ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

晋・雲伯風土記_5

2010-09-14 12:25:28 | 信・どんど晴れ
「完成しました。」
そのような文面を關東の村田さんにmailで原稿添付にて送信。
利一郎は、新作を考え始めた。
「この前の作品はタッチの牧場風って感じだったから、今度のは
大人気美少女ゲーム風にしようかな・・・。」
彼の頭に構想がよぎる。
そのとき・・・。
「生まれる・・・。」
妻が苦しそうな顏をした。
「一寸まて、俺が救急車を呼んでくる・・。」
119番をダイヤルしている、彼の頭はパニック半分急いでいる。
程なくして、松江市消防署と書かれた車が入ってきた。
利一郎は、浪江に
「安心しろ、俺がついている。俺がもっと確乎りしなければいけなかったのに・・・。」
と何度も繰り返すように言う。
「そんなことを言うんじゃありません。いつもなやんで難しく考えるのは
あなたの悪いところです・・・。」
救急車のBedの上で妻は弱い声でつぶやいた。
程なくして妻は分娩室に運ばれた・・・。
看護師は
「生まれました。男の子です。」
という。
利一郎は、
「俺も親父か・・・。」
と照れながら息子と妻を見た。
父親になった彼は、小説を執筆し続けるのだろう。
おわり
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晋・雲伯風土記_4

2010-09-14 12:24:50 | 信・どんど晴れ
仕事が終わり、利一郎は電話をしていた。島根大学卒業後
現在東京の商社に勤務している後輩である。
「そうか・・・。お前も大変なんだな。海外勤務を予定しているのに
国内に回されたのか。ふーん。俺の所の子供か。まあそろそろかな・・・。
女房には、結構長い時間不自由させたからな。俺がラノベを執筆して
現在は印税で安定しているからな・・。でも將來は・・。
まあ違った作風も考えてみるよ・・・。お前の處は子供はまだだったよな。
まえにも話したけれども、同僚は来年は子供が小学生か・・・。」
携帯のスイッチを切った利一郎は、にやにやした。
Calendarを見つつ、
「村田さんの仕事はぼちぼち締めきりか・・。」
とつぶやいた。
これからも、ラブコメを書くのだろうか・・。自分自身不器用だからそれにこだわっていく
かもしれない・・・。
利一郎は腕を組んだ。
つづく
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晋・雲伯風土記_3

2010-09-14 12:23:59 | 信・どんど晴れ
「今歸った。」
妻の浪江にひとこという。
「今日は早かったですね。いつも回想すると2時間ぐらい粘るのに。」
史伽は苦笑した。
「ああ。新作のアイディアが浮かんだ。」
そう言って、自分のpcの置かれている仕事場に赴いた。
彼の仕事場には、
小説を書くpc,他に小説の参考文献の書籍が所狭しと並んでいる。
他に図書館で借りてきた、インカ帝国と、リャマ、ラクダ、エジプト、
イラクと書かれた書籍が置かれていた。
「今度の、アイディアは・・・牧場が舞台だ。」
彼が執筆している小説ジャンルはラブコメだ。
「此處の牧場はリャマとラクダを飼っている風変わりな牧場なんだ・・。
そこで牧場の若き飼育員が恋を繰り返すんだ。」
かちゃかちゃとキーボードを叩きつつぼさぼさした髪を書く、利一郎。
独白が一階にまで届いてくる。
「始まったか・・私が出来ることは、お父ちゃんに栄養のある物を
食べさせることかな・・・。」
妊娠したお腹を摩りながら,浪江は笑っていた。
つづく
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晋・雲伯風土記_2

