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ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

おむにばす・どきゅめたりー_6

2010-09-08 19:02:42 | 逆襲の藤隆
ぷりぷり市の自宅に帰った私は、新しい原稿を執筆し始めた。
学生時代、演劇部の裏方をしながら、自分の原稿を
部員に認めてもらいたいと考えながら、戯曲や小説を
執筆してきたのだが、
まったく認めてもらえなかった。自分は物語を考える爲に
演劇部の門を叩いてきたのである。
けっきょくは放逐させられる形で、今この場所で
文章を考えている。
当初、私が考えた小説よりも、かつての日本國の地方だった
ぷりぷり市から関東に向けたエッセイばかり書いている。
私の文章を取ってくる版元は關東の版元ばかりなのが
皮肉だけれども。
小説や戯曲は、書かないのかって。
今はその情熱をエッセイやルポに賭けている
つづく


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おむにばす・どきゅめんたりー_5

2010-09-08 19:02:18 | 逆襲の藤隆
ぷりぷり市の海沿いの街を車で走る。
車は、ジープである。
未だにNumberは、横浜ナンバーである。
本当を言うと、ぷりぷり市を実行支配するTerritoryのNumberに
切り替えた方がいいと思うんだけれどもね。
現在執筆している原稿が煮詰まってしまって、思うようにアイディアが
浮かばない。そんなときは海辺をDriveする。
そろそろ隣町にさしかかるかもしれない。
隣町の海岸ではSurfingをしている人が目立つ。
砂浜に座りながら彼らを見ている。
關東の湘南とかもそうだったのかな・・・。
秋になった今は風が心地いい。
つづく
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おむにばす・どきゅめんたりー_4

2010-09-08 19:01:48 | 逆襲の藤隆
「うほっ。ちびっ子だらけの初秋の水泳大会。」
なんだかすごいなと俺はお姉ちゃんとポスターを見て
思った。
「なんだかすごいね。友希君も出場するのかな。」
太り肉の少年がつぶやく、俺の悪友の一人洋平である。
「でるんじゃないの。」
お姉ちゃんがつぶやいた。
「あ、友希君のお姉ちゃん?やはり友希君は褌で出のかな。」
洋平は皮肉に満ちた乾いた笑をした。
「でるな・・・。」
俺はぼそっとつぶやいた。
「もしかしたら、僕たちも褌かもしれないよ。」
洋平はまた口を開いた。
「まあ、それはそれでいいんじゃない。私も出ようかな。」
お姉ちゃんも俺の傍らでつぶやいた。
「出るんだ・・・。」
俺はなやんだ・・・。
「ともきくーん、」
「なんだよ、あゆみ・・。」
「友希君が褌だったら、私は和風柄水着なの。」
いちゃいちゃしているばかっぷる参上。
俺とお姉ちゃんはばつが悪くなってその場をタイサンした。
つづく
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おむにばす・どきゅめんたりー_3

2010-09-08 19:01:09 | 逆襲の藤隆
「行っってきます。旦那・・。いえパパ・・・。」
私は、自らと主従関係にある旦那様に朝の挨拶をする。
私自身いったん、旦那様というのをパパと言い換えたのは
或る意味私の養父だからである。
もともと私のボディーガードとしてLondonに赴いたとき、
旦那様をボディーガードとして雇い入れた。
その後、13歳の中学校に上がったばかりの時、
正体不明のテロに遭い、家を焼け出され、私は
影武者の盾により、ある場所の令嬢としての地位を
剥奪されたのである。
で、主従が逆転して、私は横浜にある養父の実家に住んで
大学生になった今でも生活している。
「知世、バイトで遅くなるのか?」
父が私に聞いてくる。
「今日は、バイトがないからパパと、御飯を食べられるね。」
私はにこやかに応える。
現在私は小学校の教師を目指している。
ここの暮らしも悪くない
つづく
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おむにばす・どきゅめんたりー_2

