本でも南部産ブラック・ミュージック愛好家の間ですっかり有名になっているのではないでしょうか? もちろんアクションだけではなく、キレのあるドラミングで、躍動感溢れながらもどっしりとした骨格を作りあげていく。そして本来ならイーライ "ペーパー・ボーイ" リードが務めるはずだったギターですが、彼のキャンセルのため急遽出演が決まったピーター・モンゴメリー。この方はおそらくジャズ系のギタリストと思われるのですが、流麗なバッキング以上にスイートなフレーズを連発していましたね。しかもジャズ的な控えめ感はなく、かなり強引にぶっ込んでくる感じで、でもそこが堪らなく黒っぽくて、私は大好きなタイプでしたね。そしてこれにホーン隊が付く。まあ、とにかく強烈な程、ブラック・フィーリング溢れるバンド・グルーヴでしたね!
さて、パーシー・ウィギンスが会場を30分ほど暖めたあと、いよいよスペンサー・ウィギンスが登場。お付きの人に付き添われながらゆっくりとステージに上がる。途中よろめいたりもしていたように見えたので、足が悪いのでしょうかね? ステージに上がってもほとんど動きません。拍手喝采に迎えられながらもほとんど表情も変えず。ですがオーラが半端無い! これぞ本物! 1曲目はゴールドワックスからの67年のシングル「Lonely Man」。歌い始めた瞬間に歓声が沸き上がる。紛れも無いスペンサー・ウィギンス。もちろん、若い頃のような勢いは無いかもしれません。ですがあの頃とはまた違う重厚感があります。やはり伝説の歌声!!
意外にも、ハイライトは序盤に訪れました。ダン・ペン&スプーナー・オールダムによる名サザン・バラード「Uptight Good Woman」です。これもゴールドワックスからのシングルで、スペンサー・ウィギンスの代表曲と言ってよいでしょう。ゆったりとしたグルーヴに乗って、シャウトを交えながら訥々と歌うスペンサー。これを生で聴ける日が来るとは!! とにかく、声の響きと言うか、喉の鳴りに、そこから醸される濃厚なサザン・ソウル・フィーリングに打ちのめされましたね。そしてサビの「A downright, and uptight !」というシャウトを決めて、拍手歓声のなか静かに終わる。しかし歓声は鳴り止まない。スペンサーは身じろぎもしない。突然「A downright !!」と激しくシャウト!! 思いっきりタメて再び「And uptight !」とシャウトし曲が再び。終わったと思いきやまた始まる、そんなコテコテな展開に大盛り上がりの観客達。そしてその盛り上がりを余所に静かに終わる。拍手歓声に応えるように、頭を2度下げるスペンサー。するとまた「A downright !!」と激しくシャウト!! またかー!と盛り上がる観客。タメにタメて「And uptight !」。そして静かに終わる。今度ははっきりと「サンキュー! サンキュー!」と言って終わりを告げるスペンサー。そしてまた「A downright !!」。 もう笑うしかありません!っていうかシャウトのキレが半端無いし!これを何回繰り返したかよく分かりませんが、こういうところに南部の伝統を感じさせられますよね。天晴でした!!
曲によってはパーシーも加わり、兄弟のハーモニーを聴かせてくれながら、「What Do You Think About My Baby」、「Old Friend」、「He’s Too Old」、「The Kind Of Woman That's Got No Heart」と、ゴールドワックスを中心にスペンサーがシングル発表した曲が続く。相変わらず直立不動で表情もほとんど変えずに歌うスペンサーですが、その歌声は、ますます脂が乗ってくるように、これでもか!と南部魂を聴かせてくれます。流石に高音には衰えを隠せない部分はありますが、それでもまったくひるまずに堂々歌いきる力強さ! そして比較的キーの低い「Old Friend」でのたっぷりとした艶やかな歌声の滲みること! スペンサーは70年代後半からは近年までゴスペルを歌ってきているそうですが、「Old Friend」終盤に聴かせた、ほぼアカペラによる、語りっぽい歌唱は、ゴスペルの説教を思わせるフィーリングも感じられ、グッときましたね〜。
そして「Can't Be Satisfied」。サウンズ・オブ・メンフィスからのシングル。これ、私の大好きなスロー・ナンバーです。感無量でしたね。枯れと豪快さを併せ持った、まるで魂の咆哮の様な歌声。いや〜、素晴らしい。これぞサザン・ソウル!! 終盤は観客とのコール&レスポンスでディープな盛り上がりに。そしてこの曲、そのコール&レスポンスも含め、終始、チャールズ・ホッジズのオルガンが絶品でした!!
