CHE SUDACA / CHE SUDACA
今年もやります!フジロック予習企画。例年、書き切れない感じで中途半端に終わってる感のあるこの企画ですが、今年はそれを踏まえて早めにスタートです。しかも栄えある第1回は、敢えて「ルーツな日記」ではあまりやらなそうなアーティストを取り上げてみました。
それは、チェ・スダカ。
バルセロナから登場したこのグループ、いかにもフジロックが似合いそう。いや、似合うどころか今年のフジロックを席巻する台風の目となりそうな予感。
ここ数年やたらと熱い、バルセロナ・メスティーソ・シーンってご存知ですか? かく言う私もさほど知らないんですが、メスティーソとは混血を表すスペイン語だそうで、つまりはバルセロナ産の混血ミクスチャー・ミュージック・シーンのこと。バルセロナと言えば、中南米、アフリカ、アジアなどからの移民が多いという、人種の坩堝のような町であり、あのマヌ・チャオも拠点としている町。そしてそのマヌ・チャオこそこのシーンを牽引している張本人だったり。
私がこのシーンを知ったのは、08年にリリースされた「MUSICA INOCENTE」(写真下)というコンピ盤からだったと思います。コンパイルしたのはTokyo No.1 Soul Setの渡辺俊美さん。彼もマヌ・チャオに魅せられた一人であり、実際にバルセロナに足を運び、このシーンを肌で感じて来られた方。そんな渡辺さんが編んだ「MUSICA INOCENTE」にはこのシーンの猛者達による個性豊かな演奏がびっしり納められています。ラテン、ルンバ、フラメンコ、スカ、パンク、ヒップ・ホップ、まさにごった煮。それはバルセロナに息づく無国籍なヴァイヴであり、ストリートに根づいたレベル・ミュージックの熱い鼓動。まさに彼の地の熱気が真空パックされたようなアルバムでした。もちろんそこにチェ・スダカも収録されています。渡辺さんは彼らを『現在、バルセロナの音楽シーンをいちばんあつくしているバンド』と紹介しています。
そんなチェ・スダカ、メンバー6人のうち、中心人物のレオ(vo&g)を含む3人がアルゼンチン生まれ、2人がコロンビア生まれ、1人がスペイン生まれという、まさに混血グループ。結成は02年。現在はスペイン本国のみならず、フェスやツアーなど世界を賑わしているそうです。そして昨年の秋、いよいよ日本でも本格デビュー作となるベスト盤「CHE SUDACA」(写真上)がリリースされました。これはそれまでにリリースされていた4枚のアルバムからセレクトされた日本独自の企画盤だそう。これぞチェ・スダカ!な混血ミクスチャー・グルーヴがたっぷり楽しめます。
Che Sudaka - Mentira politika
彼らの4作目の「TUDO E POSSIBLE」からの曲で、ベスト盤「CHE SUDACA」ではオープニングを飾っている曲。異国情緒溢れるメロディーと、アコーディオンの音色が良いですね。ストリートっぽい掛け声や、中盤でラガっぽくなったりヒップホップ的な要素が混ざるところが格好良い! そして何と言ってもラテンなリズムですよね。おそらくルンバ・カタラーナという、バルセロナ産のルンバが基調になっている。でもそもそもこのルンバ・カタラーナも、キューバのルンバとバルセロナのフラメンコを掛け合わせた混血ですからね~。
Che Sudaka "Sin Papeles/Almas Rebeldes/Mentira Politika" VK Club Brussels 14/05/2011
スティングの「Englishman in New York」をカヴァーした「Sin Papeles」からのメドレー。この「Sin Papeles」は例の「MUSICA INOCENTE」にも収録された彼らの十八番。そして「Mentira Politika」での熱気を孕みながらも安定感のある演奏は、先のPVと聴き比べても、その演奏力の高さが伺い知れるところ。やっぱりアコーディオンが良いですね。ちなみにアコーディオン奏者のセルジオはコロンビア出身。
Che Sudaka on A38 Ship
こちらはライヴになるとパンキッシュになるパターン。スタジオ録音ヴァージョンはもっと牧歌的な感じなんですけどね~。で、この曲の題名は「Ona Kasuita」。切り方が変ですが「お腹空いた」です。歌詞も全て日本語。しかも「お腹、お腹、お腹空いた~!幸せになりたい~!」みたいな簡潔明瞭この上ない感じ。これは間違いなくフジで大合唱になるでしょう!もう大騒ぎな感じが目に浮かびますね。苗場の空に向かってみんなで「お腹空いた~!!」て叫びたい! それとこんな日本語詩を普通に外国のライヴで歌っちゃってるところがなんか嬉しい。そしてそれがチェ・スダカの真骨頂!
