ブルーシャムロック

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人は、退出下さい。

菊の名前の後先_參

2019-05-03 11:03:30 | 潮風の櫻
「へぇ。この松島基地の公報の方、うちのスナックによく来てくれるよ。」
俺が撮影したデジカメの写真を見て、久慈市にあるスナックのマスターが答えてくれた。
久慈市に到着したのは丁度お昼どきだった。
俺は、何かというとしがないフォトジャーナリストだ。 3.11 の原発事故以来、浪江町を中心に
回っている。 3.11 以前から浪江町を中心とした場所をずっとインターネットで報道していた。
あの地震と原発事故より前、過疎化の告發のような使命感をもって浪江町を取材してきた。
そして、 3.11 が発生することになる。
俺は、第二の故郷である浪江町を追われた格好になった。その後も避難している人を取材対象に
してきた。
「浪江町を主に取材対象にしてきたようですが、なんで松島や久慈市に足を運ぶ事になったの ? 」
マスターは見当違いの場所にいる俺に質問してきた。
「はい。他の自身で被災した場所も見聞きしていきたいと思って、松島にも久慈市にも足を運ぶことに決めたん
です。」
俺はそう嘘をついた。
マスターは納得したようだった。
俺が、松島や久慈市と言った場所に赴いたのは今は亡き、熊本出身の学生時代の親友が「菊の名前」という長
編小説の二次創作のエピソードを延々と自分のブログで掲載していたからだった。
その小説の舞台が現在の松島基地近辺や久慈市といった場所が舞台だったからだ。だからついでにこっちに来
た。
「そうそう。現在松島基地の広報をなさっている自衛官の方も、災害救助のヘリコプターが
久慈市の方を救助できたらいいなとか言っていた・・。彼も津波で何もできなかった。」
とマスターは話を続けていた。
カランカラン、スナックにつけていた鐘がなった。
「今熊本から帰ってきてね。あの時の恩返しができた。」
消防署の服の人がカウンター席に座った。
「まああの時も熊本の消防署の方に助けられたから。」
マスターは消防署の服の方にそう答えてきた。
世の中は持ちつ持たれつ。
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菊の名前の後先_貮

2019-05-02 10:15:38 | 逆襲の藤隆
「知世、この前貸してくれた小説面白かったよ。」
朝岡蓮次は、恋人に弁当箱のように分厚い小説を運転席のすぐ下においてある
彼女のバッグに入れた。
「ああ。そうなんだ。あの南北朝時代の騒乱は戦国時代より魅力的だったから、
インターネットの書籍ダウンロードで売っているのを見て、図書館で借りたんだ。」
恋人平賀知世は、横須賀と書かれた自動車用の方向板を見ながら答えた。
「あの時代だったら、現在通過する金沢文庫や京急富岡駅界隈ゆかりの人も関わりあっていたな。」
蓮次はそう答えた。
「まあ、そうね。あの小説は近江が舞台だから、方向が違うけれどもね。」
知世はわかっているでしょと言う顔でハンドルを握っている。
「南北朝時代か・・。まああの小説を読むまで考えもしなかった。」
蓮次はそう答えた。
「こういう小説から歴史の授業が楽しくなる人もいるから引っかかりとしてはいいんじゃないの。
蓮次君。」
知世はそう答えた。
「そうだね。」
蓮次は本を読み終わってからももやもやした南北朝時代のことを考えていた。
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菊の名前の後先_壹

2019-05-01 10:19:22 | 信・どんど晴れ
今日話す話題は、学生時代、神奈川縣の三浦金沢市という
場所に住んでいた時の話だ。
ちょうどルームメートの高槻久留美という女性が本や演劇が好きで、
しばしば、住んでいたアパートの近くの市立図書館から本を借りて
来ることが多かった。
「やっと、菊の名前を読むことができた。実家のある石川では読めなかった。」
と、弁当箱のように分厚い文庫本を見せびらかしていた。
「どんな本なんだ ? 」
私は、久留美に聞いてみた。
「鎌倉末期から南北朝時代にかけての近江の寺での殺人事件の話。
いろいろ現実世界であった事件が交錯することで有名なのよ。」
と、彼女は私に読めないでしょうと言う顔で言う。
確かに今旅館の仲居として徳之島にいる今でもその時代は解らない。
そう言えば、彼女称名寺や富岡八幡宮と言った近所の寺社にはよく足を
運んでいたようにも思う。
その流れで、図書館で借りてきた本も読んでいるのかもしれない。
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exam systemの事

