桜の開花は続きそうだけど、全国的に黄砂に要警戒、島岡美延です。
桜のピンクより、カラスの黒、それを撮り続けた写真家とは――。映画『レイブンズ(28日公開)』をご紹介します。ハリウッド製ドラマ『SHOGUN 将軍』で日本人初のゴールデングローブ賞助演男優賞受賞の浅野忠信が、天才写真家・深瀬昌久を演じます。彼のミューズを演じた瀧内公美も圧巻、イギリス出身で元ミュージシャンのマーク・ギル監督が、深瀬の写真に感銘を受け、9年かけて映画化。
北海道で写真館を営む封建的な父(古舘寛治)から逃れ、上京した深瀬。奔放で美しい洋子と恋に落ち、1964年に結婚。写真家とモデルとして成功するも、洋子が夢に邁進する生活は愛を蝕んでいく。闇に墜ちていく深瀬、彼を守ろうとする洋子。二人にしかわからないダークでシュールな愛。そして深瀬は――。
深瀬が抱える闇、それが〈鴉の化身〉として転生し、哲学的な問いを投げかける場面は幻想的。浅野が体現した光と闇、繊細さとワイルドさ。
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