哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

イチローづくし

2007-07-15 19:24:40 | 時事
 今週はメジャーリーグのオールスターゲームでMVPに選ばれたイチロー選手の報道がありました。

 スポーツに興味がない池田晶子さんも、天才にはとても興味がおありだったので、イチローに関する文章もあちこちにあります。少しづつそれらの文章を集めてみましょう。


「自分が本当にしたいことを仕事にできる人は、幸せだ。楽しくて、お金が稼げて、しかも自分の能力を伸ばすことができるイチローみたいな仕事だ。・・確かに、スポーツ選手や芸術家などは、早くから自分の才能に気づいて、自分のしたいことがわかっている場合が多い。むろん、それで実際に稼いで生活できるようになる人はその中のごく一部で、その意味では大変だけれども、自分のしたいことをしているから、稼げはしなくても楽しいみたいだ。」(『14歳からの哲学』P.115)

「イチローにだってスランプはあるわよ、と友人に言い訳したら、イチローにはスランプは、もはや「ない」のだと教えてくれた。ある瞬間に、おそらくは何がしか玄妙な何かを捉え、自分にはスランプはもはや「ない」と悟ったのだそうである。ううむ、やっぱり人間ではなかったな。」(『ロゴスに訊け』P.68)

「あの人、イチローに関してだけは、さすがに私も関心があった。彼には、野球好き以外の人をも惹きつける何かがある。つまり、彼には天才の匂いがするのである。そして私は、あらゆる天才という人にに眼がない。天才が好きなのである。
 たたずまい、その気配で、だいたいそれはわかるものだ。野球の技術のことなど、私には皆目わからないけれども、インタビューでの受け応え、言葉の選び方、その間合いなどで、明らかに彼は精神の人であるとわかる。ある種の精神のありようを彼は自覚していて、言葉は常にそこを経由して発語されてくるのである。だから天才の言葉には無駄がない。他人を忖度するところがないのである。」(『勝っても負けても』天才が好き)


 もはや日本人であることも忘れさせるように、メジャーリーグの超一流選手となったイチローを、池田さんは「やっぱり!」と確信を持って見ていることでしょう。

 奇しくも、今月の日経新聞「私の履歴書」連載中の長嶋茂雄さんの話も天才的です。時代が違えば、池田さんはチョーさんが好きだったでしょうか。


1 コメント

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Unknown (Passersby)
2007-07-22 01:48:54
長嶋茂雄さんが久々に監督に復帰したとき、背番号をもったいぶって、ウインドブレーカーをなかなか脱がなかった。

これを見て、この人天才でもなんでもなく、計算高い、俗人だと思った。

野球では天才なのかもしれないけど、池田さんの言う天才とは違う気が。
「私の履歴書」は読んでませんが。
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