山スキーと山歩き みやぶろぐ

山スキーと登山など、きままに書いてみます

岩手山

2014-04-29 | 2013-14山スキー

山域山名:岩手山(岩手県)
期  日:2014年4月20日(日)
参 加 者:みやぶー(単独)
行動記録:焼走り登山口570m(7:00)→610m(7:15)→焼走溶岩流850m(7:40/7:50)→1480m(9:50/10:05)→外輪山直下スキーデポ1920m(11:20/11:25)→岩手山2038m(11:50/12:25)→お鉢巡り→外輪山直下1920m(12:45/13:10)~森林限界上1100m(13:30/13:45)~焼走溶岩流780m(13:55/14:05)~610m(14:20)→焼走り登山口570m(14:40)
<天候:快晴>

道の駅にしねで仮眠。明け方の気温はマイナス1℃と冷え込んだので、上部斜面はカチカチだろう。気温が上がる頃に山頂に登るため、ゆっくりと起きる。

ここから見上げる岩手山は美しく、また荘厳に見える。

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焼走り登山口からの「月と岩手山」、とても絵になる。モチベーションが上がる。

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登山届を出して出発。登山道の雪は消えている。

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溶岩流に上ってルートを確認する。先週末の報告を見たら、まだ上部はカリカリのアイスバーンだったので、ノーマルな噴出口から直登するルートではなく、何度も岩手山東面を偵察していたので、南寄りの斜面から外輪山にアプローチすることにする。

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20分くらい歩いて、雪がつながった610m付近でスキーを履く。

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焼走溶岩流の最上部付近。

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密な樹林帯を抜けたら、頭上は山頂まで何もない。富士山の時もそうだが、目標物のない斜面を延々と登っていると、並行感覚がなくなって頭がクラクラしそうになる。
登っても登っても、目前の岳樺が近づかない…。

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やっと1450mあたりで岳樺の疎林帯に着いた。暑さと何も景色が変わらない単調な登りがしんどかった。
でも、雪面は絶好のフィルムクラスト。滑りが楽しみだ。

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遠く北上川を挟んで、4、5年前の夏と正月に山スキーで登った思い出深い姫神山。
真下には5分おきくらいに、けたたましい砲弾の爆音を出している自衛隊の岩手山演習場。美しい霊峰岩手山には、まったくそぐわない。

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南には、早池峰山も見えた。いつかはぜひ、あの斜面を滑ろう。

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クトーを付けて、さらに登る。左側の灌木に何やら動く物が??、カモシカだった。
行動を観察していたら、この辺りを縄張りにしているらしい。

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どこで外輪山に登り上げようかと高度を上げていくと、1ケ所だけ外輪山直下まで雪渓がつながっていたので、ここを登っていく。
今日は最上部まで雪は緩んでいた。たった1週間で条件は一気に変わる、山は難しい。

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外輪山までシールで登れました。下を見るとすごい高度感だが、斜度はそれほどでもない。このラインが一番斜度が緩く、しかも南東向きなので雪も早く緩んで、もっとも効率的に外輪山に上がれるルートでしょう。
スキーをデポして、ザレた斜面を20mほど登って外輪山に立つ


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不動平に建つ8合目非難小屋。馬返からたくさん登山者が登っていた。

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岩手山神社奥社。

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岩手山山頂の薬師岳までは外輪山を巡る。

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上坊神社ルートから突き上がるルンゼ状の沢も魅力的なラインだが、まだシュカブラが残って雪面も硬そうだった。

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最高峰の薬師岳は雪がたっぷり。スキーを担ぎ上げれば…と少々後悔。

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いや~登りました(^_^)v
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今日は風もなく穏やかで、展望も素晴らしい。北緯40度近い2000m独立峰の岩手山としては、滅多にない好条件でした。

