哲学とワインと・・ 池田晶子ファンのブログ

文筆家池田晶子さんの連載もの等を中心に、興味あるテーマについて、まじめに書いていきたいと思います。

『語源でわかった!英単語記憶術』(文春新書)

2006-05-17 06:52:34 | 語学
 ドラゴン桜のモデルの教師が、英単語の記憶のために語源による理解を活用しているという話がありましたが、たまたま本屋で上記書籍を見つけ、面白そうなので購入しました。

 著者は学者ではなさそうで、どうも技術系の経済人のようですが、この本を読む限りでは、まるで言語の専門家です。ラテン語等にさかのぼり、単音節での意味から説き起こす説明は大変興味をかきたてます。


 池田晶子さんは「言葉は命」と言います。言葉がどのように作られてきたか、つまり語源を知ることは、生命の源を探るようなものでしょうか。


 池田さんが言っている「言葉は命」というのは、例えば「正しいとはどういうことか」というように、言葉が概念を明確に意味していることに注意を向けるというものです。もし「悪いことも正しいことも相対的でしかない」なんて言ってしまうと、「悪いこと、正しいこと、という言葉の意味内容自体は絶対的であり、万人に知られているではないか」と反論されます。つまり「正しいこと」が人によって意味内容が変わるはずはなく(そうでなければ言葉自体が成立し得ない)、言葉が絶対的ということは、それによって表現されるさまざまな事象やその価値も絶対的なもののはずです。だからこそ「言葉は命」なのです。

 正しいとはどういうことか、正しい行為とは何か、あなたは正しい行為をしているのかそれとも悪い行為をしているのか・・・と。