山域山名:上越国境・蓬沢(新潟県)
期 日:2015年3月15日(土)
参 加 者:みやぶー、ふくせんぱい、らがー
行動記録:北本(3:00)=土樽駅600m(5:40/6:05)→蓬沢940m(7:40/8:00)→シシゴヤ頭東方稜線1450m(9:30/10:00)~蓬沢940m(10:40/11:20)→西俣沢1250m(12:05)…雪崩埋没救出…右岸尾根1150m(13:00)~土樽駅(14:00)
<天候:快晴>
3月も中旬となり少しづつだが雪山も春めいてきた。
そろそろ長いツアーをしよう、ということで蓬峠越えを目指し、夜明けの土樽駅に到着した。
三日月がまだ明るい。
タイミングが難しい茂倉谷。沢登りで源頭の薮漕ぎに大苦戦していい印象がないので、どうも山スキーでもモチベーションが上がらない。
万太郎谷に向かう橋。蓬沢は左へ。
谷川連峰随一の名山といっていいだろう。万太郎山が朝陽を受けて輝く。
足拍子岳がすごい。
クロガネノ頭。
バックには平標、仙ノ倉のたおやかな稜線。
稜線は風が強そうだ。沢中も時折強風が抜けていく。
先行トレースは蓬沢を詰めているようだが、稜線下で視界が遮られそうで雪崩が出ると避けられないので、セーフティなシシゴヤノ頭稜線ルートを取る。
取り付きにも大きな雪庇が出ていた。
雪面はウィンドパックシュカブラ。
稜線は雪煙が舞っている。
武能西尾根を覆う雲。
シシゴヤ南面の疎林は素晴らしい。
国境稜線はどんな風が吹いているだろうか。
まずはシシゴヤ稜線を目指そう。
この尾根は登路に最適だが、今日は風が強い。
時々耐風姿勢を取りながら、ルートを延ばす。
万太郎、仙ノ倉稜線には滝雲が落ちていく。
万太郎の雄姿。
黒い雲に覆われているので、今日は厳しいか。
最後の雪壁を突破して稜線へ。
大源太山が一番に目に飛び込む。確かに上越のマッターホルンと呼ばれるだけある。
シシゴヤノ頭。
1544JPが見える。午後から回復の予報は出ているが、風の強さ、上州側の視界、雪面の状況など諸々を考えて、今日の峠越えはやめよう。
シシゴヤ頭をバックに。
ドロップ開始。
パックパウダー斜面にシュプールを刻む。。
左の小尾根が登路ルートだが、シシゴヤ南面偵察も兼ねて、スキーヤーズライトの斜面へ。
パックパウダー、ハードシュカブラ、アイスバーンと雪面がめまぐるしく変わる。
滑りやすいラインを探してトラバース。3回目に止まった数秒後に雪崩誘発。
5,6mほどズルズル流されて、こんもりとした樹林で止まる。
本流は沢沿いに流れていた。
破断面は幅100m弱、スキーカットした斜面から10m程から上部。
おおよそ5m以上うしろにいた二人は巻き込まれなかった。
破断最上部はスキーカットした場所より上に延びている。ハードスラブだったので、遠くまで伝播していた。
二人は雪崩の流れ方をよく見ていて、二波落ちたと言っていた。
写真でよく見ると、破断面は二層になっていた。最初に厚い層が落ちて、続けて、下層の薄い層が落ちたのだろう。
奥の大きなデブリは二波目だったらしいので、走路の長い本流が遅れて流れた際に、合わせて薄い層が落ちたのかもしれない。
感覚的にすぐ下に樹林がある場所で止まる癖が染みついているので、それほど流されずに済んだが、これも運なのかもしれない。無用なトラバースは禁物だ。
今日のこの斜面はどこで雪崩れてもおかしくない。
雪崩の全容。
シシゴヤ南面は回避、沢まで滑降。
先行者は下山したようだ。
昼食をとって、午後は蓬沢の偵察へ。
二俣でイイ沢に行くか、西俣沢に行くか思案。稜線まで行くつもりはないで、広い西俣沢を覗きに行くことにする。
稜線から吹き下りる風で、沢の中にウィンドシュカブラができていた。ここも条件が悪そうだ。
