哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

「ハケンの品格」(民放ドラマ)

2007-05-13 00:00:10 | 時事
 ちょっと古い話ですが、民放ドラマの話です。

 ドラマはNHK大河以外はほとんど見ないのですが、「ハケンの品格」は人から薦められて、途中から見ました。娯楽的ドラマに変わりはないとは思いますが、最終回に主人公が発した言葉「働くことは生きることです。」がなぜか、多くの人に感動を与えたということを聞いて、ちょっと考えました。


 そもそも働こうが働くまいが、死ぬまでは生きるしかないのが人間なので、何か特別なことを言っているのだろうか?とは思いましたが、おそらくこの言葉の前提としては、「どうせなら働かずに楽して生きたい。働かないで食っていける方がよい。」というものがあるのかもしれません。それに対して「働くことは生きることです。」とは、甘えてはいけない、働き甲斐を見つけなさい、という教訓的・道徳的ニュアンスがあるように感じられました。


 「楽して生きる」ということに何の価値も認められないことは、池田晶子さんが常々書いておられたことです。「生きる」ことに価値があるのではなく、「善く生きる」ことこそ価値があるのでした。

 そして働くことは、それが「働かなければ食えないから」というように生活の糧を得るのが目的であれば、それは「食うために生きる」のであって、単に「生きる」ことと変わらなくなります。


 池田さんは、プロとは仕事に覚悟を有する人と定義づけました。単に生存することよりも、生きて何をするのかが重要なのですね。それを前提に最初の言葉を考えると、「働くこと」が「善く生きる」ためであること、であれば、より肯定的にとらえることができます。

 あえて言い換えれば、「覚悟をもって働くのであれば、それこそ善く生きることである。」ということでしょうか。


1 コメント

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Unknown (Unknown)
2007-05-16 21:39:58
池田さんの連載が終わってしまってから「サンデー毎日」は読んでいなかったのですが、今週久しぶりに買ってみました。すると載っていたのは・・・


荻原博子 幸せな老後への一歩 第37回

「長生きしすぎるリスク」への備えは 生命保険ではなく、やはり「現金」


やっぱり来週から買うのやめました。
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