鬼ヶ城越しに秋田駒ヶ岳。

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眼下の猪苗代湖と黒倉山、尾根で続く姥倉山は、昨年の正月は烈風地獄だった。
ぐるりと囲む稜線上に大松倉山、三ツ石山と頭をもたげているような小畚山。いずれもここ4年間の正月に山スキーで登っている。

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松川源流北側には、大深岳と何度も登っている源太ヶ岳。遠くには森吉山も見える。

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屏風尾根と平笠不動避難小屋。雪面は波打ってスキーには不向きだった。

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八幡平は東西に延びる大山塊。

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下っていく登山者の向こうは和賀岳。まだ山スキーのイメージはできていないが、いつかは是非。

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山頂をあとにお鉢巡りへ。

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スキーデポした場所に戻って滑降へ。すごい特大斜面だ。毎年見上げていた斜面が足下に拡がっている。。

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あまりに大きさに、ヤッホー!!!と笑いながら滑ってました。

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斜度がほぼ一定のこんな一枚バーンは、ここだけでしょう。やっと、ダケカンバが近づいてきた。

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いや~最高でした。

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濃密な樹林帯を抜けて溶岩流へ。

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何度も何度も、あの大斜面を振り返る。
雪を拾いながら610mまで滑って、あとは板を担いで登山道を下りました。

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今日、登った雪渓を参考まで。

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地形も傾斜も把握できたので、次回は違う斜面からアプローチしよう。

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焼走りの湯でひと風呂浴びて、展望台から岩手山を眺めて帰路に着きました。
東北の名峰、岩手山はやっぱり素晴らしかった。
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秋田駒ヶ岳・女岳(南部カルデラ)

2014-04-25 | 2013-14山スキー

山域山名:秋田駒ヶ岳・女岳(岩手県、秋田県)
期  日:2014年4月19日(土)
参 加 者:みやぶー(単独)
行動記録:仙岩トンネル入口570m(9:20)→車道(9:30)→国見温泉850m(10:30/10:45)→横長根1175m(11:25・11:35)→南部カルデラ→秋田駒女岳1510m(12:45/13:20)~姿見ノ池1110m(13:40/13:50)→横長根(14:10/14:15)~国見温泉(14:25)→仙岩トンネル入口(15:05)
<天候:晴れ>

冬の寒気の支配下にあった雪山も、4月半ばになると急に優しい顔を見せるようになる。特に北東北の高い山はそれが顕著である。この時期はまだ山麓の雪も豊富で、春山スキーを楽しむには絶好のタイミングである。

埼玉からは片道500㎞とかなり遠く、過去にも敗退していたが、念願の秋田駒ヶ岳南部カルデラと岩手山東面の大斜面を滑ってきました。

仕事を終えた前夜9時過ぎに自宅を出発。長者原SAで睡魔に負けて仮眠し、早朝走って盛岡ICへ。みちのくは1℃とこの時期としては冷えていた。

入山口は国道46号仙岩トンネル入口。

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地図には出ていないが、昔の旧道の橋が対岸に架かっている。

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国見温泉につながる林道は除雪してあった。

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2㎞ほど歩いたヘヤピンで除雪中だった。
作業員に聞いたら、残雪は去年より多め。国見温泉までの除雪はあと1週間ほどでGW前に終わるが、宿の営業はGW明けからことのこと。

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まだ1階が埋まって
いた石塚旅館。

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とうとうと流れる国見温泉。4年前に入ったことがあるが、お湯は緑色だった。

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国見温泉上の斜面は樹が密な緩斜面が続く。

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延々と南部カルデラを囲む横長根の稜線。

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横長根からの女岳。この景色が見たかった。

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シールのままカルデラに下りる。今日のメインは目の前の女岳。

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小岳の奥の黒い斜面は大焼砂。

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南東面には大きなデブリ。

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思わずラインを引いてしまう横岳南面と、その下に初夏には桃源郷のごとく花々が咲き乱れるムーミン谷。

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女岳の斜面には至る所から煙りが上がっていた。バックはピラミダルな男岳。

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女岳山頂には火山観測用の基点があった。

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南側には田沢湖。

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西には森吉山。

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いざ、滑降へ。まずはぽっかり開いた小岳火口を正面に。

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締まったザラメにラインを描く。最高です。

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次は、南東斜面にトラバースして、大カルデラを眼下にGo!!