2019-04-20 07:28:19 | 逆襲の藤隆
「木之本さん、exam systemのことはご存知かな?」
はじめと名乗った男性は、自分の住んでいる家の一室にある資料を指していった。
「そんなもの知らないよ。」
木之本はそんなことを言う。
「私は出来杉英才博士のラボでシーラカンスやマンモスの研究を行っていてね。現在の動物と

融合を行うところだった・・・。しかし、研究の過程で私が死人を出してしまって、結局この
罪人村送りだ。」
はじめは、口に酢を入れたような顔をしていた。
「exam systemって何のための研究なんですか?」
木之本は聞いた。
「なんのためにもならなない。木之本さんが幸せに暮らすためにあったらいいね。」
はじめは資料を閉じた。
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どぐされ者のバラード

2019-04-19 18:32:00 | 逆襲の藤隆
とある場所、とある村、そこに、ある二人の男女が進んでいた。
「ここはどんな村なんでしょうか。」
女性が聞く。
「ここは、罪人村といって、犯罪者が住んでいる村だよ。僕もどんな罪を犯しているかわからない
けれども
そこにいるんだ。」
村人の一人がそう答えた。
「へぇ。でも、個々の村だったら、私を追ってくる人から逃れられるようにも思えるんだ。」
女性が言う。
「木之本さん、こんな村でもいいの?」
男性が言う。
「うん。これからは私が犠牲になるべきだと思う。バーミリオンも知世さんも、私から自由になるべ
きかなと。」
村人はポカーンとした顔で言った。
「前住んでいた人は、結婚詐欺。他に殺人レスラーも住んでいた。つい半年前、村を出て行った
けれども、
やるべきことを見つけたのか、それとも死に場所を見つけたのか・・・。ここの村長さんがそういう
ことを
話すんだ。僕も彼にはいじられるけれども、色々村人のことを考えているのかもね・・。」
男女に話しかけた村人の男はそう答えた。
「たもつさん、私もそういうことを思うと罪人なのかもね。」
女性は言う。
「そんなことを言っちゃ駄目だよぉ。」
たもつという名前の村人は女性を見た。
「いいんですよ。彼女は言い出したら聞かないから。僕はそれでもついていく。」
男性はそう答えた。
「なんだか怖い・・・。」
たもつという村人は改めて男女を見た。
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ブーケトスの後、

2019-03-25 12:48:55 | 逆襲の藤隆
ブーケトスの後、
「このブーケをもらっていいのかな。」
男はそういった。
「男の人がもらってもいいんじゃないかな。ひょっとしたら自分の未来のためかも。」
女はそういう。
「そうかな・・。俺は君を守る要素がない。この前応募した小説の懸賞も漫画原作の懸賞も
落ちちゃった・・。ここで作家になる夢を諦める方がいいのかもしれないよ。」
男はもらったブーケを握りしめてそういった。
このブーケだけれども、出木杉英才博士と幼馴染の女性の結婚だった。
男は中京広域圏から上京して今の仕事をしているようだった。
「あのー。海造君、ここで諦めて妥協した仕事をしちゃいけない。」
女性は言う。
「里咲(リサ)、俺、できるかな。このブーケ、ひょっとしたら何かに繋がっている感じもする。」
不思議とこのブーケは力をくれるようだった。
結婚式が終わってすぐ、
「英才さん、あの男は現れなかったの?」
出木杉英才の妻はそういった。
「ああ。現れなかった。彼ならば大丈夫だよ。きっと自分で立ち直る。大丈夫だ。」
出木杉英才は言った。
「貴方はそういう。彼は自滅するか。あなたに憎しみの鋒先を持ってくるかもしれないし、
そして私にも累がおよぶ。」
妻はそういった。
「そうかな・・。ははは。」
出来杉は誤魔化すだけだった。
それから、前述しした里咲(リサ)と海造である。
「おっ。映画会社社員募集だって。コレだったら君を養えるかも。」
海造はポスターを見て確信した。
「そうね。映画会社というところに就職して硬い職場にいくのもね・・。」
里咲(リサ)は微笑んだ。
その後、ヒット映画の演出スタッフとして名を轟かす、映画プロデューサー
小野寺海造とその妻里咲(リサ)であることをまだ誰も知らない。
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出木杉君への声

