ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

たいようとせんりつ_7

2016-07-30 06:28:21 | 逆襲の藤隆
「{ペロペロキャンディ・キャンディ_rebon}ですか。かなりやばいのでは。」
私、ガリベンはまた最近企画を共同展開することが多い女流漫画家
クリスチーネ剛田先生の最新企画のROUGHを拝見することになった。
「ふざけた題名なのに、なぜだかこういうグルメマンガの調理シーンみたいでね。」
画面から、調理器具や煮えたぎる飴が臨場感を醸し出している。ふざけた題名にしては
なんだかすごい。例えるならば仮面ノリダーをやるといって、元ネタ風の東映特撮をやっている
感じだ。
「私は同人時代のふざけた作風と向き合ってどのように数ある真剣なグルメマンガみたいな
企画を展開できるのか。やってみたい。」
私は一瞬考えて
「先生ならば出来る。」
と一言言った。
「私は若い頃、苦しんだ時があったけれども、もしかしたら歴史の大局にのっているのでは
と思うと怖い。」
先生は顔が曇った。
「なんでです。」
私はヒット映画の登場人物みたいにおどけて質問した。
「歴史の大局に乗るということは、やはり地位が脅かされて何らか、自分の存在が
消される事が近くなることね。だから、次はストレートに女性誌向きの
スタンダードな企画を執筆したい。」
と顔が普通になった。
先生は自分が得意なところでは悩みが大きいけれども、苦手でなんともないものには
なぜだか、考えが軽やかになる。もっとも小生の考えだけれども。
「先生が執筆する女性誌向きの作品は私にはどう受け取られるのかな。」
もしかしたら、自分が苦手な作品だと思ったのでふと顔が自分なりに曇った。
「あなたには受け入れられなくてももしかしたら、心が安らかになる作品かも。」
と、自分の持っていた{ペロペロキャンディ・キャンディ_rebon}のラフ原稿を
とった。
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たいようとせんりつ_6

2016-07-28 19:09:26 | 逆襲の藤隆
「ぷりぷり県農業中央研究所が県内産の大麻成分の無い麻、
県内産の木綿、他にレーヨンを使って水着用の布の開発に成功。」
私が、横須賀での打ち上げから羽田で飛び乗るようにのったlccの飛行機の
機内で読んだスマホからの記事で、そんなものを目にした。
私の出身は東京都は八王子なのだが、各地の放浪で今はぷりぷり市に
住んでいる。
「水着用の布か。」
私はつぶやいた。
飛行機の中でニュース専門チャンネルのニュース映像を流していた。
「これは出来杉英才博士の研究の賜です。そういえばこの基礎研究の
理論を残してくれた、出来杉博士は奥さんを亡くされたようですが、
私達の研究を知って元気になってほしい。」
とニュース映像の研究所の偉い人は述べていた。
私と接近した劇団のメンバーは
「また、脚本を執筆してくれ」
と言ってくれた。
少し怖いような気もする。でも、今しがた水着用の布を作った人間のように
頑張ってみるか。
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たいようとせんりつ_5

2016-07-25 19:36:26 | 逆襲の藤隆
私は、高輪のホテルから劇団が最初に公演を行った場所に向かっている。
ここは、私、ぷりぷり市在住の私が、脚本を執筆した劇団の打ち上げ
がある場所である。なんと横須賀である。
自分自身、追い出されるようにしてぷりぷり市に辿り着き様々な文章を
執筆してきた。くうや食わずの生活で、ずっと端末のキーボードを
叩いてきたのだけれども、まさか、私が住んでいるのとは遠くの
いわき市の劇団が自分の脚本を採用してくれるとは思わなんだ。
劇団の代表が言うには、
「必ずしもあなたの脚本だけが自分の劇団に使うわけではない。」
とは言っていたけれども、自分の仕事を認めてくれたというのは
すごく嬉しい。
「上大岡、上大岡・・。」
そろそろ横須賀に近くなっているかな。横浜駅も通り過ぎたようだ。
打ち上げの時に、私は何を話そうか。
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たいようとせんりつ_4

2016-07-20 19:51:59 | 逆襲の藤隆
朝岡蓮次は、東横線の横浜方面に行く電車に乗っていた。
中吊り広告が風に揺れている。
現在は、そこまで車が混んでいるわけではない。
ゆらゆら揺れている中で、渋谷のファッションビルの広告に混じって
ある小説アンソロジーの広告が見受けられた。
「ふーん。ゴジラ・ウルトラマン・東映特撮のアンソロジーか・・・。」
こういうアニメ方面では、ベタな定番の演目だ。
「僕も、こういうの嫌いじゃないけれども、ある面ではこういう世界観を
作って、興味ない人への壁になるのはすごく嫌いだ。
一番好きなのはプリキュアと東映特撮だけれどもね。」
蓮次は、歯を食いしばった。
この前何気なしに見ていた映画かドラマでこういうセリフを耳にした。
「プリキュアとか東映特撮みたいな音楽ばかり聞いていると恥ずかしい。
いろいろ聞かないと、面白くないよ。誰もがバランスを取らなければいけない。」
セリフの主は、チャラ男として知られる俳優だったから笑える。
でも、彼の本音だったんじゃないかな。
電車は、武蔵小杉をまだ過ぎたばかりだ。
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たいようとせんりつ_3