Che Sudaka - Almas rebeldes (Madrid, 21/10/09, presentacion "Tudo E Possible")
そしてこんなアコースティックなスタイルもいけるよう。これは色んなステージで観れるパターンかも。正直な話、私の個人的な趣味としてはパンキッシュな感じよりこっちの方が好だったり。アコースティックになってもしっかりストリートなヒップホップ感を失わないあたりも流石!
マヌ・チャオはもちろん、フェルミン・ムグルサ、ゴーゴル・ボルデロ、トドス・トゥス・ムエルトス、オゾマトリなど、これまでにフジを沸かせて来たミクスチャー・グループの系譜に確実に連なるバンドであり、ジョー・ストラマーから繋がる熱きレベル・ミュージックの精鋭と言えるチェ・スダカ。既に昨年、レオ(vo&g)、カチャファス(vo)の2人によるユニット・スタイルで来日を果たしていますが、フルメンバーでは今回が初来日。バルセロナの魂をフジで爆発させてくれることでしょう!!
VA / MUSICA INOCENTE
THE ZOOT16でも知られる渡辺俊美さん選曲によるバルセロナ・メスティーソ・シーンを捉えた決定版。チェ・スダカの他、Gertrudis、Muchachito Bombo Infierno、La Troba Kung-Fú、など16組を収録。
今年もやります!フジロック予習企画。例年、書き切れない感じで中途半端に終わってる感のあるこの企画ですが、今年はそれを踏まえて早めにスタートです。しかも栄えある第1回は、敢えて「ルーツな日記」ではあまりやらなそうなアーティストを取り上げてみました。
それは、チェ・スダカ。
バルセロナから登場したこのグループ、いかにもフジロックが似合いそう。いや、似合うどころか今年のフジロックを席巻する台風の目となりそうな予感。
ここ数年やたらと熱い、バルセロナ・メスティーソ・シーンってご存知ですか? かく言う私もさほど知らないんですが、メスティーソとは混血を表すスペイン語だそうで、つまりはバルセロナ産の混血ミクスチャー・ミュージック・シーンのこと。バルセロナと言えば、中南米、アフリカ、アジアなどからの移民が多いという、人種の坩堝のような町であり、あのマヌ・チャオも拠点としている町。そしてそのマヌ・チャオこそこのシーンを牽引している張本人だったり。
私がこのシーンを知ったのは、08年にリリースされた「MUSICA INOCENTE」(写真下)というコンピ盤からだったと思います。コンパイルしたのはTokyo No.1 Soul Setの渡辺俊美さん。彼もマヌ・チャオに魅せられた一人であり、実際にバルセロナに足を運び、このシーンを肌で感じて来られた方。そんな渡辺さんが編んだ「MUSICA INOCENTE」にはこのシーンの猛者達による個性豊かな演奏がびっしり納められています。ラテン、ルンバ、フラメンコ、スカ、パンク、ヒップ・ホップ、まさにごった煮。それはバルセロナに息づく無国籍なヴァイヴであり、ストリートに根づいたレベル・ミュージックの熱い鼓動。まさに彼の地の熱気が真空パックされたようなアルバムでした。もちろんそこにチェ・スダカも収録されています。渡辺さんは彼らを『現在、バルセロナの音楽シーンをいちばんあつくしているバンド』と紹介しています。
そんなチェ・スダカ、メンバー6人のうち、中心人物のレオ(vo&g)を含む3人がアルゼンチン生まれ、2人がコロンビア生まれ、1人がスペイン生まれという、まさに混血グループ。結成は02年。現在はスペイン本国のみならず、フェスやツアーなど世界を賑わしているそうです。そして昨年の秋、いよいよ日本でも本格デビュー作となるベスト盤「CHE SUDACA」(写真上)がリリースされました。これはそれまでにリリースされていた4枚のアルバムからセレクトされた日本独自の企画盤だそう。これぞチェ・スダカ!な混血ミクスチャー・グルーヴがたっぷり楽しめます。
