山スキーと山歩き みやぶろぐ

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ビーコン訓練

2016-02-25 | 2015-16山スキー
期 日:2016年2月14日(日)
場 所:土合山の家周辺
参加者:熊トレ山スキーメンバー11名
<天候:雨>

苗場WCの余韻も冷めやらぬまま、土合山の家へ。




ここは時が昭和のまま止まっている…。




土合に来たのは、2/13,14の労山関東ブロック救助隊深雪搬出訓練で、
ビーコンを使った探索訓練のデモをしてほしいと、埼玉県救助隊長から依頼があったもので。

熊トレ山スキーチームは、2004年から毎年雪山に入ってビーコン訓練をやっているが、
各県山岳会を見渡しても、単会単位で系統的に継続している会はほとんどないとのこと。

大したことをやっているつもりはまったくないのだが、
山スキーを長くやっていると、雪崩への警戒や対処、リスクは絶対に避けて通れない。

ビーコンは単なる(誰かが見つけてくれる…)お守りではなく、
パーティの仲間を助け出す手段である。

だから、熊トレでは早期捜索のために3アンテナビーコン所持を義務としていて、
これは他のパーティメンバーへの責任と位置づけている。

ビーコンの特性や機種ごとのメリット、デメリットをよく知って、
何より、雪山の中でも1分1秒でも早く、サーチモードで埋没者を探し出さなくてはならない。

訓練を継続しているのは探索技術を磨くのはもちろんだが、
メンバーへのリスクに対する意識付けも実は大きい。


救助隊の方々は山スキーより、クライミング系が圧倒的に多い。
夕飯後は、労山関東ブロック各県から集まった救助隊の方と親睦を深めました。
ヒマラヤやカラコルムの高峰に挑んでいる話しはとても刺激になりました。


翌日は生憎の雨天。訓練だから、もちろん雨でもやります。




訓練デモの持ち時間が1時間だったので、できるところまで。

まずは、ビーコンを見える位置に置いて、電波のフラックスラインの確認。







最初は雪面に正対で置いて、2回目は雪面に横に立てて置いた。
立てて置いた方は、楕円でなく、S字状を描いていた。
置き方によって、ラインは微妙に変わるのだが、博がなくて詳しい説明はできません。

その後は、ビーコンを1個埋めて5人づつで2パーティごとに各1回、最後に複数埋没を想定して2個埋めて探索。
今日は平場なので、シール登行中に雪崩に遭ったと想定。デブリの範囲は幅20m×走路30m。



1個は、4分19秒と1分55秒で発見。

最初の4分は十字法に入った時に、アルバアクシスのサーチモードボタンがお腹で押されて発信モードになってしまったことによる混乱が原因。
先端のボタンを上に引き出すが、ロック機構がないので、ビーコンから手を離してスコップで探索していると、自然にボタンが元に戻って発信モードになってしまう。
去年も同様の事象があったので、これで2回目。このビーコンは使用に難ありとの結論が出た。

複数埋めた時は、1個目は1分49秒、2個目は2分42秒。
これはいつもとほぼ同じタイム。今回は平場で移動も容易なので、こんなもんでしょう。







これでちょうど1時間。あっと言う間でした。

デモのあとは質疑応答を30分。

ビーコンの種類やメーカーごとの特性、
自分が雪崩救出した時の状況や雪崩に流された体験などを絡めてお話ししました。

救助隊の先鋭達を前に、プレッシャーはあったが、何とか格好になったようで安堵。

最近は新メンバーが多く入ってきたので、ビーコン探索に重点を置いてやることが多かったが、
掘り出しや搬出、移送などももっと訓練に取り入れる必要あり。

まだまだ課題は多いが、安全のためにしっかりやらなければ。