2016-07-17 06:30:48 | 逆襲の藤隆
私、ガリベンは、また違う編集部から特撮企画のアンソロジー小説を書くように
言われていた。
「現在は、ゴジラとウルトラマンと東映特撮のアンソロジーを執筆を
作家の方に依頼しています。」
なるほど、こういった企画では鉄板だなと苦笑する。
「なるほど、どんな人が執筆するのですか?」
編集の人は一瞬考えて、
「現在、ぷりぷり縣在住の作家とか、先日ノーベル文学賞を執筆した作家などが
執筆予定です。ガリベンさんはどうします。」
と言う。
「そうですね。時間をください。」
私は言う。
「あんまり、ベタなウルトラマンや東映特撮の企画は執筆したくはないというか。」
私は自室にこもってそうひとりごとを言った。
こんなものはどうだろうか。
「東映ヒーローとして活躍した男が、故郷の街に戻る。そこにはかつてウルトラ怪獣
として生きてきた老人がいた。それを守る妻。あるとき、グルメレポーターとして
人間として生きてくるウルトラマンがやって来る。妻はウルトラマンが来ることを
拒む。男は葛藤する」
私のキーボードは進んでいた。しかしオチが見つからない。
「これはどうだ。東映ヒーローとして生きてきた男に電話がかかってきて、
先輩が言う。自分の娘が結婚するのだけれどもそれが、相手の母親がショッカー幹部
ということだ。お前はウルトラマンがレポーターとして来ているのならば
それを迎えよ。ということだ・・。」
ふと考えて・・。これでいいのかな
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たいようとせんりつ _2

2016-07-12 14:42:53 | 逆襲の藤隆
「深草護先生、こんな戯曲を書くなよ。」
私がいつも執筆している文芸誌の編集者と電車で移動している時に
私通称ガリベンは発見してしまった。
「ドイナカダンサーズ」
という題名なのだが、この演劇の脚本を執筆した深草護先生は、
私が大学生時代から私淑する劇作家である。
スマホで「ドイナカダンサーズ」と検索するとこの舞台を見た人は言う。
「自分が住んでいる埼玉を自虐的に描くだけじゃなくてさり気なく茨城を揶揄するネタを入れるなんて。」
と見ていた人は半ば呆れていた。
出演者はアイドル上がりの三枝建と、特撮出身の秋元喜重郎らしい。
キャストよりも、彼らにこんな脚本をあてがう深草先生のほうが恥も外聞も内容に思う。
「私も学生時代色々小説を書いたけれども、中吊りの舞台みたいな内容の物語は書かなかったです。」
一緒に電車に乗り込んだ担当さんも言う。
「ただ、この脚本が深草護が執筆したことが一種の波紋だな。」
私はそういった。クリスチーネ剛田先生然り、その他の人然り、真面目な作品を書かないとなぁ。
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たいようとせんりつ_1

2016-07-09 19:56:16 | 逆襲の藤隆
私は、小学生時代ガリベンくんと言われた男である。
自慢ではないが、一流大学をでて、そのまま理系の研究員として
働いていたが、急に小説を書きたくなった。
まぐれだったのだろうか。そのまま小説家デビュー。
で、人気漫画家クリスチーネ剛田氏とコラボをすることになった。
題名が「信・あんころ餠ストーリーズ 」題名はクリスチーネ先生が
同人時代ふざけて執筆した漫画からとった。
「今回の小説はふざけた物語は執筆しない。あんころ餠のなかに
和菓子の真実を見つけた女性職人の話よ。」
と彼女は言う。
「はぁ。」
彼女が同人時代からデビュー間もない頃の漫画は乙女チックだったけれども
近年アッティラや徳川家康と言った人間に取材した作品を上梓して以降
人間のエグさに興味を持ってきたようだ。そして私とコラボ。
「あのー、ガリベンさん。出来杉博士の奥さんだった人ってFemme Fatale
だったのかしら。」
クリスチーネ先生は端末を叩いている自分を見る。
「さぁ。」
私はそう言うしかない。
小学校時代、彼にコンプレックスをもって彼にストーカーまがいの事を
したけれども、彼に出会って諭されてからは傷を追った。
すごく屈辱を受けたが、学問は自らの為に、自らの真実を考えるための
大学進学と思うと軽くなった。
「もしかしたら、幼い日、出来杉博士の奥さんを狙っていた男も
真実や真理を知りたいと思った時、出来杉本人も奥さんも興味を失った
のだ。それは私と同じだ・・・。クリスチーネ剛田先生、エピソードはどうしますか。」
私は涼しい顔で彼女の顔を見た。
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朝倉夏美の後は誰だ

2016-07-03 21:09:59 | 信・どんど晴れ
朝倉夏美という押しかけ女房を、食中毒事件に託けて追い出したが
はてさてと、松本佳奈は、女将に聞いてみた。
「そうだねぇ。大女将の牽制と、加賀美屋に縛り付けられている
柾樹を自由にするためだ。」
ときっぱり言った。
「生け贄か。」
佳奈は口を歪ませる。
「まぁ、これから私の次男が高校の同窓生を連れてきて、この人を
女将見習いにするというが、こいつも警戒せねばな。」
この女性、撃退に成功するが、徳之島だけではなく
鹿児島の本土、沖縄本島をも巻き込んだ大騒ぎになることは
二人は知らなかった。
おわり
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