水戸梅日記

水戸・いばらき

ロゴスに訊け

2007-03-07 | 読んだ本

ロゴスに訊け ロゴスに訊け
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2002-06
 

 先日、とても悲しいニュースがありました。

 哲学者の池田晶子さんが46歳という若さで亡くなったことです。

 

 「14歳からの哲学」という本を書いた方で、

 以前、ブログでも 「41歳からの哲学」 などを紹介しました。

 (確か一番最初に紹介した本です。)

 

 「文部科学大臣になって欲しい!」と思っていました。

 

 専門用語を使わずに「哲学」を考えるエッセーを

 たくさん書いていました。

 

 哲学とは、「自分で考えること」。

 だから、誰にでもできるといつも言っていました。

 

 哲学の「哲」とは、手の斤を口に持つこと!

 という覚悟で、おかしいことはおかしい!とはっきり言うので、

 知識人といわれる人やマスコミからは

 黙殺されることも多かったようです。

 (でも、わかる読者にはきちんと通じていました。)

 

 以下、「ロゴスに訊け」という本からの抜粋です。

 

 私は「生きる」という語を、正確には「生きている」

 すなわち「存在する」の意で使っているのだが、

 多くの人は、この同じ語を、「生活する」、

 せいぜいが「生存する」の意で使っているのである。

 

 したがって、私にとって「生きる」とは、

 生と死すなわち「存在と無」の謎以外のものでは

 あり得ないのだが、人々にとって、「生きる」とは、

 死にたくないから生活しなければならないという

 他人事みたいな不平不満となる。当然軋轢も生じるわな。

 

 「生きなければならない」と言うより先に、

 「生きているとはどういうことか」、これを考えるのが筋でしょう。

 こんな当たり前なことを言って、まー通じないこと。逆に私は驚いた。

 

 

 また、「言葉」をとても大切にしていた方でした。

 (携帯電話やインターネットは使っていませんでした。)

 

 「言葉はそれ自体が価値なのだから、

 言葉の価値の下落する時代とは、

 とりも直さず、生の価値の下落する時代。

 どうでもいい言葉を垂れ流すことによって、

 人は自分自身の価値をも垂れ流していることを理解しない。」

 (読むとドキッとして、背筋が伸びることが多いです。)

 

Sumire_3Otama 今日は、野生のスミレを

 見つけました。

 そして、小さな池では、

 おたまじゃくしが泳いでいました。

 

 生きるということは、

 「真実を求め、美を愛し、善くある」

 これだけなのだと思います(難しいけど)。

  

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする