山域山名:北アルプス立山・室堂山(富山県)
期 日:2013年11月21日(木)~22日(金)
参 加 者:みやぶー、ふくせんぱい、らがー
行動記録:
11/21 北本(5:40)=扇沢ターミナル(10:15/11:00)=室堂ターミナル2420m(13:15/13:55)→雷鳥荘2390m(14:25)
<天候:雪>
今年も立山からシーズンイン。
当初は11/20(水)に室堂へ入る予定だったが、水曜日は冬型が強まって暴風雪の予報が出ていたので、入山を1日遅らせて1泊2日に変更。
と、いっても金曜日まで寒気渦低気圧が日本海に停滞しているので、室堂にいる間に好天となる条件はほとんどなし…だが、行かないことには何も始まらず、5ヶ月ぶりの雪の感触を確かめるだけでも、、、と立山に向かった。
今日も午前中は荒れていてほとんど行動できないのは分かっていたので、のんびりと埼玉を出発。
大町温泉を過ぎるとあれよあれよと雪の量が増えて、除雪していない無料駐車場はご覧のとおり。
スコップで掘れば駐められるが、明日もたくさん車が入るし、出られなくなるのを懸念して有料Pに車を駐めた。
さすがは平日の黒部ダムはガラガラ。室堂までのアルペンルートは香港からのツアーばかりで、山スキーヤーは1パーティだけだった。
室堂ターミナルの窓から見ると、ほとんど視界なし。これでは登って滑る気もなくのんびりと準備する。
隣ではカラースポーツクラブのガイドが今日までのツアー反省会とこれから迎えるツアーの打ち合わせをしていた。結構、シビアにみているな~と。
まずは雷鳥荘までとターミナルの外へ。視界は100mほどとそれほど酷くはない。
香港から来た女性達は雪を見るのは初めてだとか。
彼女達から、「かっこいい~」と言われました。(おそらくスキーを履いた見慣れないヘルメットとゴーグル男だから?でしょう)
みくりが池付近。
雷鳥荘の玄関は、昨夜のブリザードで朝は埋まったらしい。
雷鳥荘北側の斜面。視界はよくない。
そのまま宴会では初日から芸がないので、荷物を置いて1本だけ初滑り。
凹凸が分からず、滑りに何とかなった程度だが、ま、こんなもんでしょう。
このあとは温泉to宴会モードへ(^^)
今晩の宿泊は70名、明日金曜日は100名超え、土曜日は300名超えの満員らしい。
11/22 雷鳥荘(8:45)→室堂ターミナル(9:15/10:30)→室堂山北面滑降&登り返し→室堂山2668m(12:15)→室堂ターミナル(12:50)
<天候:雪>
朝から雪、視界ほとんどなし。これでは主稜線に取り付くことはまったく無理、雪崩リスクも高いので急斜面も無理、午後から再び雪が強まる予報も出ていて天候回復も見込めず…。
とりあえずターミナルに戻って、様子をみることにする。
ホテル立山もぼんやりしか見えない。
昨日と同じベンチで待機していたら、扇沢からの1番バス、2番バス、3番バスが来るたびに、ドッ~~とスキーヤーが下りてきて、ターミナルがごった返す。
今日は金曜日だよね?と疑いたくなるような人の多さにびっくり。
バックカントリーブームもここまできたか、と怖いような気分となった。
我々の隣りで、ツアーガイドがお客に説明を始めた。雪の状況、天候、ビーコンなどの装備、今日の行動とルート、泊まる雷鳥荘などなど、1から100まで細かいレクチャー。
高い金を取っているのだから、当たり前といえば当たり前だが、まさに至れりつくせり。
昨日のガイド打ち合わせと今日の客への説明を聞いていたら、ツアーに参加してるだけでは、本当の冬山の力量はほとんどつかないでしょう。
そうこうしているうちに、いくらか視界もよくなったので、室堂山を1本滑ることにする。
中間あたりからまずは1本。所々波打った斜面でこけそうになりながらもプチパウダーを楽しむ。我々が付けたトレースをついてきたパーティが3組いた。
ふたたび登り返し。トレースが途切れたさっきの滑り出しポイントを過ぎて、室堂山に向かう。
視界は5~10mほどで、自分の登っている斜面の向きも分からない。GPSと何度か室堂山には登っていて地形は分かっているが、時々ストックを指して雪面を確認しながら山頂を目指す。
平たい室堂山山頂の端っこに着いた。何にも見えないホワイトアウト。
これより先に進むのは危険なのでここまで。
細かいアップダウンもあって、シールを取るとルートを外してしまうので、シールで下る。
