刑務所がローマ帝国に？

一週間前の雪が残る中、今夜も雪、島岡美延です。
もうしばらくの辛抱！
最大の辛抱が必要な場所、それは刑務所。
囚人たちによる演劇という試みに驚き、その舞台の素晴らしさに、しばし言葉を失いました。
映画『塀の中のジュリアス・シーザー（26日公開）』をご紹介します。
イタリア、ローマ郊外にあるレビッビア刑務所で毎年行われている「演劇実習」。それは、所内の劇場で一般観客向けに披露されます。
監督は、80歳を超えるパオロ＆ヴィットリオ・タヴィアーニ兄弟。それもドキュメンタリーとして記録したのではなく、緻密な脚本、演習が見事！
今年はシェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」、早速オーディションが始まる。
ブルータスやシーザーを演じるのは、重警備棟監房にいる本物の犯罪者たち。
所内のあらゆる場所でセリフの稽古に励む彼ら。それぞれの過去や性格が役柄とオーバーラップしていく。
ローマ帝国と化した刑務所！
どんな役者も叶わない説得力？　オーディション場面から「演劇」の魔力を見せ付けます。

トラと漂流する知恵

大寒の日曜日、島岡美延です。
乾燥していていますが、風邪などの対策は大丈夫？
突然、「自分一人ですべてをどうにかすべき状況」に放り出されたら、生き延びる自信はありますか？
その究極の世界を描いた映画は、アカデミー賞の11部門にノミネートされました。
『ライフ・オブ・パイ　トラと漂流した227日（25日公開）』をご紹介します。3Dでご覧になるとその迫力は一層リアルに。
映像化不可能と言われたベストセラーをアン・リー監督が、見たことのない世界に仕立て上げました。
インド生まれのパイ。父は動物園を経営していたが、カナダへの移住を決める。
その時、16歳。海を渡ろうとしていた彼らを待っていたのは、激しい嵐。
なんとその貨物船が沈没。救命ボートにしがみついた彼が気が付くとそこには、動物たちも。
ただ一人生き残り、ベンガルトラとともに大海原を漂流するパイ。空腹と喉の渇き、さらにトラとの緊迫感。
少年はいかにして、日々を乗り切ったのか。
彼が目にした「美しい世界」もぜひ体感して下さい。

「年齢」のレッテルって

雪の周りの水たまりがしっかり氷に、島岡美延です。
第148回芥川賞に決まった黒田夏子さん。75歳での受賞は最年長ということでも話題になりました。
「生きてるうちに」というコメントをさらっとおっしゃる姿も素敵です。
最年長記録といえば、テニスの全豪オープンで、18年ぶりに3回戦進出を決めたクルム伊達公子選手の快進撃は本当に嬉しいニュース。
現役復帰を決めたときから「年齢が話題になる」ことを百も承知で、戦う42歳の美しいこと！
何歳の快挙であれ、その同世代が「思いも及ばない努力」を続けているからこそ、「今」があるわけです。
スポーツ選手は、特に「年齢」と成績を結び付けられる存在。
今年40歳になるイチロー選手は、「ことさら、年齢のことを聞かれるのはうっとうしい。結局、時間は人間が決めたことだから」と自主トレーニング中の質問を切って捨てたとか。さすが。
40代アスリートを「中年の星」というの、いい加減やめませんか。
イチロー選手や三浦知良選手をそう呼ぶ人はいないと思うのですが。

久しぶりに「成田屋！」

今朝も一層の冷え込み、島岡美延です。
お正月気分が残る街で、若手中心の新春浅草歌舞伎（27日まで）を観てきました。
久しぶりに市川海老蔵が出演。劇場の「空気感」も懐かしかったです。
第一部のお年玉、役者が日替わりで「年始ご挨拶」。この日は、片岡愛之助、観客には嬉しいフリートークも。
『寿曽我対面』では、海老蔵が敵役、工藤祐経。お正月らしい演目です。
海老蔵が親の敵を討とうとする「曽我五郎」を演じるのは何度か見ていますが、どっしり座って見下ろす祐経を演じるのは、若手公演ならでは。
その血気さかんな五郎を演じたのは尾上松也。
実は昨年、ラジオ番組にゲスト出演してくれて、Tシャツ姿だった彼の五郎を見るのは、ちょっと不思議な気分。
名優だった父、尾上松助さんの思い出を語ってくれたものでした。
『極付　幡随長兵衛』、江戸の侠客の気風のよさを見せた海老蔵。
うーん、やっぱり華がある。でもこの役は、あと10年くらいしてからがいいかな。
いよいよ、4月には歌舞伎座が新開場です。

秘密警察の監視の中で

阪神淡路大震災から18年、島岡美延です。
1995年も忙しくなり始めた朝、寝ている人も多い時間帯でした。
自然災害ではなく、人間による理不尽なルールに翻弄された人生・・・、映画『東ベルリンから来た女（19日公開）』をご紹介します。
1980年夏の旧東ドイツ。バルト海沿岸の田舎の病院に、女医バルバラがやってくる。
かつて東ベルリンの大病院に勤務していたが、西側への移住申請を政府に却下され、この地に左遷されてきたのだ。
彼女には秘密警察の監視が付いている。新しい同僚医師、アンドレの優しさにも「密告」につながるのでは、と猜疑心がぬぐいきれない。
西ベルリンに暮らす恋人ヨルクとの秘密の逢瀬、自由を奪われた日々に神経が磨り減っていく。それでも医師として懸命に働くバルバラ。
アンドレに「尊敬を超えた感情」を抱くようになる中、ヨルクの手引きで西側へ「脱出」する日が近づいていた・・・。
彼女が下した究極の決断に、息を呑みます。
バルバラを演じるニーナ・ホスの知的で圧倒的な美しさに釘付け！

