黒木瞳、初監督作品に拍手

昨夜の雨は上がった月曜の朝、島岡美延です。
明後日には参院選スタート。
女性候補はどれくらいいるかしら。
映画『嫌な女（25日公開）』をご紹介します。
桂望実のベストセラーを読んだ黒木瞳が出版社に手紙を送り、映画化権を獲得して4年。
初の監督作品は、女優二人のW主演で、実に見応えのある“人生リセット・エンターテインメント”！
石田徹子は、順調に弁護士になり、29歳で結婚。人も羨む幸せな人生…のはずが、仕事も結婚生活もうまくいかず、孤独を抱えた日々を送っている。
ある日、婚約破棄で慰謝料を請求された女が徹子を訪ねてくる。
それこそ、徹子の天敵のような同じ歳の従妹、小谷夏子だった。
夏子は初対面の相手でも簡単に懐に入ってしまう天才。
男たちは、自らお金を出してしまうのだ。
しばらくぶりで再会した二人。徹子は生来の詐欺師である夏子に振り回されることになり…。
まじめ一筋の徹子を吉田羊。
天才詐欺師を木村佳乃。
主題歌は竹内まりや。
女の本音、細かい視点、満載！

シェイクスピアの国のバレエ

昨日は猛暑日の地点も、島岡美延です。
そんな中、3年ぶりに来日した英国ロイヤル・バレエ団。
東京文化会館でシェイクスピア没後400年記念『ロミオとジュリエット』を鑑賞。
英国ロイヤルで1965年に初演されたマクミラン振付『ロミオとジュリエット』のまさに本家。
プロコフィエフの重厚な音楽に載せて、オシポワのジュリエットの心が、痛いほど伝わってきます。
周りが何も見えなくなる出会い、バルコニーのパ・ド・ドゥ、結婚した喜びもつかの間…。
好きで好きでたまらない、離れたくない、という想いをこれ以上ない形で表現した振付。
それを具現化する確かな技術と情感豊かな踊り。
思いつめたジュリエットの決意をベッドに腰かけ、表情で演ずるという、演劇の国で生まれたバレエならではの最終章への助走。
広場の抗争シーンも他のバレエ団をはるかに凌ぐ迫力。
先日、プリンシパル昇格が発表された平野亮一（この日はジュリエットの従兄弟ティボルト）にもカーテンコールで大きな拍手。
やはりロイヤルは別格！

地獄で頑張る？青春コメディ

日差しも強く真夏日に、島岡美延です。
ここのアツさは、どれくらい？
地獄めぐりの主人公は、まだ17歳の男子高校生！
映画『トゥーヤングトゥーダイ！ 若くして死ぬ（25日公開）』をご紹介します。
脚本・監督は宮藤官九郎。
転生に挑むのは神木隆之介、地獄の赤鬼は長瀬智也。
フツーの高校生・大助は、同級生のひろ美ちゃんが大好き、バンドを組んでいる。
修学旅行中に不慮の事故に遭い、目覚めるとそこは、ホンモノの地獄！
まだキスもしたことないのに、なんで俺が…、このまま死ぬには若すぎる！！
慌てた大助を待ち受けていたのは、地獄農業高校の軽音楽部顧問で地獄専属ロックバンド地獄図（ヘルズ）を率いる赤鬼のキラーK。
キラーKの“鬼特訓”のもと、生き返り=現世への転生をかけた、大助の地獄めぐりが始まる…！
人間になれるとは限らない転生、裁くえんま様は古田新太。
地獄の音楽バトルには、大物ミュージシャンが続々登場。
世界初！“超絶地獄”コメディ誕生、クドカンワールドにハマって下さい。

感覚のギャップは埋められないまま

雨上がりで蒸し暑くなりそう、島岡美延です。
昨日、残務整理のために登庁した舛添都知事。
議会や記者の追及も弱まり、このまま幕引き？
4月の強気だった頃、リオ五輪に行けないなんて、想像もしなかったでしょう。
いったい、どこで彼は間違ったのか。
そもそも“法的に問題なければ、知事を続けられる”と考えていた都知事と、“説明に誠意がなければ、知事としての資質なし”と考えた世論とのギャップは、あまりに大きいものでした。
「第三者の厳しい目で」の言葉をひたすら繰り返した金曜日の定例会見。
あの時の「何を聞いても同じ言葉しか返ってこない」不誠実な態度に、都民は完全に“トップの資質に欠ける”と見限ったのでしょう。
それでも、元検事の弁護士による“違法性はない”のお墨付きをもって、問題を収束できると考えていたはず。
猪瀬前知事、舛添知事…、頭脳派で理論武装の達人が相次いで任期半ばで退陣したのは、世論の“許せない”という感情を理解できなかったから。
かけ離れてしまった感覚が残念です。

この家族、どこで間違ったのか

舛添都知事、21日付で辞職へ、島岡美延です。
どこで彼は間違ったのか…、説明ないまま退場になりそう。
大きな事件が起きた時、「なぜ？」と連日、報道されます。
加害者の家族とは、どういうものか。
映画『葛城事件（18日公開）』をご紹介します。
劇団「THE SHMPOO HAT」の作・演出を手掛ける赤堀雅秋が、2013年の同名舞台を新たに改稿して映画化。
「清役は彼しかいない」と熱烈にオファーされた三浦友和。
“共感できない”主人公に入り込む姿は、衝撃的！
葛城清は、がむしゃらに働いてマイホームを建てた“理想の家族の父親”のはずだった。
しかし、こだわりが強すぎて、家族とのすれ違いが増していく。
ついに狂った歯車。
長男（新井浩文）はリストラされたことを言い出せず追い詰められていく。
次男（若葉竜也）は無差別殺人事件を起こし、死刑囚に。
妻（南果歩）は精神のバランスを崩し、壊れていく。
死刑制度反対の立場から次男と獄中結婚する女（田中麗奈）まで現れて…。