支流からは大きなデブリもあり。昼食休憩中に登っていった単独スキーヤーが上にいた。
どこまで行くのだろう、と思っていたら、(自分は見ていなかったが)後続の二人から雪崩に流されたようだが…との話しがあった。
マジ?と歩を早めるが、トレースを消え消えでラッセルもあって、そうはペースが上がらない。
すると、黒い点が動いたので、何とか這い出たようだ。とりあえず、できるだけダッシュで登る。
近づいてみると、ザックからスコップは出したものの、片方のスキーとストックを失い、腰上から下が埋まり解放していないスキーが体と逆方向に向いているようで、自力ではスコップで掻くこともできず、動けない状態のようだった。
登っている最中からスコップ指示出していたので、すぐに掘り出し開始。
金具を解放して片方の板を掘り出す。TLTのレバーを上げて、靴をロックから外すのは一苦労。この点はディアミールの方が有利だ。
外れて失ったスキー板とストックを見つけて掘り出す。
怪我もなく、無事に救出できてよかった。もし、骨折でもしていたら、ヘリを要請だろう。
単独行はいつもにも増して、細心の注意と警戒心が必要だ。(再認識しました)
破断面は左岸の側壁で、吹きだまった側面ごと落ちてきたようだ。シール登行中だと、逃げようにも逃げられない。
救出したあとは、すぐに安全な尾根樹林帯に移動。今日はいろいろあった。
間食をとって、下山開始。我々のトレースも、すでに風でパックされていた。
蓬沢に合流。
朝にはなかったデブリが至る所に出ていた。
林道分岐へ。
武能西尾根。
茂倉岳。
万太郎山と大障子ノ頭。
林道でスキーを脱いだら、乗るはずだった土合からの電車が通過していった。
今日は不完全燃焼だったが、これもよしとしよう。
土樽からは、来週目指す仙ノ倉山北面がきれいに見えていました。
期 日:2015年3月15日(土)
参 加 者:みやぶー、ふくせんぱい、らがー
行動記録:北本(3:00)=土樽駅600m(5:40/6:05)→蓬沢940m(7:40/8:00)→シシゴヤ頭東方稜線1450m(9:30/10:00)~蓬沢940m(10:40/11:20)→西俣沢1250m(12:05)…雪崩埋没救出…右岸尾根1150m(13:00)~土樽駅(14:00)
<天候:快晴>
3月も中旬となり少しづつだが雪山も春めいてきた。
そろそろ長いツアーをしよう、ということで蓬峠越えを目指し、夜明けの土樽駅に到着した。
三日月がまだ明るい。
タイミングが難しい茂倉谷。沢登りで源頭の薮漕ぎに大苦戦していい印象がないので、どうも山スキーでもモチベーションが上がらない。
万太郎谷に向かう橋。蓬沢は左へ。
谷川連峰随一の名山といっていいだろう。万太郎山が朝陽を受けて輝く。
足拍子岳がすごい。
クロガネノ頭。
バックには平標、仙ノ倉のたおやかな稜線。
稜線は風が強そうだ。沢中も時折強風が抜けていく。
先行トレースは蓬沢を詰めているようだが、稜線下で視界が遮られそうで雪崩が出ると避けられないので、セーフティなシシゴヤノ頭稜線ルートを取る。
取り付きにも大きな雪庇が出ていた。
雪面はウィンドパックシュカブラ。
稜線は雪煙が舞っている。
武能西尾根を覆う雲。
シシゴヤ南面の疎林は素晴らしい。
国境稜線はどんな風が吹いているだろうか。
まずはシシゴヤ稜線を目指そう。
この尾根は登路に最適だが、今日は風が強い。
時々耐風姿勢を取りながら、ルートを延ばす。
万太郎、仙ノ倉稜線には滝雲が落ちていく。
万太郎の雄姿。
黒い雲に覆われているので、今日は厳しいか。
最後の雪壁を突破して稜線へ。
大源太山が一番に目に飛び込む。確かに上越のマッターホルンと呼ばれるだけある。
