ブルーシャムロック

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それにしてもだ

2018-05-11 21:55:38 | 信・どんど晴れ
「それにしてもだ。どうして、俺の息子に下町は東北人のための街だと教え込まなかったのか ? 」
松本佳奈の上司に当たる新一という名前の男は、日頃から松本佳奈が言葉にしている事を
尋ねた。
「そうですね。それは子どもたちが小田原に行ってから、考えることですよ。ひょっとしたら
新宿にだって行くかもしれません。」
佳奈は、ありそうなことを新一に言う。
「新宿か。そこは下町とはどう違うのかな。」
彼は、漠然とした東京の知識しかないようだ。
「下町の方が新宿より古いのですが、些かそこにできた駅の流れにつられてしまう。」
と、かつて一緒に住んでいた人の知識などを使って答えた。
新一はよくわからないという顔をした。
そして、
「まあ小田原に赴いて、そこで関東地方を考えていくだろう。」
と佳奈に回答した。
おわり
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それは偏見かもしれないけれども

2018-05-04 18:41:48 | 信・どんど晴れ
「そうだな。下町には自分が大好きで、最寄りの上野駅からやってくる人のためにしか
尽くさない。下町からみて田舎に彼らが苦手なものがよく住んでいる。」
こんなことをまだ小学生の低学年でしかない新一さんの二人の男の子に
話している。申し遅れたが、私は松本佳奈という。
ここ、徳之島の旅館で働き始めて數年になる。
新一さんの嫁さんが子供二人を連れて故郷の小田原に歸るようだ。
下町に関する、偏見に満ち満ちたことを話していたのは、学生時代關東は神奈川県に住んでいた
時の話を、別れる嫁さんの実家である小田原とどう違うかと誇張して伝えた。
「下町が後ろだてになってものが進んでいる。其れ故に今島であることが正しいとは言えなくなる。」
私はそう、二人の子供に伝えた。
「私も下町に憧れたことがある。關東に行く前、漫画からの知識だったがね。」
私はまた、子どもたちに伝える。
子どもたちは、半信半疑だ。
「でも、下町に徳之島のことを知っている人がいたらいいな。」
子供の一人が言った。
「ああ。そうであってほしい。でも、そうじゃない部分もある。」
私は言う。
「小田原に行ったらもしかしたら、正しいことがわかるかもね。」
また子供の一人が言った。
「ああ。」
私はそういう言葉しか出ない。
おわり
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今日はグルジア産

2018-04-20 08:41:22 | 逆襲の藤隆
「群馬県山中で、生物学者の某博士と、共同で山に探索に入った{ピーッ}さんが
七色のイモリを発見しました。」
ある女流科学者がいつも行きつけの定食屋にパトロンのおじさんと入っていて、
店で流しているテレビでニュースが流れていた。
「{ピーッ}さん、こんなことをしていたんだ。イメージとは違うな。」
と女流科学者は野菜炒めを口に入れながら答えた。
「實を言いますとね、今日はグルジア産の紅茶のいいのが入りまして、
彼をミーティングと称して、彼に話を聞こうと思っていました。」
と、店で出された緑茶をパトロンは口に含んだ。
多少熱いようで、少ししか喉に入らなかったようだ。
「私は、今TVに映しだされている{ピーッ}さんと一緒に写っている女性が
気になるなぁ。」
女性科学者は不満そうだった。
パトロンは女性だから女性を見る目は厳しいから。
「気になりますか?」
と一言。そして鰈の煮つけに箸をつけた。
「まあ、あそこまで一緒に山に入るとは思えないからです。」
と、女流科学者は答えた。
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後始末の後始末_最終回

