ブルーシャムロック

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リゾートタウンの數日間_餘話

2022-10-17 05:20:13 | 逆襲の藤隆
「不思議な感触だな。」
日下部浩一郎は平賀知世がリゾートタウンで購入してきた
水着用布を使った6尺褌に身を包んでいた。木綿とは違う、化學纖維とも
違う感じ。化學纖維みたいな速乾性と、天然繊維みたいな着心地が
同居している。
「浩一郎くん、早速リゾートタウンで購入した布の水着
着用してみたんだ。私は丈夫そうな感じが気に入っている。」
平賀知世が水着を作るときにマイブームになっている1950-60年代のレトロモダン
水着である。
「柄が、褌に身を包んだ少年のイメージなんだ。それに西洋風の草木柄ってのが知世らしい。」
と萌美ちゃんがいう。6尺褌に身を包んだ少年のイメージがあるのは、浩一郎くんを
イメージしたのだろうか。
「僕の褌は孔雀柄で、現代の海パンみたいに見える柄を選んだんだ・・。
やっぱり・・。」
と苦笑していた。
最初に知世さんと出会ったとき、
「浩一郎くんの6尺褌は伝統と今の融合したデザインがいい。」
と言われたことがある・・・。
二人はスイミングの練習に出かけた。

リゾートタウンの數日間_tsuketashi

2022-10-14 18:28:17 | 逆襲の藤隆
リゾートタウンのお姉さんが行きつけの店の
フュージョン料理屋だが、そこの女性シェフが
お店を閉じて旅行に行っていた。
今回は和歌山県有田市という場所に訪れていた
ようだった。
「お姉さん、今度のコースメニューだけれども
有田市の和食の店でであった女性の板前に
教えてもらったんですよ。優しい人で、
有田市の名産品を私の店に送ってもらって、
今回のコースメニューは有田市特集を組もうと
思っています。」
と、女性シェフはいう。
「はぁ。あなたらしい。」
とお姉さんは苦笑した。以前旅行に行ったときの
山形県鶴岡市の名産品を使ったメニューを
フレンチ風にしたのをみたが、今回は和歌山県
有田市というところなんだ・・。
と、お姉さんは考えていた。
「あなたは日本とか世界各地の郷土料理に
影響された料理を作っているけれども、
リゾートタウンや咎人市の名産品を使った料理も
作って欲しい。みんなここの郷土料理を食べたがって
いるしね。」
とお姉さんは多少意地惡く答えていた。
「そうですね。」
とシェフは答えていた。

リゾートタウンの數日間_13

2022-10-14 05:33:06 | 逆襲の藤隆
少し、時間は前後するが、妖精の国の錬金術師は、
リゾートタウンのお姉さんと出会っていた。
「この布でしたら、賣り物になりますよ。」
お姉さんの言葉が突き刺さっていた錬金術師は
お姉さんの場所を尋ねて、
「これですが、お姉さんが住んでいる周辺の
今や雑草になっている草を利用して使ってみました。
それだけではだめだったので、私の研究所に
出入りしている妖怪の国の知り合いの部族が
服を作るのに使っている樹皮を練成して作りました。
妖精の国であるものでは作れなかったのが残念ですが。」
とばつが惡いような顔をして、お姉さんをみた。
「ないなら仕方がない。昔は私が住んでいるのとは
別な地域で、樹皮を使って服とか褌を作っている種族
部族がいたようなのよ。だから、それを教えてくれた
妖怪の国の方は偉いかもしれない。」
とお姉さんは答えた。
「私の国で使う文様の他、模様を自在に印刷できる
素材も作りました。悪魔界の人の技術を応用しました。
彼らも錬金術師が発展していまして、
同じ悪魔や妖怪、妖精とやり取りをしているようです。
でも、私が頑張っても出入りしている妖怪や悪魔や
別次元の妖精みたいなことをしないよなぁ。」
と錬金術師はため息をついた。
「うん。それは人間界も悪魔界も、妖怪界も、同じかもね。」
お姉さんは励ました。

リゾートタウンの數日間_12

2022-10-11 05:53:38 | 逆襲の藤隆
「これか・・。錬金術師が妖怪の国の
貴族に教えてもらった樹皮を使った服や褌って。」
インターネットの閲覧端末のタブブラウザをみながら
片方の画面は、アイヌの服を作る動画、
もう片方は、ハワイの観光案内だった。
ハワイの伝統褌を作る資料だ。
リゾートタウンのお姉さんは、一人自室に
こもりながら、
「このネットに挙げられた資料から類推して、
妖怪の国では、樹皮から服や褌を作る技術があるのだな。」
とお姉さんは考えた。
「私が錬金術で、作ったものなので、人間界でいう
化學合成で作ったので、ある意味弊害がある。」
みたいなことを錬金術師がいっていた・・。

リゾートタウンの數日間_11

2022-10-09 04:30:35 | 逆襲の藤隆
「うん。錬金術師、頑張ったね。」
平賀知世は、リゾートタウンのお姉さんの自室にこもりながら、錬金術師の
自信作の水着用布をみていた。
その時僕、朝岡蓮次はお姉さんの彼氏くんの部屋にいた。
「この柄が、妖精の国の伝統柄なんだ・・。」
と、知世は花柄の水着用布をみていた。
「いつも、知世さんが任意の柄をプリントする布も作ってくれたみたいだよ。」
それは、樹皮が合わさっているようにも感じた。
お姉さんはなんだか安心していたとあとで知世に聞いた。
「今日はこれで私の友達の水着と、売るためのビキニを作ろうと思う。
もちろん、お姉さんと私と、彼氏くんと蓮次くんのやつも作る。」
とティーカップに入ったコーヒーを知世は口にした。
「錬金術師さんにも、礼を言わなければね。」
とお姉さん。
「うん。結構早いスピードで作ることができる。」
と知世はいう。
「あなたの水着、評判いいのよ。雑に作らないでね。」
とお姉さんが釘を差した。
水着は、夜が明ける前にできたようだった。

