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風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

2012-04-07 23:29:16 | 日々の生活
 今日は肌寒い一日でしたが、桜がとてもきれいでした。近所の小学校では、サッカーに興じる子供たちの歓声が響く中、満を持したかのように、桜が咲き誇っていました。
 桜と言えば、日本人が最も愛する花木です。子供の頃は何とも思わなかったのに、この歳になってそう思います。それは、熱帯地方の花と違って、咲き誇ってなお控えめな色の淡さと、散り際の潔さが、日本人の心に響くからでしょう。
 思い出されるのは、「戦艦大和の最期」(吉田満著)で、本土を離れる大和が、遥か彼方に桜を臨む場面です。乗組員が先を争って双眼鏡を手に取り、桜を瞼に焼きつけようとするのが、なんとも健気でいじらしい。二度と祖国の土を踏むことはないであろう彼らの目に、桜はどのように映ったでしょうか。運命を恨むべきところ、桜に自分たちの人生を重ねあわせ、美学に殉じることを納得させたのではなかったでしょうか。それが日本人にとって、桜の桜たる所以だと思うのです。
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