二人が見つめた未来は

昨日はうまく歩けましたか、島岡美延です。
まだ雪はあちこちに。でも、すれ違う時、お互いが気遣うのは、いい感じです。
人生の、そんな小さな触れ合いが、何かを決意させたりするのかも。
映画『ザ・フューチャー（19日公開）』をご紹介します。
監督・脚本・主演は、ミランダ・ジュライ。コンテンポラリー・アーティスト、作家としても活躍する女性。
ソフィー（ミランダ）35歳、ジェイソンとの同棲4年目。それなりに幸せな生活に訪れた変化、それは、ケガをした猫パウパウとの出会い。
シェルターの担当者に、引き取れるようになるまで30日、と言われた彼らは「責任ある生活」の準備に取りかかる。
仕事を辞め、インターネットを解約する。ソフィーは「30日で30ダンス」を創ることを決意。
ジェイソンは、「地球を守る」と木を売り歩くため、戸別訪問を始める。
漠然とした焦燥感がぬぐえない日々。期日は刻一刻と迫る。
そんな折、ソフィーはある男性と出会った・・・。
さあ、今度はあなたの「未来」を見つめませんか。

前を見たら、少し速く

白く、まぶしい朝、島岡美延です。
昨日の大雪、本当にびっくり。成人式も大変そうでしたね。
今日は転ばないように歩く、を最優先するしかありません。
すべりにくそうなところを選んで足を置くようにしましょう。
さて、今月の姿勢テーマ「視線を定めて歩く」を実践していますか？
いつもより首の角度がまっすぐになっていることを感じて下さい。視線は前方、遠くを見ます。
今度は、「歩く速度」を考えてみましょう。
前を向いて視界が開けたなら、少しスピードを上げます。腰の後ろから、前へ押し出されているようなイメージで。
1分間に歩ける距離、ふだんはどれくらいですか？　80メートル進んでいるなら、いわゆる「不動産物件の徒歩〇〇分」の基準の速さ。
徒歩10分なら800メートルの距離、ですが、女性は「速い歩き方」と感じるかも。
それを「歩くと冬でも汗ばむくらい」まで速くしてみると、自然にいい運動になります。
「小走り」ではなく、あくまでも「歩く」こと。
地面の雪が融けたら、ぜひ挑戦を！　

オトナ向け、テディベア？

晴れ着には辛い雨と風、島岡美延です。
新成人の皆さん、おめでとうございます。
お酒を飲まなくなったといわれる若者たちに比べ、こちらは、ちょっと飲みすぎ？　
映画『テッド（18日公開）』をご紹介します。
R指定オリジナルコメディ全世界興行収入歴代NO.1という問題作！
1985年、クリスマスの夜。友達のいない少年ジョンは、神様にお願いをした。
「大好きなテディベアのテッドと本当の友達になりたい・・・」
祈りは通じ、テッドがしゃべり、動き出す。そして、誓い合った。「僕たちは一生友達だよ」
2012年。ジョン（マーク・ウォールバーグ）は、立派なダメ男に成長し、テッドは、見た目はかわいいクマなのに、中身が「成長」。下品なジョークと若い女の子大好き中年オヤジに・・・！
彼女ロリー（ミラ・クニス）は、ついに「私のほうが大事なら、クマと別れて」とぶち切れ。
果たしてジョンとテッドの「永遠の友情」は？
怪し過ぎるテッドのリアルさ。心温まる・・・かどうか保証できないけど、ハリウッドはスゴイです。

「理不尽」があった光景

遅めの年賀状に笑顔になります、島岡美延です。
年明けに「長い文章」を書いてきてくれる人たち。てんこ盛りの「一年分の報告＆抱負」、さあ、私もがんばろう。
新年の学校現場は「体罰の現状」を見つめなおす作業に追われています。
強豪校の運動部で常態化していた教師の体罰。
体罰はなかったけど、罵声はあたりまえ、「理不尽」なルールもあった、部活の日々が思い出されました。
我慢すること、辛くても乗り越えること、誰かの失敗を連帯責任とすること・・・、土日も夏休みも冬休みも。人生で、あれほど心身を酷使した日々はありません。
もちろん充実感はありました。ただ、それが技術、強さにつながっていたかどうかは、別の問題。
部活中に水を飲まない、先輩の言うことは絶対、上下関係の厳しさ。部活で起きることが、「人生の全部」のように悩んだこともありました。
キャプテンになってから、なおさら。
校名入りのユニフォームを着ることが「誇り」「喜び」であってほしい。
けして「絶望する」きっかけになってはいけません。

そのボタンを押したら

昼間の寒さは少し和らぎそう、島岡美延です。
三連休でしょうか。成人の日の天気が気になりますね。
大学入試、それはどんな世界、時代においても人生の岐路。なんと入試の舞台は、宇宙！　
紀伊國屋ホールで上演中、劇団スタジオライフの『11人いる！（20日まで）』をご紹介します。
タイトルから、萩尾望都原作とわかる方もいるでしょう。
今回は「次代の文化を創造する新進芸術家育成事業（文化庁委託）」。
2011年の再演で、看板俳優と若手のアンサンブルに客席も沸いています。
宇宙大学入試の最終テスト。外部との接触が断たれた宇宙船で、10人1組が53日間の宇宙飛行をするというもの。
非常ボタンを押して連絡すれば、生命は保障されるが、連帯責任で全員が不合格となる。
でもなぜか、宇宙船には11人いた！　誰が11人目で、何のために・・・。
次々起こる不可解な出来事。出身の星が違う者たちの対立、疑念、葛藤そして友情。
彼らの未来は、果たして！？
年の初めに、元気が出る舞台へお出かけ下さい！