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素晴らしい1本でした。

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田沢湖に向かって南部カルデラを滑る。

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ずっとこの景色を眺めていたい。

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姿見ノ池から横長根に登り返す。

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横長根から国見温泉まではクルージング。

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雪に埋まる国見温泉。

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除雪は半日で200mほど進んでいた。意外と時間がかかる。

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このあと車道を歩いて、最後の斜面だけ滑って仙岩トンネルへ下山。
憧れていた南部カルデラをトレースできて満足でした。
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道の駅で、雫石牛の卵とじ丼を注文。みちのくは飯も旨い。
乳白色の網張温泉にも浸かりました。

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雫石に下りたら、ちょうど岩手山が残照に輝いていた。明日はあの頂きだ。

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巻機山(米子沢)

2014-04-16 | 2013-14山スキー

山域山名:越後・巻機山(新潟県)
期  日:2014年4月12日(土)
参 加 者:みやぶー、やまサイ、くりペア、らがー
行動記録:清水600m(7:10)→桜坂760m(8:00/8:10)→井戸の壁1120m(9:00/9:15)→ニセ巻機直下1670m(10:30/10:45)→ニセ巻機1861m(11:20/10:40)→巻機山1967m(12:10/12:55)~米子沢1300m(13:25/13:35)~桜坂(14:05)~清水(14:15)
<天候:快晴>

一日中好天が約束された今日は、先週のリベンジで再び巻機山へ。

朝の金城山と巻機山。山麓の雪はだいぶ融けた。

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除雪終点から出発。

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桜坂への林道はまだ通行止めだが、除雪作業が進んでいた。

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黒岩峰と割引岳、きょうはとても眩しい。

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井戸の壁とニセ巻機。今日はバッチリだ。

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今朝は冷えて雪面が硬いので、斜度が急な100mはアイゼンで登る。

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再びシールで登る。

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5合目上で米子沢を偵察したが、雪割れはまったくなし。
隣りの米子頭山にもいいラインがありそうだ。

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春はやっぱり、いい天気じゃなくちゃ~。

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天狗岩と睨めっこ??

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ニセ巻機を見上げる。

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天気がいいと、気分ものんびりしたくなる。

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しばし大展望を楽しむ。
左から谷川岳、一ノ倉岳、茂倉岳、尖った万太郎山、仙ノ倉山と平標山。
手前の大源太山は上越のマッターホルンと呼ばれるだけあって、よく目立つ。

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1600mから再びアイゼンで夏道尾根を直登する。

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ニセ巻機からの山頂。素晴らしいスロープが拡がっている。

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米子沢源頭。

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ニセ巻機をバックに。

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北側には越後三山の勇姿。

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山頂でのんびりと大休止したあとは…

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米子沢へGo!。

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素晴らしいロケーション。

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イエ~イ。

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シュプールを並べて…

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ダイブして…

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雪景にも魅せられて…

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米子沢源頭からいよいよ本流へ。

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上流部のS字状斜面を抜けると、

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広く明るい斜面へ。10年ほど前の秋に沢登りで米子沢を遡行したことがあるが、おそらくこの辺りが美しいナメだったあたりか。


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スキー板がよく走るザラメのベストコンディション。音くらい聞こえるかもと思っていたが、大滝もまったく分からずに通過してしまった。

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1300mで休憩中、笑いが止まらない。

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下部はデブリが出てきた。

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ニセ巻機支沢からは大きな全層雪崩。

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900mからは緩斜面となって直滑降。桜坂から杉林を抜けて清水集落へ。