シシゴヤノ頭。
1544JPが見える。午後から回復の予報は出ているが、風の強さ、上州側の視界、雪面の状況など諸々を考えて、今日の峠越えはやめよう。
シシゴヤ頭をバックに。
ドロップ開始。
パックパウダー斜面にシュプールを刻む。。
左の小尾根が登路ルートだが、シシゴヤ南面偵察も兼ねて、スキーヤーズライトの斜面へ。
パックパウダー、ハードシュカブラ、アイスバーンと雪面がめまぐるしく変わる。
滑りやすいラインを探してトラバース。3回目に止まった数秒後に雪崩誘発。
5,6mほどズルズル流されて、こんもりとした樹林で止まる。
本流は沢沿いに流れていた。
破断面は幅100m弱、スキーカットした斜面から10m程から上部。
おおよそ5m以上うしろにいた二人は巻き込まれなかった。
破断最上部はスキーカットした場所より上に延びている。ハードスラブだったので、遠くまで伝播していた。
二人は雪崩の流れ方をよく見ていて、二波落ちたと言っていた。
写真でよく見ると、破断面は二層になっていた。最初に厚い層が落ちて、続けて、下層の薄い層が落ちたのだろう。
奥の大きなデブリは二波目だったらしいので、走路の長い本流が遅れて流れた際に、合わせて薄い層が落ちたのかもしれない。
感覚的にすぐ下に樹林がある場所で止まる癖が染みついているので、それほど流されずに済んだが、これも運なのかもしれない。無用なトラバースは禁物だ。
今日のこの斜面はどこで雪崩れてもおかしくない。
雪崩の全容。
シシゴヤ南面は回避、沢まで滑降。
先行者は下山したようだ。
昼食をとって、午後は蓬沢の偵察へ。
二俣でイイ沢に行くか、西俣沢に行くか思案。稜線まで行くつもりはないで、広い西俣沢を覗きに行くことにする。
稜線から吹き下りる風で、沢の中にウィンドシュカブラができていた。ここも条件が悪そうだ。
支流からは大きなデブリもあり。昼食休憩中に登っていった単独スキーヤーが上にいた。
どこまで行くのだろう、と思っていたら、(自分は見ていなかったが)後続の二人から雪崩に流されたようだが…との話しがあった。
マジ?と歩を早めるが、トレースを消え消えでラッセルもあって、そうはペースが上がらない。
すると、黒い点が動いたので、何とか這い出たようだ。とりあえず、できるだけダッシュで登る。
近づいてみると、ザックからスコップは出したものの、片方のスキーとストックを失い、腰上から下が埋まり解放していないスキーが体と逆方向に向いているようで、自力ではスコップで掻くこともできず、動けない状態のようだった。
登っている最中からスコップ指示出していたので、すぐに掘り出し開始。
金具を解放して片方の板を掘り出す。TLTのレバーを上げて、靴をロックから外すのは一苦労。この点はディアミールの方が有利だ。
外れて失ったスキー板とストックを見つけて掘り出す。
怪我もなく、無事に救出できてよかった。もし、骨折でもしていたら、ヘリを要請だろう。
単独行はいつもにも増して、細心の注意と警戒心が必要だ。(再認識しました)
破断面は左岸の側壁で、吹きだまった側面ごと落ちてきたようだ。シール登行中だと、逃げようにも逃げられない。
救出したあとは、すぐに安全な尾根樹林帯に移動。今日はいろいろあった。
間食をとって、下山開始。我々のトレースも、すでに風でパックされていた。
蓬沢に合流。
朝にはなかったデブリが至る所に出ていた。
林道分岐へ。
武能西尾根。
茂倉岳。
万太郎山と大障子ノ頭。
林道でスキーを脱いだら、乗るはずだった土合からの電車が通過していった。
今日は不完全燃焼だったが、これもよしとしよう。
土樽からは、来週目指す仙ノ倉山北面がきれいに見えていました。