山域山名:日光白根山(群馬県)
期 日:2013年1月27日(日)
参 加 者:みやぶー(単独)
行動記録:丸沼高原スキー場TOP2000m(9:50)→七色平2120m(10:50/11:00)→座禅山2310m(12:00/12:25)~弥陀ヶ池2050m(12:26/12:40)→白根山北面2325m(13:05/13:25)~五色沼2170m(13:30/13:55)→座禅山(14:30/14:40)~七色平(15:00)~丸沼高原スキー場(15:30)
<天候:雪、時々晴れ間>
丸沼スキー場には職場の友人達と1月下旬に20年以上も来ているが、今年は1日だけゲレンデを離れて日光白根山に入ってみた。今シーズン第一級の寒波の南下で、あまりドカ雪が降らない丸沼にも一晩で50㎝の新雪が積もった。
前日(26日)の丸沼スキー場。吹雪でゴンドラも休止だった。
毎年お世話になっているペンション横山。
今年は5名と少なめでした。
ドカ雪が降った27日の朝。
丸沼ゴンドラは標高2000mまで運んでくれるので白根山頂まで標高差は600mにも満たないが、座禅山まで迷路のような密な樹林帯のアップダウンが続く。夏はいくつかルートがあるが、冬は七色平経由で夏道を外さないように行かなくてはならない。
ゴンドラ山頂駅で友人達の見送りを受ける。10時前と遅めの出発になってしまった。二荒山神社の鳥居から入山。
ドカ雪でトレースもかすかに残る程度で、ラッセルは膝まで潜る。
気温は-12℃、雪が舞うなか静かな針葉樹林帯を黙々と進む。
神社から刈払いされた200mまではスノーシュー周回ルートになっているようだ。
不動岩から急に不明朗な夏道ルートに入る。要所要所に赤布があるので迷うことはない。細かいアップダウンが続いて、ほとんど標高は稼げないルートを進む。
ちょっと急登を登ると大日如来があるが冬は雪の下、白根山直登ルートへの分岐を北に向かうと雪原が拡がる七色平へ。
七色平の脇に避難小屋が建っているが、屋根には2mほどの雪が積もっていた。丸沼にしては多い。
七色平の雪原を抜けて、再び密な針葉樹林帯に入る。
座禅山まで標高差200mの急斜面を登る。
樹間も狭く、穴あり岩あり、強風のシュカブラありと、シール登行だけでなく滑降もテクニカルな斜面だ。
火口がある座禅山は細長い山頂で三角点は崖の上にある。
時々雪雲が切れて、迫力ある日光白根山が姿を見せた。
ここでこの後の行動を思案。4時前にはスキー場に戻らなければならず、あと残すところ4時間程度、しかも山頂は強風が吹いているのでその選択肢はない。
であれば、滑降を楽しみながら五色沼を目指すことにする。
シールを取って阿弥ヶ池まで1本目の滑降へ。
急斜面は5ターンだけだったが、東斜面は濃密なパウダーが溜まっていた。
静寂の弥陀ヶ池。
弥陀ヶ池で再びシールを貼って白根山北面に取り付く。50mも上がると雪面はアイスバーンになったのでクトーを装着して登る。
トラバース気味に登っていきシュカブラ帯の先に上がると、急に視界が開けてルンゼ状斜面の雪庇上に出た。
見下ろすと五色沼まで素晴らしいラインが続いている。
手元の高度計は2325m、ルンゼの最高点は2400m。
ただし、単独で無木立の斜面に雪崩を誘発したら間違いなく一巻の終わり。この場所からでも出だしの斜度は35度はある。
降ったばかりの粉雪で表層の結合はまったくなく、斜面にスキー板を入れて雪質チェック。これならまず大丈夫と判断して、ここから滑り込むことに決める。
最初のターンは慎重に足下で回して問題はなかった。
さぁ、行きますよ~と「ヤッホー」と叫びながら会心のターンを刻む。振り返るこの瞬間がたまらない。
下部は疎林帯の中を底突きなしのパウダークルージング。
最後は直滑降で五色沼に滑り込んだ。
いや~最高だった。しかも今日の白根山には自分だけひとり。
五色沼を正面に、背後には威圧的に天を突く白根山を見上げながら、幸せなランチを取る。
冬型の天気では日光白根山が最後の雪雲の到達域で、日光側は青空が拡がっている。自分が休んでいる時にはほとんど晴れていたので暖かだった。
弥陀ヶ池を経由して座禅山に登り返す。
座禅山東面はアグレッシブな斜面。
1本目のシュプール。
再び座禅山から白根山を見上げる。
再び西から雪雲が流れてきて白根山を覆い始めた。
ここからは密な樹林のテクニカルバーンが続く。苦労した登りも滑降はアッという間だ。
七色平避難小屋までスノーシューで上がって来た登山者がいたようでトレースがしっかりしていた。スキー場まで細かいアップダウンが続くのでありがたい。
平坦地七色平先の5m急登は板を脱いで坪足で登る。あとはボブスレー滑降と階段登行をひたすら繰り返してスキー場へ戻った。
スキー場TOPからの白根山。
夕暮れの丸沼スキー場ベースゲレンデ。
翌日は快晴のいい天気。
日光湯元から登ったことがあったが、丸沼側も素晴らしい。
いい斜面と静かな山スキーが楽しめるので、また来よう。