最後はパーシーも加わり、兄弟が並んで歌う「Double Lovin'」。「ナー、ナー、ナナナ」のコーラスも華やかに、観客を巻き込みながら盛り上がりつつ終了。およそ1時間20分が、まるで夢のように過ぎ去っていきました。
私が見たのは1stショーだったので、残念ながらアンコールもサイン会もありませんでしたが、ホッジズ・ブラザーズのお二人とは、しっかり握手をしてもらいました。また、今回は、ビルボードライヴ東京にて計4回のステージがあった訳ですが、他の回では、「The Dark End Of The Street」や、サム・クックのカヴァー「Bring It On Home To Me」なども歌ったそうです。うわ〜、聴きたかった〜!!
この日のセット・リスト↓
-Percy Wiggins-
01. Love and Happiness
02. Can't Find Nobody (To Take Your Place)
03. Look What I've Done (To My Baby)
04. It Didn't Take Much (For Me To Fall In Love)
05. Book Of Memories
06. I've Never Found A Girl (To Love Me Like You Do)
-Spencer Wiggins-
07. Lonely Man
08. Uptight Good Woman
09. What Do You Think About My Baby
10. Old Friend
11. He’s Too Old
12. The Kind Of Woman That's Got No Heart
13. I Can't Be Satisfied
14. Double Lovin'
Spencer Wiggins featuring Percy Wiggins, The Hodges Brothers (Hi Rhythm Section)
Spencer Wiggins(Vocals)
Percy Wiggins(Vocals)
Charles Hodges(Keyboards)
Leroy Hodges(Bass)
Derrick Martin(Drums)
Patriq Moody(Trumpet)
Michael Roberts(Saxophone)
Peter Montgomery(Guitar)
生まれはテネシー州メンフィス、現在75歳。60年代半ばから70年代の初頭にかけて、ゴールド・ワックスやフェイム等からシングルを出すものの、ヒットには恵まれなかったスペンサー・ウィギンス。そんなスペンサー・ウィギンスが、今なお "サザン・ソウルの秘宝" と絶大なる人気を誇るのは、その圧倒的な歌声あってのこと。録音の少なさも相まって、まさに伝説のシンガーであり、来日など夢のまた夢、いや、実在すら半信半疑と言っても過言ではないような存在だったスペンサー・ウィギンス、奇跡の来日公演です。
まずは、スペンサーの1歳下の弟、パーシー・ウィギンスがバック・バンドと共に登場。そのメンバーはチャールズ・ホッジズ(Key)、リロイ・ホッジズ(Bass)、デリック・マーティン(Ds)、パトリック・ムーディー(Trumpet)、マイケル・ロバーツ(Sax)、ピーター・モンゴメリー(Guitar)という布陣。注目はもちろんチャールズ&リロイのホッジズ・ブラザーズです。メンフィス・ソウルの名門ハイ・レーベルのリズムを担った、あのハイ・リズムのホッジズ・ブラザーズです。もう一人の兄弟、ギタリストのメイボン・ティーニー・ホッジスが2014年に亡くなられてしまい、ここに居らっしゃらないのが残念ですが、それでもチャールズ&リロイが目の前にいる、これは凄いことですよ!!
