息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

朝日のようにさわやかに

2011-12-07 10:48:47 | 恩田陸
恩田陸 著

恩田陸の魅力をぎゅーっと詰め込んだ短編集。
作者の書くものではどちらかというと長編のほうが好きな私だが、これは楽しい。
ジャンルがてんでバラバラなのも、どこかで読んだモチーフを感じるものも、
すべてが長所となりそれぞれが個性を主張している。

「水晶の夜、翡翠の朝」はあの『麦の海に沈む果実』のヨハンが登場する。
舞台はイギリスに変わるが、その美しい悪魔さながらの魅力は健在。
『黄昏の百合の骨』とともにその世界観を堪能したい。

「あなたと夜と音楽と」ではラジオのDJの軽妙な語り口で、殺人が暴かれる。
アガサ・クリスティの『ABC殺人事件』にささげられた作品だが、これもお見事。

どれが好き? と恩田陸ファンに問いかけたら、好みがすぐにわかりそう。
とてもよくできたサンプル帳とか、モデルのブックなんかを思い出す。
初めて恩田ワールドに触れる人にもいいかもしれない。

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