ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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ノラ・ジョーンズ@日本武道館

2012-11-20 08:21:46 | SSW

11月8日、行ってきました!夢にまで見たノラ・ジョーンズの生ライヴ!!

場所は武道館。出来ればもっと狭いところで観たかったのですが、こればかりは仕方がありませんね。私はノラのライヴは今回が初めて。観れるだけで幸せです。しかもオープニングアクトはリトル・ウィリーズのギタリスト、ジム・カンピロンゴでしたからね。贅沢ですよ!

私の席は一応アリーナでしたけど、B1ブロックというかなり左端の席。でも通路側だったのでほとんど障害物無くよく見えました。そしてほぼ定刻時間だったでしょうか、まだざわざわとした雰囲気のなかジム・カンピロンゴが率いるトリオの演奏が始まりました。「Cry Me a River」から始まった彼らのステージについては以前に少しここで書いたので今回は敢えて触れませんが、ノラ・ジョーンズのオープニングにジム・カンピロンゴを観れるというのが嬉しいじゃないですか。ジムのギター・プレイを堪能した後、その余韻に浸かりながらノラへの期待感を募らせる。そういう時間がまた良い。

そしていよいよノラ・ジョーンズ御一行がステージに登場。バック・バンドはギター、ベース、ドラムス、キーボードというシンプルな編成。どことなくインディー・ロックっぽい佇まい。ノラは向かって一番右側のピアノの前に座る。しかもメンバーに背を向ける形で。なんでメンバーの方を向かないんだろうと思いますが、リトル・ウィリーズの映像なんかでもこのスタイルだったので、案外ノラはこういう形が好きなのかもしれませんね。1曲目は意外にも 1st作からハンク・ウィリアムスのカヴァー「Cold Cold Heart」。

いきなりデビュー・アルバムから、しかもハンク曲をやってくれたのは嬉しかったですね。初めて生で聴くノラの歌声。まさに待ち望んだトーン。その響きはまるでナチュラルな倍音が空気に溶け込むよう。聴き入る程に五感に染み渡りました。

そして2曲目に最新作から「Out On The Road」が披露されると、それに続く序盤は「All A Dream」、「Say Goodbye」、「Take It Back」となど「LITTLE BROKEN HEART」の世界観が再現される。あのアルバムは失恋をテーマにしたダークな色彩の濃い作品と言われていますが、ライヴで聴くとその楽曲はいたってキュートなノラ流ポップ・ソングな雰囲気。ステージ上方にはいくつもの折り鶴が飾り付けられ、それらに赤や青のライトが当たり、ロマンチックな空間が演出される。ノラは曲によってピアノ、ウーリッツァー、エレキ・ギターを弾き分けてました。エレキ・ギターは2本使ってたかな。ムスタングとSG。「Say Goodbye」ではそのSGでギター・ソロも弾いてました。

前作「The Fall」からのヒット曲「Chasing Pirates」のイントロが鳴ると観客席から拍手が沸きました。人気あるんですね~、この曲。個人的には「Creepin' In」の方が“オー!!”って感じでしたけど。2nd作でドリー・パートンを招いたカントリー曲ですが、ここではカントリーと言うよりどちらかと言うと60年代のガールズ・ポップな空気を感じさせるアレンジで、それがまた良かった!さらにノラが参加したデンジャー・マウス&ダニエル・ルッピの「ROME」から「Black」。こちらは現在のノラにおけるデンジャー・マウスの存在感を感じさせてくれる選曲ですね。ノラがアコギを弾いてのはこの曲だったかな?

続いて披露された「Carnival Town」。これが絶品でした。私は2nd作「Feels Like Home」が大好きなのでこの選曲は嬉しかったですね~!個人的にはこの日最も印象的だった曲かも。オールゴールのようなピアノの音色で始まり、ドリーミーなオールドタイム感を持った曲風、しっとりと揺れるノラの歌声、さらにサビの「ロ~ンリ~♪」でのフワッとしたハーモニー、何かも素敵でした。これには参りましたね。キーボード奏者がアコーディオンを弾いていたのもツボ。

この素晴らしい「Carnival Town」の余韻に浸かっているうちにバンド・メンバーが一旦ステージを降り、ピアノの前のノラが一人残される。そして弾き語りで歌い始めたのが「The Nearness Of You」。1st作に収録されたホーギー・カーマイケルのカヴァー。これは意外でした。しかもピアノ弾き語りですよ! もううっとりでしたね。さらに「Don't Know Why」。言わずと知れたノラの代表曲。弾き語りならではの崩したフィーリングがまた味わい深い。文句無しにこの2曲が今回のライブでのハイライトでしょう! こういうノラが観たかったんです!

さらにバンド・メンバーが再び戻っての「Sinkin' Soon」。この曲独特の演劇的な酩酊感がノラの更なる深いところへと誘ってくれるよう。ノラの歌はもちろん、メリハリの効いたバンドの演奏も素晴らしかったです。そしてポップな方向へ戻って一気に華やいだ「Happy Pills」や、幽艶としたノラの歌声とギタリストによる昂揚感たっぷりなギター・ソロの対比も見事だった「Stuck」も良かった。まだまだ終わって欲しくないと思いながらも、残念ながら終わりは訪れます。本編ラストは「Lonestar」。カントリー・テイストを感じさせてくれて良かったですね~。なんかしみじみしちゃいました。終わったあとは観客達も立ち上がって拍手喝采。

そしてお楽しみは最後にやってきます。アンコールはノラを中心にメンバーが1本のマイクを囲ってのアコースティック・セット。曲は「Sunrise」と「Come Away With Me」。これは憎い演出。選曲もグレイトですし、アレンジと雰囲気も最高でした。やっぱノラ・ジョーンズ、良いな~!!っと最後の瞬間まで感無量でした。

およそ1時間30分、現在のノラ・ジョーンズでありながら、単なる“現在のノラ・ジョーンズ”ではないような、ちょっぴり不思議な広がりを感じさせてくれるステージでした。やはりノラ・ジョーンズという人は、類い稀な個性を持ちながらその個性に縛られないような、自由でナチュラルな感性に溢れたシンガーですね。箱庭のような親密感溢れる演奏でありながら、武道館という大会場に合ったスケールを感じさせるのも流石。そしてMCも含めてノラは可愛かったですね。ピアノの上に水玉模様のマグカップを置いていたのも印象的でした。



01. Cold Cold Heart
02. Out On The Road
03. All A Dream
04. Long Way Home
05. Say Goodbye
06. Take It Back
07. Chasing Pirates
08. Broken
09. Creepin' In
10. Black
11. Carnival Town
12. The Nearness Of You (solo)
13. Don't Know Why (solo)
14. Sinkin' Soon
15. Miriam
16. Happy Pills
17. Stuck
18. Lonestar
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19. Sunrise
20. Come Away With Me


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