ブルーシャムロック

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相模原から、吉野町。

2016-02-26 12:59:06 | 逆襲の藤隆
「ふぅ。」
私は相模原から、吉野町に向かう保土ヶ谷バイパスを通りながら、
考えていた。
「それにしても、この車のおかしなことと言ったら。」
外見は、恐ろしく古い、アメ車である。キューバから輸入されたと言う。
エンジンがプジョーだかRenault、Citronのエンジンを積んでいるらしく、
アメ車より日本車に近い感じである。
トランスミッションが、ロシアのそれを流用しているらしく、マニュアルだ。
「アメ車でマニュアル」
というのは、聞いたことがないが、キューバのセンスなのだろう。
私の名前は、平賀知世と言う。
大学の友人をその人の自宅まで送り返したあと、自宅まで運転してきて
なんだか知らないけれども、恥ずかしい。外車だったら最新鋭の
プジョーだかRenault、Citronのほうがいいなとか思っていた。
車が吉野町近くまで差し掛かった時、自分の車のそばに近づく車が。
なんと、恋人朝岡蓮次の愛車Volvo。クラクションを鳴らしてくる。
お互いの車が停車したらどうなるのだろうか。

平賀知世の謎

2016-02-19 12:54:56 | 逆襲の藤隆
「この前、知世さんがどことなく亡くなったお母さんに似てきた
と言われましてね。私はどきりとしました。」
{先生}は、平賀知世の養父にそんなことを告げた。
「はぁ。このことは私と先生、知世だけですよ。蓮次くんも知っているんじゃないですか。」
{先生}は、一瞬考えて、
「そうでしょうね。彼女がexamsystemの落とし子であることは、私も
関わり合いになりたくはないですから。」
と表情を変えずにいう。
「そうですね。」
知世の養父は、微笑んだ。
知世曰く、彼は込み入ったことがあると、いつも微笑むのだ。
「以前、誰かに知世の素体になった女性のことを、私の母になってくれたかもしれない
女性とある男に言った。その男も、愛する女性と私のところを去った。」
{先生}は、そういう。
話すのが遅れたが、知世の養父と{先生}は考古学の長年の共同研究者同士である。
彼らの間にある謎も共有しているのだ。
「私はね、知世は、あなたと一緒に見守っていくのが、正しいと思っています。
13歳以来、現在20歳になるまで、あそこまでがんばったんだから、彼女の出生に
対して、何も言わなくてもいいと思っています。」
と、さる方にメールを打ち出した。誰なのだろうか。
「誰なんですか。もしかしてロシア科学アカデミーの人ですか。
以前話していたじゃないですか。」
と{先生}は養父に尋ねた。
「知らなくてもいい人です。だけれども、私のような在野の研究者です。」
養父は答えた。
おわり

私のどこに力量が

2016-02-08 18:06:59 | 信・どんど晴れ
「朝倉夏美の尻拭いですが、どこまでやればよろしいのでしょうか。」
松本佳奈は女将と呼ばれる女性を見た。
「そうだねぇ。彼女が参ったと言うまでだ。」
女将は漠然とした答えを出した。
「あまりにも漠然としすぎて何も言いません。加計呂麻島でニートをしていた
私を徳之島にまで引っ張り出した意味も全くわかりませんし。」
佳奈は女将を見た。
「お前にはわからないことが多くてもいい。女将になりたいとかいって
横浜から意味不明にも飛び込んだ朝倉夏美よりお前がこれからの加賀美屋を
背負うのにふさわしいと思っているからだ。横浜といえばお前が曾て住んでいた場所だな。」
女将は、ゆっくりと粛々と答えた。
「ですが、私に力量があるとは思えませなんだ。」
佳奈は抗議した。これで何回目だと言わんばかりに。
「お前が何回逃げようとしても無駄だ。東京や大阪は言うに不及、
那覇や鹿児島の市内にだってお前の居場所はないかもな。」
といいつつ、ゆっくりと佳奈の前を進み始めた。