哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

「沈まぬ太陽」

2009-11-08 04:12:30 | 時事
話題の表題映画を観た。長時間だからちょっと及び腰だったのだが、御巣鷹山の事故時に現場の臨時の管制に従事した人に薦められて観た。前にクラーマーズハイという映画も観たが、現在進行中の日航の経営破綻問題もあり、日航関連が騒がしい最中での話題作だ。

観終わってみると、あまり長時間であることを感じさせない、良い映画であった。ただ、今の日航問題を考えると複雑な思いになる。主人公は労組の委員長として、組合員の賃金アップを勝ち取るが、今の日航の年金問題はその賃金の後払い的なものだから、当時の主人公の話が実話だとすれば、現在の日航問題に跳ね返ってきていることになる。映画はきっとフィクションもかなり入っていると思うが。


ところで、御巣鷹山の事故でも、阪神大震災でも、上空に自衛隊や報道のヘリコプターが多数来るため、緊急に交通整理(自衛隊による管制)をしなくてはならないそうだ。一歩間違うと二次災害になってしまうため、災害時の管制は相当大変な緊張感を強いる仕事である。このように、災害救助における自衛隊員は、池田晶子さんのいう消防士(『考える日々Ⅲ』参照)と同様、待ったなしの命懸けであり、清廉な仕事と言っていいのではないか。池田さんは警察と自衛隊を、消防士と分けて書いてはいるが。