ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

鶴見から聞こえる沖永良部の歌

2017-05-08 19:06:29 | 信・どんど晴れ
僕自身、鶴見で生まれ育った、大学で知り合ってから付き合っている神戸出身の
彼女は、いま元住吉に住んでいる。
僕は、彼女を自分の生まれ育った街のお祭りに案内しようと思った。
「待った。」
彼女は言う。
「ううん。」
多少正解で多少嘘だ。
「そういえば、鶴見では沖縄のエイサーをやっているんだよね。」
僕は言う。
「そうなんだ・・・。」
彼女は言う。
「どうちたの?」
僕はおどけてみせた。
「私の家族のことを話していないよね。」
彼女の言葉に確かに大学時代そんなことを聞いていなかったのを思い出す。
「うん。お祭りを楽しんでからにしよう。」
僕は言う。
人だかりができている。いよいよエイサーが始まるようだ。
沖縄にルーツのない僕はエキゾチックで面白い催し物だ。
大きな太鼓を抱える人と、小さな太鼓の人が伝統衣装に実を包んで踊る。
「テーンテーンヨーテンテーン」
歌い踊る一団の歌に彼女は耳をそばだてていた。
「これ、知っている。母方の祖母がよく歌っていた。祖母は沖永良部島の出身なんだ・・・。」
彼女のことばに、沖縄と沖永良部島の違いがわからない僕は半信半疑だ。
「でっしゅいはじめたら・・。」
この曲も
「また沖永良部島の曲だ・・・。」
と彼女。
その後、また違う曲になった。僕にはわからないけれども、彼女が興味がなさそうなので
沖縄の曲なんだろうな・・・。
と僕は思った。
「神戸の君の家族に会いたい。」
僕はひとこという。
「そうね。」
彼女はなんとも言えない顔だった。

八王子に来た。

2017-05-07 18:45:35 | 逆襲の藤隆
「うん。先輩。このラーメンはもともとチキンラーメンなんですよね。
それにしても、よくお店の味を再現できましたね。」
私、赤城咲は、用事で八王子に来ていた。
なんのために来ていたのかは、気にしないで欲しい。
「うん。私の鶴岡の実家の味にようやくたどり着いたか。」
ラーメンを振る舞ってくれた男は、他学の先輩である。
私が所属している部活の他の大学の同一のサークルである。
「この前は加賀の奴に合流できなくてがっかりでした。」
私は男性にそう告げた。
「お前は行かなくても良かったのかもしれない。負けて勝つという言葉があった。」
男性は言う。
「前々から言っている、藩祖酒井忠次公の言葉ですか。」
私は質問する。
「そうといえばそうかもしれないけれども、そうじゃないといえばそうだ。
まあ忠次公は、自分自身も当時の公方様も子孫にも生きる道を説いたみたいだから
自分ががってに捏造したのかもしれない。」
男性は答えた。
「そうですか。部活のことですが、今からやりますか。」
私が答えた。
「ああ。」
男性はそういう。