仏果を得ず 価格:¥ 1,575(税込) 発売日:2007-11 |
三浦しをんさんの新作
「仏果を得ず」は、「文楽(人形浄瑠璃)」をテーマにした小説です。
「仏果」とは、仏教の修行で得られる悟りのことで
若い太夫が修行や恋愛を通して
一人前になっていく姿を描いています。
それぞれの章が、文楽の名作をモチーフに描かれているので、
小説の流れと共に、文楽の世界をも楽しむことができます。
(箱根駅伝をテーマにした「風が強く吹いている」と同じく、
一粒で二度、美味しい・・・という感じでしょうか?)
「文楽」の知識は全くない私でしたが、
読み終わった後は、「いますぐ文楽が観たい!」
と思ってしまうほど、その魅力が伝わってきました。
「そうだ、このひとたちは生きている。
ずるさと、それでもとどめようのない情愛を胸に、
俺と同じく生きている。
文字で書かれ音で表し人形が演じる芸能のなかに
まちがいなく人間の真実が光っている。
この不思議。この深み。」
(美内すずえさんの「ガラスの仮面」の世界を思い出しました。)
ナイト ミュージアム 価格:¥ 2,990(税込) 発売日:2007-08-03 |
子ども達から、「絶対に観て!」
と言われていた作品。
「この忙しいのに・・・」と思いつつ、観始めたところ、
ありえない展開の連続に、何度も笑ってしまいました。
主人公のダメ男ぶりもいい感じだったし・・・。
年末の慌しさの中、よい息抜きになりました。
お蕎麦屋さん 「パラダイス」 です。
(暖簾に小さくカタカナの文字が・・・。)
ログハウス風の建物で
北山公園の白鳥湖を眺めながら、お食事ができます。
(お好み焼きなどもあります。)
蕎麦は、太目の田舎そば。
かき揚げざる(780円)を頼んだのですが
冷たくてコシがあり、美味しかったです。
平日のランチタイムは、コーヒーのサービスもあります。
近くには、HAZANのロケセットや、SKB射撃場があったりで、
ちょっと面白い空間だと思いました。
(パラダイス!とまでは、いきませんが。)
「グリュイエール」の
停車場物語(抹茶)。
シュークリームの生地で
スポンジケーキをくるんだ
ロールケーキで、
うぐいす豆のクリームと
柔らかく炊いた黒豆が
入っています。
(これは、かなり「パラダイス」でした!)
14歳の子を持つ親たちへ (新潮新書) 価格:¥ 714(税込) 発売日:2005-04-15 |
「この時代に子どもを持つこと」について
思春期の子ども達と毎日向き合う「精神科医」と
成熟や学びについて考える「仏文学者」が語り合っています。
「解決策」を示しているわけではないのですが、
子どもなんてわからなくて当たり前!と、
清々しく開き直れてしまうことが、この本の一番の効用です。
覚えておきたいと思ったことをメモ。
●少子化には、「産んでも大丈夫」という保証が必要。
(行政の「育児支援」は、「育児は苦役」ということが前提。)
母親自身の身体的・知的ポテンシャルや
社会的パフォーマンスが向上するから、
「ぜったいお徳だよ」というように、
積極的にインセンティブを示さないといけない。
●「コミュニケーション能力」とは、
何を言っているのか、はっきりわからないことを受信する能力。
子どもは色々なシグナルを発信しているのに
母親がそれをほとんどシステマティックに無視し、
「承認可能な部分」についてだけしか反応しない。
●「やればできる」は、死語にしたい。
「あ、できたね。」「へえーっ。」「え、何が?」といった
大人が見せる驚きが、子どもには必要。
大人に敬意を払われた、大人に一目置かせたという経験が
子どもの喜び。
●トラウマは、時間的な「居着き」のこと。
トラウマの人は、時間が先に進まない。
フロイトが本来、言ったのは、
トラウマ的な話にしたほうが、「治療法」としては有効だということ。
●「人間は過去を前未来形で語る」が、ラカンの言葉。
過去を物語るのは、語り終わった時に、聞き手が自分のことを
どう思ってくれるかという語りの効果を狙っている。
「嘘」とは言わないが、「お話」である。
●人間の攻撃性をドライブしているのは、「身体」ではなく「脳」。
動物同士の闘いでは、「身体」がどこかで抑制している。
インターネットの批評には、身体が担保する抑制が効かない。
空爆も同じで、ボタンを押して人を殺すことに、リアリティがない。
●マッピングというか、「地図を持つこと」は、
教養の基本みたいなものだが、同時に「暴力の解発装置」でもある。
目で見え、手で触れるものに対するマナーと、
そうでないものに対するマナーは違う。
●「叱る」は、親にしてみたら、敗北である。
子どもにメッセージを伝えようとして、
それが伝えきれなくなった時に、ついに破綻して、「叱る」。
(子どもが理解できるのは、その破綻した「瞬間」だけ。)
●母性は内面にあるものではなく、外から持ってきて演じるもの。
そして、それは「フィクションだからダメ」じゃなくて、
「フィクションだからいい」。
演技だから誰でもできる。みんなに開かれている。
●「しつけ」は、ルーティン。
布に折り目をつけるには、毎日同じ所を折らないと。
「折り目正しい」と言うけれど、折らなきゃダメ。
●土壌と樹木の関係もそうで、ルーティンは「土壌」。
同じことを繰り返していくと練れてきて、初めて樹木が生える。
「土壌」を作らないで、花は咲かない。
今週オープンしたお蕎麦屋さん
「市川」です。
玄関口及び店内には
たくさんのお花が飾られていました。
(那珂湊の方のようです。)
「天ざる蕎麦」。
(1,250円)
この辺りでは、
ちょっと高めかな・・・
と思いましたが、
本格的な手打ち蕎麦だったし、
天ぷらもたくさん付いていたので、納得です。
こちらは、同じく団地の近くで、
245号沿いにある「蛇の目寿司」。
お昼には、限定のランチがあります。
刺身盛合せ、ブリ大根、カキフライという3品がおかず
という豪華メニューです。(1,300円)
「身近ないいもの一店逸品
(ランチ編)」です。
先月末、
商工会議所から発行されました。
(蛇の目寿司も紹介されています。)
作っている人の写真や
ひと言が添えられていて、
読むと行ってみたくなります。
私の男
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「私の男」
とても甘美な響きのタイトル・・・。
作者は、「赤朽葉家の伝説」を書いた桜庭一樹さん。
(今回はじめて、この方が女性だと知りました。)
圧倒的な筆力で、一気に読んでしまいました。
小説なのでストーリーは書きませんが
愛の根源について、考えさせられました。
現在から過去へ遡っていくスタイルで
4人の登場人物が、それぞれの時代を語ります。
最初はキツイ話だなぁ・・・と思いましたが、
過去へ向かうにつれ、それが次第に純化されていくのが
救いといえば救いなのかもしれません。
この物語の未来も、
是非、読んでみたいと思いました。