1曲目はそのハイ・リズムをバックに1972年、アル・グリーンがハイ・レーベルへ録音した「Love and Happiness」。これぞハイ・サウンドを代表する1曲に数えられるこの曲で幕を開ける辺り、バンドのホッジズ・ブラザーズへ対する敬意が感じられますね。リロイの朴訥なベースにチャールズのオルガンがうねる! そして歌うはパーシー・ウィギンス。真っ白なスーツに足取りも軽く、歌もことのほか軽快。まだ10代前半の頃から兄スペンサーと共にゴスペル・グループで歌い始め、その後、兄同様にソウル・シンガーとしてデビューし、60年代半ば以降、RCA、アトコ、などに数枚のシングルを残しています。2曲目以降はそういったシングル曲が立て続けに披露される。
若い頃も、兄スペンサーの豪快なシャウト唱法に比べ、パーシーは滑らかで朗らかなテナー・ヴォイスが印象的でしたが、70歳を過ぎた現在でも、その魅力は変わりません。タイトなリズムとホーンリフが印象的な「Can't Find Nobody (To Take Your Place)」や、英ノーザン・ソウルでも人気を得た「It Didn't Take Much (For Me To Fall In Love)」など、アップテンポのダンス・ナンバーもさることながら、「Book Of Memories」のような南部フィーリング溢れるスローの味わいも格別でした。近年はスタックスのソウルを彩ったバーケイズのメンバー達によるバンド、ボーキーズのフィーチャリング・シンガーとしても存在感を発揮しているだけに、元気な歌声に会場も盛り上がりました。
そしてバンドの演奏がまた良い!! やはり何と言ってもホッジズ・ブラザーズですよ! 終始、ファンキー且つ滋味深い味わいを醸すチャールズのオルガン!! そして底辺のグルーヴを支えるリロイのベース。サザン・ソウルの旨味たっぷりですよ! そして彼らと共にリズムを担うドラマーのデリック・マーティンは、デニス・ラサール、シル・ジョンソン& ボビー・ラッシュ、ヘンリー・グレイ&エディ・ショウなどの来日公演でもドラムを叩いていた人で、1曲終わるごとにピョン!っと飛び跳ねるアクションは、ここ日本でも南部産ブラック・ミュージック愛好家の間ですっかり有名になっているのではないでしょうか? もちろんアクションだけではなく、キレのあるドラミングで、躍動感溢れながらもどっしりとした骨格を作りあげていく。そして本来ならイーライ "ペーパー・ボーイ" リードが務めるはずだったギターですが、彼のキャンセルのため急遽出演が決まったピーター・モンゴメリー。この方はおそらくジャズ系のギタリストと思われるのですが、流麗なバッキング以上にスイートなフレーズを連発していましたね。しかもジャズ的な控えめ感はなく、かなり強引にぶっ込んでくる感じで、でもそこが堪らなく黒っぽくて、私は大好きなタイプでしたね。そしてこれにホーン隊が付く。まあ、とにかく強烈な程、ブラック・フィーリング溢れるバンド・グルーヴでしたね!
さて、パーシー・ウィギンスが会場を30分ほど暖めたあと、いよいよスペンサー・ウィギンスが登場。お付きの人に付き添われながらゆっくりとステージに上がる。途中よろめいたりもしていたように見えたので、足が悪いのでしょうかね? ステージに上がってもほとんど動きません。拍手喝采に迎えられながらもほとんど表情も変えず。ですがオーラが半端無い! これぞ本物! 1曲目はゴールドワックスからの67年のシングル「Lonely Man」。歌い始めた瞬間に歓声が沸き上がる。紛れも無いスペンサー・ウィギンス。もちろん、若い頃のような勢いは無いかもしれません。ですがあの頃とはまた違う重厚感があります。やはり伝説の歌声!!
意外にも、ハイライトは序盤に訪れました。ダン・ペン&スプーナー・オールダムによる名サザン・バラード「Uptight Good Woman」です。これもゴールドワックスからのシングルで、スペンサー・ウィギンスの代表曲と言ってよいでしょう。ゆったりとしたグルーヴに乗って、シャウトを交えながら訥々と歌うスペンサー。これを生で聴ける日が来るとは!! とにかく、声の響きと言うか、喉の鳴りに、そこから醸される濃厚なサザン・ソウル・フィーリングに打ちのめされましたね。そしてサビの「A downright, and uptight !」というシャウトを決めて、拍手歓声のなか静かに終わる。しかし歓声は鳴り止まない。スペンサーは身じろぎもしない。突然「A downright !!」と激しくシャウト!! 思いっきりタメて再び「And uptight !」とシャウトし曲が再び。終わったと思いきやまた始まる、そんなコテコテな展開に大盛り上がりの観客達。そしてその盛り上がりを余所に静かに終わる。拍手歓声に応えるように、頭を2度下げるスペンサー。するとまた「A downright !!」と激しくシャウト!! またかー!と盛り上がる観客。タメにタメて「And uptight !」。そして静かに終わる。今度ははっきりと「サンキュー! サンキュー!」と言って終わりを告げるスペンサー。そしてまた「A downright !!」。 もう笑うしかありません!っていうかシャウトのキレが半端無いし!これを何回繰り返したかよく分かりませんが、こういうところに南部の伝統を感じさせられますよね。天晴でした!!
曲によってはパーシーも加わり、兄弟のハーモニーを聴かせてくれながら、「What Do You Think About My Baby」、「Old Friend」、「He’s Too Old」、「The Kind Of Woman That's Got No Heart」と、ゴールドワックスを中心にスペンサーがシングル発表した曲が続く。相変わらず直立不動で表情もほとんど変えずに歌うスペンサーですが、その歌声は、ますます脂が乗ってくるように、これでもか!と南部魂を聴かせてくれます。流石に高音には衰えを隠せない部分はありますが、それでもまったくひるまずに堂々歌いきる力強さ! そして比較的キーの低い「Old Friend」でのたっぷりとした艶やかな歌声の滲みること! スペンサーは70年代後半からは近年までゴスペルを歌ってきているそうですが、「Old Friend」終盤に聴かせた、ほぼアカペラによる、語りっぽい歌唱は、ゴスペルの説教を思わせるフィーリングも感じられ、グッときましたね〜。
そして「Can't Be Satisfied」。サウンズ・オブ・メンフィスからのシングル。これ、私の大好きなスロー・ナンバーです。感無量でしたね。枯れと豪快さを併せ持った、まるで魂の咆哮の様な歌声。いや〜、素晴らしい。これぞサザン・ソウル!! 終盤は観客とのコール&レスポンスでディープな盛り上がりに。そしてこの曲、そのコール&レスポンスも含め、終始、チャールズ・ホッジズのオルガンが絶品でした!!
最後はパーシーも加わり、兄弟が並んで歌う「Double Lovin'」。「ナー、ナー、ナナナ」のコーラスも華やかに、観客を巻き込みながら盛り上がりつつ終了。およそ1時間20分が、まるで夢のように過ぎ去っていきました。
私が見たのは1stショーだったので、残念ながらアンコールもサイン会もありませんでしたが、ホッジズ・ブラザーズのお二人とは、しっかり握手をしてもらいました。また、今回は、ビルボードライヴ東京にて計4回のステージがあった訳ですが、他の回では、「The Dark End Of The Street」や、サム・クックのカヴァー「Bring It On Home To Me」なども歌ったそうです。うわ〜、聴きたかった〜!!
この日のセット・リスト↓
-Percy Wiggins-
01. Love and Happiness
02. Can't Find Nobody (To Take Your Place)
03. Look What I've Done (To My Baby)
04. It Didn't Take Much (For Me To Fall In Love)
05. Book Of Memories
06. I've Never Found A Girl (To Love Me Like You Do)
-Spencer Wiggins-
07. Lonely Man
08. Uptight Good Woman
09. What Do You Think About My Baby
10. Old Friend
11. He’s Too Old
12. The Kind Of Woman That's Got No Heart
13. I Can't Be Satisfied
14. Double Lovin'
Spencer Wiggins featuring Percy Wiggins, The Hodges Brothers (Hi Rhythm Section)
Spencer Wiggins(Vocals)
Percy Wiggins(Vocals)
Charles Hodges(Keyboards)
Leroy Hodges(Bass)
Derrick Martin(Drums)
Patriq Moody(Trumpet)
Michael Roberts(Saxophone)
Peter Montgomery(Guitar)