山スキーと山歩き みやぶろぐ

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2013山スキー雪崩搬出訓練

2013-01-29 | 2012-13山スキー

山域山名:越後・東谷山南面<旧二居スキー場>(新潟県)
期  日:2013年1月20日(日)
参 加 者:みやぶー、ほか11名
行動記録:二居820m(9:30)→二居峠下まで登行&滑降…昼食…旧二居スキー場で訓練(13:00~15:00)
<天候:雪>

毎年1月に実施している雪崩搬出訓練。調べてみたら2004年からやっているので、ちょうど今年で10回目となった。
この間、実際に2007年1月の八甲田山で完全埋没者を救出したこともあり、しっかりと訓練の成果もあったが、当時、雪崩に対する知識の未熟さもまだまだであると実感し、雪崩事故以降、さらに真剣に取り組んでいる。

前日の例会学習で机上講習を行い、翌日に雪山での実地講習を行った。例年、黒姫や妙高でやっていたが、今年は、何度も山スキーで来ている二居を選んだ。
埼玉から近く、二居スキー場が閉鎖された旧ゲレンデが訓練に最適だからだ。

江南を6:30発と妙高方面に行くより2時間も遅い。駒寄の渋滞も4キロとわずかで順調に関越トンネルへ。越後に入ると強い雪、今年は冬型がよく続く。
二居集落の民宿駐車場に車を駐める。台数が多かったからか?、しっかりと駐車料金1000円を取られたので、来年は500円の道路向かいの田代スキー場に駐めた方がいいだろう。

今年の参加者は総勢11名、うち初参加者が4名(うちボーダー2名)と、いつもとは顔ぶれが違うので、まずは、しっかり雪山を登ることから始めた。
午前は、東谷山稜線下の二居峠を目指す。

出だしから、スキーとスノーシューはこんなに違う。

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2班に分かれて、交代でラッセル。

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杉林の中は、落ちてくる雪で結構しまっている。

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急斜面は深いラッセル。

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寒波の新雪が約1m、ファットスキーでも深い場所は膝上ラッセルだった。
ボーダーのスノーシューは腰以上も沈んでいる。

それでもガンガン登っていく。若さは素晴らしい。

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午後の訓練もあるので11時40分でタイムアップ、峠にはたどりつかず950mで登行終了。

深雪滑降を楽しんで旧二居スキー場跡地へ。昼食後、2万5千図の西側のリフト(第1リフト)下あたりで、ビーコン探索訓練と埋没者を掘り出す訓練をした。


《ビーコン訓練総括》

・自分を除く11名をA班6名,B班5名の2班に分けて、最初にビーコン1個、次に2個埋めて、ビーコンを掘り当てることとした。

・今回はシールを付けて登りのトラバース中にメンバーが雪崩で埋没したという想定とした。仮想デブリは、斜度10度程度、幅15m、長さ30mほど。

・斜面をトラバースでメンバーが5m間隔の一列になって、ザックを背負いオーバーミトンという登行中のスタイルから探索を始めた。


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・坪足だと胸まで潜る深雪だったので、スキーを履いたままで探索せざるを得ない条件だった。

・1回目(ビーコン1個)のタイムは、A班…十字法で埋没地点特定まで3分~4分程度を要した。

・2回目(ビーコン1個)のタイムは、1回目より近い地点から探索開始したこともあり、1分から1分30秒であった。

・3回目は複数埋没を想定してビーコン2個を探索した。最初の1個目を特定したあと、信号をマークして2個目の探索作業に入る必要がある。ふたつを発見するまでに2分から3分30秒ほど時間を要した。

・雪面から1mの地点に埋没者がいると仮定して、完全に救出するためには2mの雪穴が必要として、V字コンベアベルトメソッドで掘ってみた。(積雪はゾンデで2m20㎝)

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〔反省点〕

・昨年も見受けられたが、「雪崩発生!」のかけ声のあと、捜索モードに切り替える初期動作に入れないメンバーが複数いた。オーバーミトンでのボタン操作、ザックを背負った状況でのビーコン操作にもてこずっていた。

・また、ビーコンに向かって近づいて探索を続けているメンバーと、上手く電波をキャッチできずに埋没者に近づけないメンバーとの技量の差が歴然としてあった。

・「10m!」とより近い位置に進んでいるのに、それよりかなり遠いメートル表示である自分のビーコンの方向を追い続けている。

・3m~2mと接近しているのに、十字法に入らず、電波誘導法を続けている

・埋没者がいる地点ですでに十字法に入っていれば、その他のメンバーは何をすべきか。ゾンデを出す、スコップをセットする、掻き出す作業に入る準備に入る、複数埋没であれば、二人目の探索動作に入る…など、先を読んだ作業に入れない者がいた。

【全体の感想】

・その都度、反省点を確認しながら訓練を行ったので、ビーコン探索は、1回目より2回目の方が着実に動作が早くなった。

・今回は探索メンバーが声が通じる同じ場所から捜索を始めたが、いつもこのような条件下であるわけではない。

・一番雪崩に近いメンバーの初期動作、それに続くメンバー、後から現場に合流するメンバーのサポート、各個人のやるべき仕事の再確認が必要である。

・ビーコン操作、電波誘導法のマスターにはまだまだであるので、今後も訓練を継続的に実施して、一人一人の探索技術の向上をさらに図る必要がある。

訓練終了後に全員で。

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毎年やってるので、確実にレベルアップしています。


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