首や肩の可動域を大きく

梅雨に入っても水源地になかなか降らず、島岡美延です。
舛添都知事の不信任決議案が、午後にも可決される見通しになってきました。
果たして、都議会の解散もありうるのか、目が離せません。
こちらは期待の秒読み、イチロー選手が日米通算安打を4255本とし、今日の試合でピート・ローズ選手の大リーグ最多記録4256本に並ぶのか、超えるのか。
「42歳とは思えない」彼の身体能力、そしてそれを管理できる自律能力。
どこまでもしなやかな彼の身のこなし。
「筋肉ムキムキにするトレーニングをしない」という彼なりの理論もあるよう。
さて、今月の姿勢テーマ『固まっている首や肩を動かして、見た目を変える』を実践していますか？
イチローの身体に近づくのは難しいけど、腕を上げる、首を回す、などのちょっとした動きだけでも身体が悲鳴をあげそうになったりしていないかしら。
マッサージや整体に通うより、日常生活の中で、首や肩、さらには背中や股関節が固まらないようにすること。
目指せ、しなやかに動けるカラダ！

トム・ハーディ、双子のギャングに

今日は梅雨の晴れ間、島岡美延です。
俳優にとって、一人二役は魅力的な挑戦。
今、最も勢いがあるトム・ハーディが、実在する双子のギャングスターに。
映画『レジェンド 狂気の美学（18日公開）』をご紹介します。
1960年代初頭のロンドン。
強い絆で結ばれた一卵性双生児のギャング、レジ―とロンのクレイ兄弟。
街を支配する彼らはアメリカン・マフィアと手を組み、政治家、セレブとも親交を深め、一大犯罪帝国を築いていく。
そんな折、頭脳派のレジ―は部下の妹フランシスと恋に落ちる。
彼女に、悪事と手を切ると約束して、ナイトクラブ経営に注力するように。
それを快く思わないロンは、破滅的な行動を連発し、組織内に不協和音が生まれる。
警察の執拗な捜査も迫り、果たして兄弟の絆は…。
『レヴェナント：蘇えりし者』でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたトム。
圧巻の演技力でカリスマ的な兄と狂暴な弟を演じ分けます。
そして“二人の”取っ組み合いの喧嘩など、「一人二役の撮影技術」も見事。

シリアの現実を1001の映像で

本降りの月曜の朝、島岡美延です。
シリアで起きていることを伝えようとしたジャーナリストが命を落としても、遺志を継ごうとする人々がいます。
シリア出身の映画人もまた、模索しています。
映画『シリア・モナムール（18日公開）』をご紹介します。
オサーマ・モハンメドは、亡命先のパリで、YuoTubeを見ていた。
そこには、苛烈を極める紛争の最前線で繰り返される殺戮の様子があった。
ネット上には、殺す者、殺される者の記録が溢れる。
ウィアーム・シマヴ・ベデルカーンは、SNSでオサーマと出会う。
彼女はシリアにいて、破壊されつくされ、惨憺たる戦場であらゆる映像を撮り続けていた。
さらに、監督オサーマの耳目となり、カメラを回す。
シマヴの映像に出てきた子どもたちの運命とは…。
シリアの人々が自国の現状をネットにアップしたものを監督が丹念に収集、つなぎ合わせた“1001の映像”は、現実に起きたこと。
オサーマとシマヴ、二人の作品になった、愛と命を考えるドキュメンタリー。

中村祥子、完璧なオーロラ姫

昨日、嬉しいニュースが、島岡美延です。
英国ロイヤル・バレエ団の平野亮一と高田茜、来期のプリンシパル昇格が決まりました。
16日からの来日公演に注目です。
そんな昨日、東京文化会館でKバレエカンパニー『眠れる森の美女』を観てきました。
『海賊』『白鳥の湖』で感動した、ゲストプリンシパルの中村祥子。
まさに、クラシックバレエとは、こうやって身体を使い、感情を表現する…、という究極のお手本のような美しいオーロラ姫を堪能！
例えば、男性の手を放しても片足でバランスを取り続けるローズ・アダジオの圧倒的な安定感。
ジャンプは音を立てない軽やかさ、回転技の切れ味。
すべてにおいて技術的な“余裕”があり、それが姫の“気品”につながっています。
観客の期待に、100％以上で応えられる世界有数のプリマ。
170㌢を超える長身のオーロラ姫を美しく躍らせた長身の王子は遅沢佑介。
リラの精は浅川紫織という贅沢な配役。
衣装、美術、演出…、進化し続けるKバレエ、目が離せません。

保護、それとも監禁された？

今日も真夏日近い暑さに、島岡美延です。
何かの事故に巻き込まれて、目覚めた時、病院ではない場所にいたとしたら…。
頭をフル回転させて、この状況を切り抜ける自信はある？
映画『10 クローバーフィールド・レーン（17日公開）』をご紹介します。
車を運転中に、原因不明の事故に遭い、ミシェル（メアリー・エリザベス・ウィンステッド）は、窓のない空間の床で目を覚ます。
そこに現れたハワード（ジョン・グッドマン）は「きみを救うためにここへ連れてきた」と言う。
地上に起こった異変から逃れてきたというエメットとともに、その日から3人の地下生活が始まった。
ハワードは、ある危機のためシェルターを準備してきて、今、ここから出たら命はないとミシェルに言い聞かせる。
そんな話を信じられず、脱出を試みるミシェルだったが、扉の窓から見た光景に言葉を失う。
本当にここから出てはいけないのか、彼女は、エメットとともにある計画を立てるが…。
手近にあるものを活用する知恵と勇気。
強い眼差しが魅力的。