リゾートタウンの數日間_10

2022-10-08 04:26:44 | 逆襲の藤隆
咎人市にある徳利大權現の近くに生える草を知世は目にした。
「あれって・・。」
と知世はリゾートタウンのお姉さんの方に目をやった。
「あれね。今は雑草として隅に追いやられているけれども、
昔はあの素材で衣類をあんだとうちの常連さんに聞いた。」
と、お姉さんは話す。
「何とも言えない、紫蘇みたいなえごまみたいな葉っぱだ。」
と知世は答えた。
「その紫蘇みたいなえごまみたいな葉っぱが繊維を
構成していて、麻素材みたいな織物を作ったみたい。
この徳利大權現の瓦屋根の家紋にも見えるように
多く寄進をした、大名の甘井さんが統治した時代は
年貢の代わりにもなったらしい。」
とお姉さんは続ける。
「あんまり歴史とかに詳しく無いのに饒舌だね。
と同行していたお姉さんの彼氏はいう。
「これは常連の女の子に教えてもらったんだ。
知世はうんうんと頷いていた。
「あっちで、電子御朱印が作れるんだよ。」
と、境内の一角の自動販賣機を彼氏くんは
僕にいう。
僕は、家の御朱印帳のコレクションが増えると
思ったので、ここで、説明書に基づき御朱印を発行し
知世や浩一郎くん萌美ちゃんと連絡を取り合っているメールソフト
で、家のpcに御朱印を送った。
「でも、このお寺というか神社の境内周辺に生えている草を
参考に布を作るリゾートタウンのお姉さんはすごい。」
と知世考えていたようだった。

リゾートタウンの數日間_9

2022-10-07 05:20:03 | 逆襲の藤隆
僕らはリゾートタウンに帰って、おねえさんが見せたいと思うものを
見せられた。
「これね。私の家に出入りしている妖精の国の錬金術師が作った布なんだけれども
妖精の国の伝統柄と、知世さんが、いつも作っている印刷可能な水着用布なのよ。」
とおねえさんはいう。
「はぁ・・。なんというか錬金術師の錬金術という名の科学で作ったような感じね。」
と、知世は率直な意見を述べた。
「そうね。」
おねえさんは知世の方を見た。

リゾートタウンの數日間_8

2022-10-06 05:32:13 | 逆襲の藤隆
僕らが、連れられてきたのは、リゾートタウンから車で少し行ったところにある、
徳利大權現と言われるお寺とも神社ともつかない宗教施設
だった。
行政上咎人市という場所にある。
明治の神仏分離令前の信仰を守っている場所で、昔の鶴岡八幡宮もこんな感じだったらしい。
大きな本堂の対面に神社と鳥居がある。
「この、お寺で祀られている神様が住吉三神だったから、それに合わせて
だれかが、ここを徳利大權現と言うようになった。」
と、僕と平賀知世と同行したリゾートタウンのお姉さんと彼氏くんが
僕と知世に伝えた。

リゾートタウンの數日間_7

2022-10-03 04:21:10 | 逆襲の藤隆
錬金術師は考えていた。
「なんだか知らないけれども、納得の行く水着用布ができない・・。
苦々草だったら、いいせんまで行ったけれども、そこから次が・・。」
と、錬金術師は人間界のリゾートタウンのお姉さんからもらった草を
みていた・・。
「これで昔織物を織ったというんだ・・。なんともない草のようだったが。」
錬金術師は以前紙の原料になった素材を見るが首を振った・・。
さて、錬金術師のアトリエに妖怪の国の留学している貴族が現れた。
「やあ、錬金術師きみにみせたいものがあってね。」
と貴族が見せたのは、一着の服だった。
「これは俺の国で木の皮を加工して衣服を作っている部族のものだ。
原料の木の皮ももらってきた。」
という。
錬金術師は閃いた。
「この木の皮は、考えるものに使えるかもしれない。」
と貴族の師弟にいう。
「ああ、新作楽しみにしているよ。」
と貴族。
錬金術師は、妖怪の国の木の皮とリゾートタウンのお姉さんが持ってきた織物に使って
いたと言われる雑草を合わせた。
木綿と化學纖維を合わせたような感じだ。いささか化學纖維より木綿が勝ったような
雰囲気だった。

リゾートタウンの數日間_6

2022-10-02 05:29:41 | 逆襲の藤隆
「知世ちゃん、実はね。新製品ができたの。」
知世に、リゾートタウンのおねえさんが新製品が完成したことを告げた。
「ふーんそれはどんな感じなのですか?」
知世は、疑問になって答えた。
「私の出入りの妖精の国にいる錬金術師が、作った渾身の出来なんだけれども、
結構柄もかっこいいのよ。」
知世は一瞬考えて、
「ほう。この前はこれで水着を作ったけれども、不評だったんだよね。
錬金術師さん色々葛藤ってかっこいいデザインを作ったのだろうか。」
錬金術師が作った水着を渡した日下部浩一郎も柿沼萌美もその布で作った水着に
袖を通したんは1-2回だった。
僕はデザインのことはわからないので、ただふんふんと聞いていたのを思い出している。