哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

日めくり池田晶子(番外編) 36

2008-08-09 08:08:06 | 哲学
 普通の人は「見たいと思う現実しか見ない」、という言葉は、塩野七生著『ローマ人の物語』におけるカエサルの言葉として繰り返し語られるので、カエサルの言葉としての印象が深い。しかし、池田晶子さんにも今回のような、同様の言葉がよく出てくる。しかも、わからないことをわかろうと努力することの必要性を言っているのは、カエサルと同じ趣旨であろう。




36 すべての人間は、自分の見たいものしか見られない。

 いかな聖人君子といえど、その人が世界を見る見方は、その人が世界を見る見方でしかあり得ないのである。すなわち、世界とは、「その人の」世界でしかあり得ないのである。(『知ることより考えること』「見たいものみえるもの」より)