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軒先で汚れた板を洗う。

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下界はポカポカでした。

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下山後に割引岳西面を眺める。1781mピナクルがとても気になった。

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駒子の湯に浸かって、中野屋でへぎ蕎麦を食べる。春スキーのフルコースを満喫~。

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2週続けて来た甲斐あって、おそらく今シーズンベストの条件の米子沢を滑れて、最高でした。

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岳人5月号

2014-04-13 | 日記

15日発売の岳人5月号が届きました。

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新岳人写真倶楽部に、2月に登った三岩岳の写真が載っています。
これまで何度も掲載され、「仙ノ倉から万太郎縦走」ではタフ賞を受賞しましたが、自分の中ではこれが一番のショットです。
山頂直下の稜線を登行中に、反射的にシャッターを押した一枚。
ぜひ、見てみてください。

特集は、今月号から8月号に渡って「岳人100ルート」です。
日本の山を知り尽くし、困難に立ち向かう本当の山ヤを愛した編集部の思いが伝わってきます。


昨日は、先週のリベンジで巻機山米子沢に行ってきました。

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詳細は後日にUPします。


巻機山

2014-04-07 | 2013-14山スキー

山域山名:越後・巻機山(新潟県)
期  日:2014年4月6日(日)
参 加 者:みやぶー、Kino、くりペア
行動記録:清水600m(7:05)→桜坂760m(7:50/8:00)→井戸の壁1120m(8:50/9:00)→ニセ巻機直下1670m(10:35/11:00)~桜坂(11:45)~清水(12:00)
<天候:朝小雪、のち風雪>

この時期としては非常に強い-36℃以下の寒気が午後に通過して、中部山岳には大荒れ予報が出ていたので、今日は午前中が勝負の1日。条件は非常に厳しいが、あわよくば米子沢を滑れればと六日町に向かった…。

関越トンネルを抜けたら、早くも雪が降り出していた。

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山麓は曇りだが、主稜線の山は雲に覆われている。

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清水集落奥の除雪最終地点に車を置く。
荒天予報だからだろうか、この時期いつもは大賑わいの巻機山だが、駐車は数台だけだった。

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厳冬期は雪に埋もれている清水集落も春が来た。

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米子沢を渡る橋から天狗岩が見えた。ここで昨日の新雪が10㎝。

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米子頭山もいいラインがある。

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これから登る井戸の壁。

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一瞬だけ陽が当たった黒岩峰。

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今年は雪がたっぷりあるので、井戸の壁もクトーで登れた。

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井戸の壁上のブナ林は、いつ来ても美しさに魅了される。

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森林限界を超えたら、完全なホワイトアウト。

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シール登行が限界になった1670mで、この後の行動を協議。
雪も風も強くなり、20mの視界では、とても米子沢に入れない。
このままニセ巻機に登っても、視界不良と斜面の雪が不安定なので、まともな滑降は期待できない。
風、気温、降雪の状況からおそらく寒気の支配下に入ったので、この後に来るだろう吹雪に巻かれたら下山も危うくなる。
となればさらに登行する選択肢はないので、いさぎよく下山決定。

視界がなく目標物もない状態では、登りのトレースをたよりに平行感覚を保ちながら滑るのみ。

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くりペア、ランデブー滑降。

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ブナ林に入れば、気分のいいパウダー滑降へ。

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4月にパウダーとは、今年は春になっても寒気の芯が強い。

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米子沢は滑れなかったが、「今日はその日ではなかった」と気持ちを切り替えて…、

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ブナ林のツリーランを楽しむ。

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今日も十分に楽しかった。

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雪はさらに強くなってきた。ニセ巻機直下で下山して正解でした。
天候の判断力と諦める決断は、冬山登山の経験値と決して別ではない。

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雪が降りしきる清水集落へ。

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車もすっかり白くなっていた。

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米子沢はまた次回の楽しみに。やっぱりザラメ雪を爽快に滑りたい。

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