息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

弥勒の掌

2012-11-01 10:24:23 | 著者名 あ行
我孫子武丸 著

本格ミステリであり、警察小説でもある。
作りこんだ構成と意外な結末は期待を裏切らない。

刑事・蛯原は妻を殺害されたばかりか、汚職の疑いまでかけられ
苦しい立場にある。
そして高校教師の辻は行方不明の妻を探していた。
二人はいつのまにか事件に巻き込まれていく。
そこには宗教団体「救いの御手」が絡んでいた。

二人が交互に主役をつとめる物語は、次が気になってついつい
読みふけってしまう。
舞台が整い、理解が進んできたところで、今度は猛スピードで話が進む。
次々と繰り出される展開についていくのが精一杯。

そして犯人は思いもよらぬ存在だった。

いろいろ予想してみても全部はずれてしまう。
途中でこうかなと思ってもすべてが違っている。

ただそこにやや無理な設定を感じてしまうのが残念。

しかし取材は綿密になされているし、トリックも手が込んでおり
読み応えは十分。
楽しめる作品だ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