2018-03-23 12:19:30 | 逆襲の藤隆
「それにしても、私の共同研究者という人は、幸せなんでしょうか。」
女性科学者は、パトロンに尋ねた。
パトロンは、
「そうだねぇ。彼はかつて愛した人も、かつて気にして脅威だと
思った出来杉も超えて今が楽しいのかもしれない。様々なものを捨てて
力のある人間を躱す技を身につけたというか。」
と言う。
「はぁ。」
と、女性科学者はいい、
「私のような根無し草で粗暴な女性を共同研究者に選ぶのは
そういう部分があるのでしょうか。」
パトロンは考えた。
「そうだろうね。今日はあの男の人来るみたいだよ。」
と、女性科学者の肩をたたいた。
女性科学者は複雑な表情をしていた。
さて、男がやってきた。
「私は、ここ最近ショックだったのは、出来杉の亡くなった嫁さんにね
あなたのバカバカしい研究に与することができない。と、言われたこと
だったんだよね。私は結婚とか恋愛感情抜きに普遍的に彼女に認めて
貰いたかったんだけれども、彼女はそういうことを下心と受け取った。
僕は、いくら僕に恋愛感情ないからそういう言葉を叩きつけるのは
やはり無礼だ。と感情的に彼女に言ったことがある。
彼女は、私の主人の出来杉が勝つかあなたが勝つかと言った。
これが彼女の生前最後の言葉になった。」
と男はパトロンが入れてくれたグルジア産の紅茶を口にしながら答えた。
多少遠い目だった。
「ショックだったのでは。」
女性科学者が慰めるような目をした。
「いや。彼女との恋愛や恋を諦めてからはなんとも思ってない。
生前の彼女にはけちょんけちょんに言われ続けて、出来杉との結婚には
呼ばれていないようなところがあったから。」
と男は言う。
「 yy さん、 ( 男の名前 ) 人生とは何なのでしょうか。」
パトロンは多少意地悪な質問をした。
「そうですね。多少運命、多少自分で選ぶものでしょう。
もし、出来杉の嫁さんと僕が結婚していたならば、出来杉は手負いに
なってますます巨大になったかもしれない。彼は悩むこともなく
大科学者になっていたかもしれない。もしかしたら、自分を変えた
事故があっても、僕は変わらない人間だったかもしれない。」
男は紅茶の入ったマグカップをおいて答えた。
「さて、研究のことでしたね。」
女性科学者が言う。
「はい。」
男はそう答えた。
おわり
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後始末の後始末 _4

2018-03-17 11:42:09 | 逆襲の藤隆
「そういえば、私が使っているゴーダマートが、大手のツルキに変わったみたいだ。」
女性科学者が自前のエコバックにウィスキーとおつまみを入れたものを見ながら
初老のパトロンにそれを見せた。
「今日はこれを持ちながら研究ですか。」
彼女が小脇に抱えたレポート用紙を皆が答えた。
「ああそうですよ。ゴーダマートって確か關東のローカルでは結構目立っていた
けれども、全国チェーンに飲み込まれて大丈夫なのかな ? 」
「どこも生き残るのに必死だ。」
パトロンは、女性科学者を見た。
「それな。やっぱり倒産するより生き延びるほうが専決なのかもしれない。」
女性科学者は自分の持っているスマホを見た。
「ふーん。ツルキの連結子会社で旧ゴーダマートの店舗はゴーダ Mart の人間が
経営して、かつての独自の商品はそこで売るみたいだ。」
と、画面に表示された情報をみた。
「うん。確かあなたが研究しようとした研究を提唱した人間とは確執があるようで。
パトロンはにやりとした。
「ううむ。どこでそんな情報を仕入れたんですか ? 」
女性科学者は花白んだ。
「私は大富豪ですから、情報網はそれなりにあるのですよ。」
パトロンはそう結んだ。
おわり
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後始末の後始末_3

2018-03-15 05:31:30 | 逆襲の藤隆
「ゴーダ・ツルキマート設立の結び」
ネット検索をしてこんなタイトルのページを見つけた。
この男も出来杉同様自分が恐れた男が関与している。
このコンビニチェーンは関東地方のある一部ではよく見かけた店舗だった。
しかし、こういう形で大手のツルキに乗っ取られるのはなんだか怖いものがあるよ。
自分が恐れた男たちが色々と苦しんでいる。
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後始末の後始末 _2

2018-03-11 06:02:26 | 逆襲の藤隆
「ふーん。アゼルバイジャン産の紅茶ですか。」
僕は何もわからないまま、ここの館の主である初老の男が
薦めてくれた紅茶を飲んでいた。
この館の男は、長らく僕と共同研究を行っている女性科学者の
パトロンをしている男である。
この前はグルジア産の紅茶を薦めてもらった。
「いつも紅茶に凝ってしまって、こんなものをあなたに薦めるのはおかしいですよね。」
男は苦笑していた。
「いえ、構いません。」
このぐらい我慢できる。自分の研究に興味を持ってくれたから。
自分の研究は出来杉より理解できないだろうことも百も承知。
彼を疎ましく思い、彼を慕っている彼の嫁さんと結婚する事を望んだ。
しかし、事故があって、彼女と出来杉が結婚する事をどことなく容認する。
こうやって私は嫁さんを迎えるのは遅すぎる年齢になってしまった。
しかし、怖くない。死ぬことだって。
今の研究は、自分にとって重要で楽しいからだ。
「もう一杯お願いします。」
私は初老の男に頼む。向かい合うソファには女性研究者が座っていた。
つづく
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後始末の後始末 _1