2010-09-08 19:00:36 | 逆襲の藤隆
「今年の夏はどうだった。」
9月はじめの通学路、少女は少年に話しかける。
「お姉ちゃん、まあ、友希と馬鹿なことをしているだけさ。」
少年はくすくす笑った。
「相変わらずアイツは馬鹿だよ。逹彌君」
お姉ちゃんといわれた少女は、辟易したような顏で答えた。
「まあ、アイツか・・・。でも、アイツが変わったのは・・。」
逹彌といわれた少年は一瞬考えた。
「早起きをしたことかな。あいつ鈍い奴だけれども、何かを感じている・・・。」
お姉ちゃんはそう答えた。
「あいつも何か一学期の間やったのかもしれない。」
海沿いの瀬戸内の街、2人は学校に急ぐ。
つづく
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おむにばす・どきゅめんたりー_1

2010-09-08 19:00:06 | 逆襲の藤隆
奄美大島の名瀬・・・。
この町は奄美大島の郡都として、機能してきた街である。
ここ数年の東アジア大動乱で、日本國と中華人民共和国が滅亡して
東アジアは小さな國に分かれてしまった。
そのなかで、奄美大島は琉球聯邦に加盟することになった。
この聯邦加盟は本土派と琉球派と喧喧諤諤の議論があって
結局、本土に首班の存在する九州聯邦よりも那覇に首府のある
琉球聯邦に加盟することになった。
そんな場所に住んでいる男がいた。
「ああ、そうさな・・・。」
まだ、日差しの強い名瀬の9月、男は会社に向かっていた。
「此島は何處が向いていたのかな?」
疑問を抱いていた。
「そういえば、琉球聯邦の首都がこっちに移ってくるみたいだ。」
男はまだ信じられないようだった。
一説には伊豆諸島を琉球聯邦に入れて、奄美群島を九州聯邦に委譲する
という考えがあり、伊豆諸島に首都にするという考えがあった・・。
そんなありえない・・・。だから、名瀬を首都にするのかもしれない。
つづく
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山羊の頭なスープ_最終回

2010-09-02 20:36:53 | 信・どんど晴れ
「へぇ。山羊汁か・・・。一度食ってみたいな。」
佳奈のクラスメートの宇品は、佳奈の話題に乗り込んできた。
「宇品さんは山羊を食べたことがあるの。私だって未だに癖のある食べ物だと
おもっているけれどもね。」
と、苦い物と甘い物を両方入れたような顏をした。
「山羊は食べたことはないが、Mattonならばある。」
札幌出身の宇品は少し自慢したような顏をした。
「Mattonと山羊肉がどうして、同じ味といえる。」
佳奈はむっとした。
「ああ。高校時代の同級生が勤めている料理屋で北海道名物
ジンギスカンを注文した沖縄の人らしき観光客が
山羊の味みたいだと言っているのを聞いたからだよ。」
宇品はそう言った。
「なるほど、一度山羊汁を食してみるか?」
佳奈は勢いよく迫った。
「ああ、考えておく。」
宇品は少し恐縮しているようであるが、挑戦する氣持ちはあるようだった。
「でも、この前の山羊汁パーティーで、改めて自分のことを考える事になった。」
佳奈は何か考え事をしているようだった。
「小禄さんって沖繩の人だったよな。お前さんの出身地の加計呂麻島に
なんとも文化が近いんだ。」
宇品は少し遠くを見て笑っているのか悲しんでいるのか解らない顏をした。
「でも、逆に小禄さんも自分に自信が持てるようになったらしい。」
いつも、煙ったような皮肉っぽい表情が多い、佳奈が笑ったような氣が宇品はした。
おわり
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山羊の頭なスープ_8

