息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

世界史怖くて不思議なお話

2013-11-30 12:00:12 | 著者名 か行
桐生操 著

おなじみのシリーズだが、ここで書くのは初めてかもしれない。
というのも、文中の!マークの多用とか、文章の運びとかが、
週刊誌っぽいというか、軽々しいというか、あまり好みでないんだよねえ。

しかし、内容的にはよく研究されていてとても面白いのだ。ジレンマ。
これが淡々と書かれたものだったら、シリーズ全部揃えたと思う。

もちろん目新しいものばかりがあるわけではないのだが、謎に満ちた
事件や人物を切り取り、当時の社会情勢や文化的な背景を交えつつ
語る、という形式なので、特に歴史に強くなくても楽しく読める。
もしかしたら、私が好まない文章も、人によってはすごく読みやすいの
かもしれない。わがままでごめんなさい。

歴史に残る人物には、人を惹きつけるカリスマ性がある。
それが周囲のお膳立てによって作られたものか、本人がたまたま持ち合わせた
資質なのかは別として、まわりの全てを巻き込み、大きくなっていく。
きっとその中心にいる本人は、台風の目の静けさのように、案外周囲の
状況はわかっていなかったのではないか、という気がするのだがどうだろう。
自らそれに酔い、突き進んでいくような人物であったとするなら、
相当に特殊な、普通の暮らしは到底できないような人だったのか。

同じ人物でも角度を変えると違って見える。
それが歴史のおもしろさと思うのだが、こんなふうにキーワードで
まとめた本は、それを存分に楽しませてくれる。

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