2018-03-08 11:00:17 | 逆襲の藤隆
「うん。此れから行ってくる。」
男は独り言を呟く。
「出来杉の嫁さんが亡くなっていつになるのかなぁ。」
また男は続ける。
男は考えていた。
「出来杉は、自分がなぜ恐れることがなんだかわかっていないようにも思う。
いつもいい子ちゃんとして振る舞おうとするが、逆に彼の力だと
受け止められてしまう背景があるのだよ。」
男は、出来杉の嫁さんが殺害された背景をそう狙っていた。
「うん。 xx ちゃん。君は自分が Femme Fatale だと考えていたけれども、
それは見当違いだね。君は近所で可愛い女の子止まりだ。
ある世界では、出来杉は僕と結婚させれば自分は大丈夫だと
思ったのかもしれない。」
出来杉の嫁さんにそう考えて、男は家のドアの鍵を締める。
つづく
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カレドニアの骨牌また_7

2018-02-16 14:07:04 | 逆襲の藤隆
車が { 先生 } の自宅がある東京都地方に差し掛かっていた。
先生のいつぞやの言葉を平賀知世は思い出していた。
「出来杉英才博士はクローンをつくって複数の個体を作ることは可能だったと思います。
しかし、あなたという個体しか作らなかった。彼の優しさであり強さかもしれませんが、
それが、彼を危うさに巻き込んでいることに鈍感なようですね。」
と、苦笑して話していたことをハンドルを握りながら考えていた。
現在彼は最愛の妻を何者かに殺害されていた。
彼とその妻を取り合った人間が、
「彼女が亡くなってから、冷静に彼と向き合うことができた。彼女は自分を Femme Fatale だと
考えていたけれども、どうもそれには役不足だ。」
という言葉をネットか雑誌で見た事があった。
自分は何なのだろうか。やはり、自分が Femme Fatale なのかなと。
かつて親友で、バーミリオンの恋人で、 { 先生 } の實の娘だと
思われていた女性が、最近家に帰っておらず、樋口という男性のもとに通っているとも聞く。
ひょっとしたら、バーミリオンも私もいないところで新しい物語を作るのかなとも考えていた。
知世の端末にメールの着信音がした。
運転席に自分一人なので、受け取れない。
気がつけば、 { 先生 } の自宅が見えるところまで来ていた。
知世は車を止めて、先生のインターホンを押していた。
ところで、メールの主は誰だったのだろうか。
知世の養父だった。
「私は君とは長い付き合いになるとロンドンで考えていた。いろいろあっても
二人の父親という状況を楽しんでいこう。」
と言う内容だった。
終わり
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カレドニアの骨牌また_6

2018-02-10 16:43:18 | 逆襲の藤隆
「ところで、 { 先生 } がこの前のレストランで話していたけれども、君のお父さんと君が
出会ったのって、 { 先生 } とお父さんが、一緒に Scotland に行く前だったんだよね。」
そういう質問を朝岡蓮次は、恋人の平賀知世に彼女の端末宛にメールを送信した。
その文面を読んだ、知世は蓮次にこうやってレスを返した。
「そうね。あの時、父と初対面だったけれども、私を知っていたような顔をしていた。
もしかしたら、 { 先生 } が情報を流していたのかな。」
知世はメールソフトの送信ボタンを押しながら、口をへのじぐちにした。
今日は、また { 先生 } の自宅に行く日である。
知世はガソリンスタンドにいたので、蓮次にメールを送ることができた。
「軽油満タンになりました。」
gs の店員は、知世の方を見る。知世の愛車はアメ車であるが、プジョー製のディーゼルエンジンだからだ。
「ありがとうございます。」
上大岡から { 先生 } の住む東京都地方の街まで、車を走らせるつもりが、燃料が底をつきかけていたので ,
途中の港北区あたりのガソリンスタンドで給油をした。
マニュアル車である車のシフトレバーには FIAT と書かれている。
元々がキューバの車で、 Russia 車のシャーシを流用しているので、修理の際、ライセンス生産元の
フィアットの部品を使ったからだ。
「流用したプジョーやフィアットの部品は新し目の型番の車からとったとは美幸さんは言っていたけれども。」
美幸さんとは、知世の姉貴分の女性。トンデモナイ姐さんなのは、機会があったら話す。
車は、スピードを上げて、港北区から東京都地方に向かっている。
続く
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