2010-09-02 20:36:23 | 信・どんど晴れ
結局山羊汁は、佳奈と小禄で一緒になって食べた。
他の2人は食べなかった。
「それにしても琉球は肉が多いよな。あまり魚料理っていうのが無いな
と私は感じてしまう。」
佳奈は、山羊汁と一緒に飲んだ泡盛などのアルコールで赤くなった顏で口を
開く。
「そうだね。旨い魚がないからって考えた事があるんだよ。観光客に
魚を勧めた事ってないって、父が言っていた。」
小禄はそれに答えた。
「小禄さんの親が経営する会社みたいなところが北陸や東北であったら
恐らくは、魚料理を勧めたり、観光地で魚介類の加工品を進める可能性が巨きいな。」
そう言った地域出身の人間と住んでいる佳奈は答えた。
「私も關東の大学に進学してからという物、北国の人は魚とか魚介類裁くのが旨い
よね・・・。私はホヤが苦手なんだ・・・。」
小禄はそう答えた。
「私は鮭が苦手だ・・・。石川より東では食べるみたいだけれども・・。」
佳奈はそう答えた。
佳奈と小禄が話しているそばで、
淡雪と久留美は他に使ったチーズを主流にしたおつまみで残りの焼酎を飲んでいた。
 そして、その後・・・。
淡雪と小禄が通う女子大のCampus・・・。
「おはよー、横手さん。」
小禄がやけに明るい顏をして返す。
「おはよー、小禄さん。いつも暗い顏をしてる貴女が晴れやかな顏だね。」
淡雪は半分怪訝そうな顏と笑った顔が雑じったような顏だ。
「それよりもー、佳奈さんはどうだった?」
小禄は晴れやかだ。
「彼女も深刻そうな感じから解放されたかな。奄美・加計呂麻といった地域じゃなくて
似た感じの場所の人が来てほっとしているかな。」
と淡雪は答えた。
「まあ、私も彼女に元気をもらいましたー。彼女は、急度シマに帰ったら活躍しそうだね。」
と講義室の近くに歩き出した。
つづく
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山羊の頭なスープ_7

2010-09-02 20:35:51 | 信・どんど晴れ
「さてと・・。」
釜利谷のアパートに帰って来た佳奈と小禄は、山羊汁の支度をし始めた。
佳奈の住んでいるSpace一面に山羊のにおいが立ちこめている。
「すごいにおい・・・。以前山羊乳のチーズを食べたことがあるけれども
それに似た感じね。」
料理にはうるさい淡雪が不安そうな顏をした。
「私には全くわかんない。」
淡雪のそばに座っていた久留実は全く理解不能なようだった。
「こんな物を入れるんだ・・・。實はさ、加計呂麻の私のシマでは
したのものを・・・。」
佳奈は小禄にそんなことを言う。
「幼い頃から宮古に行っているけれども、宮古も同じ。跡は本島だったら
やんばるとかもかなー。」
Kitchenのそばにあるテーブルに座っている淡雪と久留美は絶句している。
「残酷かもしれないけれども、いつも考えながら食べていた。」
テーブルの2人を佳奈はちらりと見た。
「そうだよねー。」
小禄が相づちを打った。
「山羊を食べる理由・・・。やはり本土ほど魚料理がないからかも。」
佳奈はしみじみ考えた。
鹿児島の本土地方の先生は漁村の出身で、魚を色々食べてきたとか話していたっけ
なぜだか脳裏に浮かんでくる・・・。
「鹿児島の本土地方でそうなんだから、東北や北陸ではなおさらだよねー。」
小禄は言う。しかし、彼女の知っている日本本土は關東だけである。
他人のようだが、他の地方の言動から類推している。
「できた。」
佳奈と小禄は
神妙な顏をした
つづく
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山羊の頭なスープ_6

2010-09-02 20:35:16 | 信・どんど晴れ
「国道は混むから、こちらの道を使った方がいいかもしれない。」
横浜の南郊の工業地帯の物資を運ぶための道路のためか、
広く作られている。神奈川県を代表する食品会社の工場が暗いながら解る。
「もう少し行ったら、八景島だね。」
ハンドルを握っている小禄の聲だ。
「そーだな。鎌倉の親戚の家までは朝比奈経由が近いか?」
佳奈が聞く。
小禄は黙って頷いた。
車は釜利谷の近くをさしかかる。
ここ30年ぐらいに建てられた団地も工場と併存して立っているが
埋め立て地だからだろう。
「ぼちぼちか・・・。」
暗いので取り付けられていたカーナビを確認しながら曲がり角を確認するのは佳奈。
「小禄さん、ここで曲がってくれ。」
それに対して小禄は
「了解しました。」
とエレベーターガールみたいな声で言う。
「山羊か・・・。みんな食べるんだろうか・・・。」
2人は其れを考えていた。
つづく
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