Che Sudaka - Mentira politika
彼らの4作目の「TUDO E POSSIBLE」からの曲で、ベスト盤「CHE SUDACA」ではオープニングを飾っている曲。異国情緒溢れるメロディーと、アコーディオンの音色が良いですね。ストリートっぽい掛け声や、中盤でラガっぽくなったりヒップホップ的な要素が混ざるところが格好良い! そして何と言ってもラテンなリズムですよね。おそらくルンバ・カタラーナという、バルセロナ産のルンバが基調になっている。でもそもそもこのルンバ・カタラーナも、キューバのルンバとバルセロナのフラメンコを掛け合わせた混血ですからね~。
Che Sudaka "Sin Papeles/Almas Rebeldes/Mentira Politika" VK Club Brussels 14/05/2011
スティングの「Englishman in New York」をカヴァーした「Sin Papeles」からのメドレー。この「Sin Papeles」は例の「MUSICA INOCENTE」にも収録された彼らの十八番。そして「Mentira Politika」での熱気を孕みながらも安定感のある演奏は、先のPVと聴き比べても、その演奏力の高さが伺い知れるところ。やっぱりアコーディオンが良いですね。ちなみにアコーディオン奏者のセルジオはコロンビア出身。
Che Sudaka on A38 Ship
こちらはライヴになるとパンキッシュになるパターン。スタジオ録音ヴァージョンはもっと牧歌的な感じなんですけどね~。で、この曲の題名は「Ona Kasuita」。切り方が変ですが「お腹空いた」です。歌詞も全て日本語。しかも「お腹、お腹、お腹空いた~!幸せになりたい~!」みたいな簡潔明瞭この上ない感じ。これは間違いなくフジで大合唱になるでしょう!もう大騒ぎな感じが目に浮かびますね。苗場の空に向かってみんなで「お腹空いた~!!」て叫びたい! それとこんな日本語詩を普通に外国のライヴで歌っちゃってるところがなんか嬉しい。そしてそれがチェ・スダカの真骨頂!
Che Sudaka - Almas rebeldes (Madrid, 21/10/09, presentacion "Tudo E Possible")
そしてこんなアコースティックなスタイルもいけるよう。これは色んなステージで観れるパターンかも。正直な話、私の個人的な趣味としてはパンキッシュな感じよりこっちの方が好だったり。アコースティックになってもしっかりストリートなヒップホップ感を失わないあたりも流石!
マヌ・チャオはもちろん、フェルミン・ムグルサ、ゴーゴル・ボルデロ、トドス・トゥス・ムエルトス、オゾマトリなど、これまでにフジを沸かせて来たミクスチャー・グループの系譜に確実に連なるバンドであり、ジョー・ストラマーから繋がる熱きレベル・ミュージックの精鋭と言えるチェ・スダカ。既に昨年、レオ(vo&g)、カチャファス(vo)の2人によるユニット・スタイルで来日を果たしていますが、フルメンバーでは今回が初来日。バルセロナの魂をフジで爆発させてくれることでしょう!!
VA / MUSICA INOCENTE
THE ZOOT16でも知られる渡辺俊美さん選曲によるバルセロナ・メスティーソ・シーンを捉えた決定版。チェ・スダカの他、Gertrudis、Muchachito Bombo Infierno、La Troba Kung-Fú、など16組を収録。