2010-09-14 12:22:59 | 信・どんど晴れ
「ライトノベルでデビューといっても、聊か俺自身の体験も盛り込んでいるな。」
利一郎は、お店で出された御茶を口に含みノドを潤わせた。
食べ終わった、蕎麥の皿を少し睨みながら、これまでの自分の失敗を考えた。
「何時だったかな・・・。」
これを見ていた双子は、噂しあった。
「でたーっ。利一郎さんの回想Modeだ。」
なんともうざいらしい・・・。
「まあ、あの人の顏からすると、おそらく大人向きの小説で身を立てたかったんだろうよ。」
そば屋の店主は、申し訳なさそうな顏を双子に向けた。
彼女たちはそーだねとお互い顔を見合わせた。
彼にとって少しは、他の人間にとって長時間だ。
利一郎の頭には、数年前Internetの詩のSiteの事を考えていた。
彼は全く無名でいろいろな文章を方方の場所に書いていた。
今挙げた詩以外も戯曲やエッセイ、評論などを書いて、數打てばあたる。
そう言う考えが充満していた。
その中で水田さんという名前の人が運営していた詩のSiteにはいろいろな才能が
結集していた。
そのなかで彼が気に入った詩人は、桐立という名前の医学生だった。
彼の鮮烈な詩は、筆者のつたない文章では書けないぐらいだ。
全く持って、彼の連絡先に色々Attackして仲良くなって意見の交換も
するほどの仲だった。
過日、利一郎の過失で桐立の仲は破局した。
大阪でのオフ会に行ったとき、彼に水をぶっかけられる程だった。
「貴殿の行動には辟易をする。貴殿には忠告しておくが、人のわからないものを
詩に盛り込むのはいけないことだ。」
憤然と店を立つ彼のことを、彼は鮮烈に覺えている。
今も水田さんのSiteには赴く物の、破局した前後から彼は顏を現さなくなった・・。
他に、瀧本あかりさんと言うトランペット奏者のことだ。
彼女のトランペットを利用したジャズ風の音楽を気に入って
足繁く通っていた。
当時、気に入ったクラブジャズ風の音源が気に入って、
いろいろなmp3を贈った。
その中にインディーズか同人のmp3が雑じっていて、
「他サイトの音源を贈るのはやめてください。」
と憤慨されたことがある。
自分は、彼女のSiteから自主的に身を引いた。
彼女のブログにくる人々は、マイルス・デイヴィスやコルトレーンなどの
難しいジャズの話題ばかりする人ばかりで、
自分には波長が合わなかったからだ。
他の音楽に関するSite・・・。同じようにロック・ポップス系のサイトのように
リラックスしてSiteに通えないと思ったからかもしれない・・・。
あれやこれや、利一郎の中で過る・・・。
回想が終わり、急いでレジに行く。
つづく
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晋・雲伯風土記_1

2010-09-14 12:22:00 | 信・どんど晴れ
「ちょっくらそば屋に行ってくる。」
売れっ子作家、向田利一郎の毎昼の日課である。
結婚した当初は
「利一郎さん、内でお昼を食べていけばいいのに。」
と妻の浪江が言った物だったのだが、
今ではなれた。
利一郎は、現在生まれれからという物松江を離れたことがない。
関東や大阪の方には赴いている物の、基本的には松江中心である。
木造の自宅から歩いて数分、お目当てのそば屋「石倉庵」は
存在する。
民芸調の自動ドアが開く。
「親父、今日も来た。」
いつもの言葉だ。
親父と言われた店主も苦笑して、
「利一郎さん、いつもの奴ね。」
とメニューの蕎麥をだす。
アルバイトの双子の女の子が、
「利一郎さん、きつねそばで。」
と鉛筆を動かすやいなや、
「おーだー、おやじさん。」
と甲高い声が出た。
「鳴かず飛ばずのころからみているけれども、利一郎さんもMajorになったね。
このまえ此處の店に来たのは、いったい・・・。」
親父が利一郎に聞いた。
「あれは、俺のラノベのanime企画に参加している声優の方々。」
と利一郎は返した。
「ラノベ・・。俺には何のことだか、解らんなあ」
親父は苦笑した。
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