goo blog サービス終了のお知らせ 

風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

トランプ的世界

2025-06-23 00:28:03 | 時事放談

 米軍がイランの核施設三ヶ所に対して攻撃を行い、「非常に成功した」と、トランプ大統領が自らのSNSで表明して、その事実を知った。ロイター通信も短く伝えた。とんでもない時代になったものだ。SNSの威力もさることながら、彼の自己顕示欲の強さには驚かされる。世界が自分を中心にして回っているのを喜んでいるのは間違いない。

 だからであろう、トランプ氏がMAGAなどの略語を好むのに倣って、マーケットは略語(造語を含む)を広めて茶化している。Financial Times紙のコラムニストが4月2日「解放の日」以降のトランプ氏の関税政策が優柔不断なのをTACO(Trump Always Chickens Out.=トランプ氏はいつも腰砕け)と揶揄したのが話題になった。グリーンランド購入や51州目の対象にされたカナダを巡って、新MAGA(Make America Go Away=アメリカよ去れ)が唱えられて、アメリカ離れが起きつつあるとの声が漏れた。昔(トランプ氏登場以前)から使われていたFAFO(Fuck Around and Find Out.=好き勝手にやれば痛い目を見る)なる略語が、市場の混乱や不確実性を象徴する表現として最近よく使われるらしい。権威主義に近づいているのではないかと囁かれるトランプ氏だが、本人を対象とするTACOに対してせいぜい不機嫌な対応を見せただけで、さすがに、さる権威主義国でクマのプーさんが哀れにもネット環境から抹殺されている状況とは根本的に異なる。

 そんなトランプ氏は最近、かつてのG8からロシアを排除したことは「大きな間違いだった」と述べ、また、中国をG7に招くことは「悪い考えではない」と指摘した。彼はG7に何を期待しているのだろうか。国連・安保理や、ロシアや中国を含むG20などの国際機関が既に機能不全を起こしているのを知らないわけではないだろう。彼には国際秩序について目指すべき高邁な理想はなく、国際社会をまるで、金づるになりそうな富豪をもてなす悪徳不動産屋のオヤジの仲良しクラブのように捉えているかのようだ(苦笑)。

 制度としての自由民主主義はシステムで動くので、個人の力でどうなるものでもないはずだと思って来たが、彼は懲りずに挑戦し続け、実際に崩れつつあるのか、自由民主主義がレジリエンスを見せるのか、少なくとも自由民主主義の価値や経済原理を理解しないリーダーが巻き起こす混乱は、トランプ劇場として私たちは今まさに目撃しつつある。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 目くそ鼻くそ | トップ | トランプ的世界(続) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

時事放談」カテゴリの最新記事