息をするように本を読む

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それでも「好きなものだけ」食べさせますか?

2014-07-01 10:52:31 | 著者名 た行
田中葉子 ほか 著

「食育」が言われて久しいが、平均的に見ると食事に関する問題は
年々大きくなっているのではないかと思う。

どんなに努力しても体はひとつしかないから、働く親は家にいる親より
食に注ぎ込む時間が少なくなるし、昔のようにゴミを庭や畑に埋めたり、
燃やしたりできず、住居のスペースも限られている以上、まるごとの魚や
野菜が避けられるのは仕方がない。
そして、何よりもすぐに食べられるものはとても簡単に手に入るのだ。
口当たりがよく、わかりやすい美味しさで、価格も手頃。
この誘惑に屈せず、食を守るのは教育と意識の高さしかないのだ。

ここで登場する食事のようすは、寒々しいものや驚くものも多いのだが、
それが必ずしも親の怠慢や祖父母の甘やかしというわけではない。
食べないと分かっていてもきちんと子供の食事を用意している家庭も多いし、
そこに並ぶ献立は全部食べるならば、理想的なものもある。
みんながそれを食べていた時代と違うのは、そこに子供が好きなものを
食べる、という選択肢があるということだ。

肥満や栄養失調などの問題は避けては通れない。
そこで、子供自身に知識をもたせること、食べ物が育ち口に入るまでの
過程を経験させることが提案されている。
肥満の子には運動の必要性も自覚させている。

どんどん栄養を必要としている成長期に、偏った食事をしてしまうことは
将来的に長く苦しい問題を抱えてしまうことに繋がる。
また、味覚や生活に刷り込まれた習慣は、普通の人ならなんでもないことを
大きな負担にさせてしまう。
そんな重荷を幼い子に背負わせるのはあまりに過酷だ。

生きることとは切り離せない食について改めて考えさせられた。

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