登りのトレースはほとんど消え、白い暗闇を足探りしながら下る。凹凸や斜面でバランスを保てないと転倒してしまうほどの悪条件。
1本目の滑降ポイントでやっとシールを外す。視界は悪化し、風も出てきて吹雪になってきた。滑っているのか?分からない状態で標高を下げていき、無事に室堂ターミナルへ帰還。
翌日に真砂岳で雪崩が起きてしまった。亡くなられた方のご冥福をお祈りします。
大走り沢はこれまで11月下旬に3回滑降したことがあるが、いずれも真砂岳山頂から内蔵助カールを滑り終えてからの下山に使ったので、すでにシュプールでズタズタの状態だった。
おそらく尾根取り付き付近を登っていた5名は、音が聞こえたと思ったらもう目の前の雪煙に呑まれてしまったのかもしれない。
雪崩の要因などは専門家が調査しているので、目撃状況などと合わせて詳細な報告が出るだろう。
自分も1月の八甲田山で雪崩事故を経験しているので、2度とこのような惨事は引き起こしてはならないと肝に銘じているつもりである。でも、山スキーのフィールドはすべてをコントロールすることはできない雪山である。しかも、他人が誘発した雪崩には対処すべくもない状況もあり得る。
昨今の過熱気味とも感じるBCブームで、年々、室堂に入るスキーヤーが増え続けている。かるく千人を超える人が危険と隣り合わせのこの狭いエリアにいたとすると、非常に恐ろしい環境にあるのかもしれない。そんなこんなを考えさせれた初滑りだった。
今シーズンも安全に配慮し事故なく、山スキー人生を楽しみたい。
山域山名:越後六日町・坂戸山(新潟県)
期 日:2013年11月17日(日)
参 加 者:みやぶーほか4名
行動記録:鳥坂神社登山口200m(10:25)→城坂コース→桃の木平(11:30/11:45)→坂戸山634m(12:10)→大城往復→坂戸山634m(13:40)→薬師尾根コース→鳥坂神社(14:55)
年に一度の職場同僚との晩秋の落ち葉ハイク。今年は新雪の山を眺めに六日町の坂戸山に行ってきました。
朝霧の魚野川からの坂戸山。
坂戸山は案内図でも分かるように、六日町市街のすぐ西側にある600mそこそこの山で、市民のシンボル的な存在。
山頂には、昔、お城(坂戸城)が建っていたというから、まさしく里山の王道のような山です。
登ったルートが赤(城坂コース)で、下りは青(薬師尾根)を通りました。
ガイド本で「展望と紅葉は一級」と書いてあるが、まさに越後三山や三国川流域の名山がすぐ近くで、しかも雪をかぶった大パノラマでした。
山麓には屋敷跡が残っていた。
山麓の杉林もよく管理されていました。
山頂にある富士権現堂。
そう、スカイツリーと同じ高さ。
山頂からの六日町の街並。
悠々と流れる魚野川。
稲刈り前に来たら、さぞかし色鮮やかでしょう。
山仲間ハイカーから、家族連れ、ベルトポーチだけのちょっとお散歩?、トレラン、おじいちゃんおばあちゃんとその孫まで、たくさんの地元の方が、昼過ぎからも続々と登っていて、地元民に愛されている里山だと実感しました。
山頂は実城、派生する二つのピークを小城と大城と呼んで、それぞれお城があったようです。
一番先の大城まで行ってきました。
山頂からの展望は文句なし。八海山と中ノ岳。
三国川流域に連なる兎岳、大水上山、丹後山。
ネコブ山の右に、下津川山と小沢岳。
紅葉も楽しめた薬師尾根。
沿道には道祖神もたくさん置かれていた。
銭渕公園からの坂戸山。左の沢沿いを登って、右の薬師尾根を下りた。
麓から見上げると小さい里山だが、山頂に立つとすごく高度感があって、不思議な里山でした。
五十沢からの裏巻機。いつかはあの斜面を滑ってみたい。
畦地温泉を出たら、兎岳から丹後山稜線が夕日に照らされていました。
埼玉にも、しっかりと道が整備されて、安全で、眺望も抜群で、自分の住んでいる町が見下ろせる里山があればいいのに。
近くでは、寄居の鐘撞堂山がその雰囲気があるかも。
晩秋は、里山が一番輝く時期ですね。
明日から立山の予定でしたが、大荒れなので明後日入山に延期しました。
さて、今シーズンの初滑りはどうなるか。
下の写真は、去年のひとコマ(真砂岳)です。
山域山名:上越国境・平標山、仙ノ倉山、万太郎山(新潟県)
期 日:2013年10月28日(月)
参 加 者:みやぶー、ふくせんぱい、こまっぴー、らがー、きむてつ
行動記録:
10/27 江南(19:30)=湯沢IC=吾作新道下山口<車デポ>=元橋平標登山口P(23:00)<テント泊>
10/28 平標登山口970m(5:05)→林道終点1200m(6:00/6:10)→平標山ノ家1660m(7:05/7:35)→平標山1983m(8:15/8:35)→仙ノ倉山2026m(9:25/9:40)→避難小屋1784m(10:05/10:10)→エビス大黒ノ頭1888m(10:40/11:10)→毛渡乗越1568m(11:55/12:10)→万太郎山1954m(13:05/13:30)→井戸小屋沢ノ頭(14:15/14:20)→大ベタテノ頭1499m(14:50/15:00)→吾作新道下山口700m(16:10)
<天候:快晴>
週末はまた台風が接近し大雨だったので、鳳凰三山からアサヨ峰縦走の熊トレ合宿計画は中止に。
日曜日は今秋一番の寒気南下で上越国境は風雪だったが、月曜日には回復するので、アサヨ峰縦走メンバー5名で越後湯沢に向かった。
前夜の水上や湯沢は、まだしぐれの雨が降っていたが、下山口に車1台をデポし、平標山登山口の元橋に移動してテントで仮眠した。
朝は相当冷えて0℃くらいまで下がった。今日は長丁場なので、まだ暗い午前5時に出発。
標高1000m以上はもう紅葉は終わりのよう。
新雪が積もった清津川源流の山々。雪が積もると、山の輪郭がはっきりとして、山座同定もしやすい。
上ノ倉山 大黒山 佐武流山 ナラズ山
↓ ↓ ↓ ↓
テーブル状の苗場山はよく目立つ。
平標山の家。まだ小屋番がいて営業していた。
小屋の裏側に回ったら、平標山も白くなっていた。
霧氷に覆われた仙ノ倉山。自然が書いた絵画のよう。
積雪は1700mあたりから新雪を踏んで。
平標山の家と大源太山。
遠くの山並みは子持山、小野子山、榛名山など上州の山々。一番右端には富士山も見えた。
稜線は初冬の装い。
平標山頂の標識もエビの尻尾がびっしり。
新雪の平標新道尾根と、雪線より低い日白山。
越後三山、巻機山、平ヶ岳。眼下には西ゼンノ沢。
一ノ倉岳、茂倉岳、武能岳の国境稜線、奥は至仏山、燧ヶ岳、景鶴山、平ヶ岳。
仙ノ倉山への穏やかな稜線。
平標山頂での記念写真
真っ新な雪を踏みしめて。
ナナカマドの実も雪化粧。
平標山を振り返る。苗場山の左には北アルプス白馬岳も見える。
エビス大黒ノ頭。遠くに見える三角錐は皇海山。
きっと日本で一番快適な稜線を歩いているだろうな。
仙ノ倉山頂を目指して。
平標山から仙ノ倉山稜線。
仙ノ倉山頂もエビの尻尾がびっしり。
これから縦走する万太郎山。
バンザイ~~~~!!!!
一気に下るので軽アイゼンをつけて。
エビス大黒ノ頭を正面に。
淡雪もあと数分で融け落ちそう。
仙ノ倉山とエビス避難小屋。
格好いいエビス大黒。
岩が確かにエビス様?に見えるような。大黒様かも??
北斜面はまだ雪も固い。
新雪の白とクマザサの緑の色合いが、素晴らしいコントラストだった。
霧氷の稜線を登る。
仙ノ倉山を振り返る。
万太郎山はまだまだ遠いな~。
エビス大黒ノ頭山頂。
みんなご満悦の表情。
万太郎山は上越国境随一の山容。
鞍部の毛渡乗越まで300m下降してから再び登り返し。この起伏が万太郎と仙ノ倉を一段と際だたせる。
赤谷川本谷(阿弥陀沢)と赤谷山(小出俣山)。
仙ノ倉山東面の西俣沢。冬は大斜面となる。
万太郎山と東俣ノ頭。
毛渡沢は紅葉最前線。
毛渡沢乗越からのエビス大黒、仙ノ倉。
越路避難小屋。こっちは5、6人くらいは余裕で泊まれる。
万太郎を目指して最後の登り。
谷川岳から仙ノ倉、平標をつなぐ山スキールートもイメージできた。
今年の4月、山スキーでトレースした赤谷川源流。
万太郎山頂にて。
オジカ沢ノ頭の奥に谷川岳と一ノ倉岳、茂倉岳。
万太郎山から吾作新道を下る。
万太郎の頂き。
大ベタテノ頭、北ケドノ頭へと続く万太郎尾根。
葉が落ちだダケカンバも絵になる。
ナナカマドの実と大障子ノ頭。
万太郎谷を囲むオジカ沢ノ頭、谷川岳、一ノ倉岳と茂倉岳。
大障子ノ頭。
晩秋の斜陽にダケカンバが光る。
オオベタノ頭を目指して尾根を行く。
万太郎は空を突くように高い。
足拍子岳とコマノカミノ頭。
急坂を下って林道に出た。これで長い縦走も終わり。
快晴無風のなか、前日に降り積もったばかりの新雪を踏みながら、平標山から万太郎山にかけて上越国境稜線を縦走できた。
おそらく、こんな最高の条件での縦走に巡り会えることはそうはないだろう。