2019-03-18 17:01:38 | 逆襲の藤隆
「頼むから介入しないでくれ。」
何回君に言ったかな。でも、君は介入し続ける。
それは僕が弱いからだろう。
君は暴力で脅した奴同様、君も絶対無比の力で脅しているところがある。
ある歴史では、亡くなった君の嫁さんと君で僕に折れて妥協したのかもしれないけれども、
僕が解決策を見つけても、君は介入の糸口を見つけて僕にもっとより良い未来を示そうとする。
残念だけれどもね。今僕の研究は君とは全く咬み合わない。
咬み合わないのに、堂々巡りの喧嘩を繰り返してしまっている。
僕がやろうとしているのは、僕と向う岸にいる僕が安心して眠れる世界だ。
無理かもしれないけれども、僕の世界だ。頼む。君は関係ない。
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12月の曇りの日_番外編

2019-02-12 18:44:27 | 逆襲の藤隆
「どこまで逃げたのだろうか。」
男は女に聞いた。
「さぁ、私もわからないよ。そして、あんたにもわからないよ。」
女は答えた。星が瞬くこんな夜といったところだろうか。
「僕も君に誘われるまま凄く逃げた。出来杉が僕を追って来る可能性が大きいから。」
女性は多少憐れみの表情で、
「あいつか。あいつは懐ろに入ってくる奴を籠絡するのは好きかもしれないけれども、
逃げる奴はそこまで追わないよ。逃げちまったほうがかっこいい萌える。
あいつは、お前さんの優しいところを利用するから、ある意味正面切って戦えないなら
私といいことしないかい。」
と男に答えた。
「いいことって・・。」
彼は考えた、かなり際どいあれ・・。
「あんた際どい事考えたろ。違うよ。全然違うよ。真剣に逃げた後、あんたが立ち直って
まっとうに生きることを私と考えるのさ。私も自分の世界に巻き込んだやつから逃げた。
だから私もあんたも Even。」
とからりと笑う。
「ああ。そうなのか・・。出来るならばそうしたい。」
男は頷いた。
「ところで向う岸の、あんたを見た。大事故があったらしい。それが契機で向う岸の
出来杉とその嫁さんと乗り越えることをしたらしい。だからこっちの世界のあんたも
あの女はやめようよ。あんたが結婚したって、また出来杉が凶暴化する。
それを防ぐために、出来杉がいても生きることが出来る世界を考える。
それにさぁ、あの女あんたのこと騙すのちょろいと考えているよ。」
女は何時になく饒舌だった。
男はあんぐりと口を開けていた。
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12月の曇りの日_10

2019-02-08 18:54:25 | 逆襲の藤隆
「それにしても、出来杉という男は自分が善意で生きていると思っているようだった。
自分が嫌われていることへの警戒心がなさすぎる。彼の行動が抜身の刃を感じさせるのに。」
イザヤ・ケーニヒスベルクの言葉だった。
「ああ。そうなんだ。俺もそれを感じるから出来杉は興味がないと思った。
どこかの國の裏で人間妖怪だのと言われて皇帝に即位した男のほうが人間らしい。」
城野本丸はそう返した。
「ところで、本丸。出来杉を憎んだ男との接触はできたの.」
イザヤは聞いてみた。
「うん。研究の虫みたいな人間で、ある意味{つまらない男}だが、彼の出来杉への戦い方なのかもしれな
い。」
本丸は答えた。憎んだ彼自身が、事故のあと、研究や努力で自分を犠牲にした事に生きがいを
感じるようになったからだ。いつもメールや時計を気にしていて、仕事をきっちりやることで
出来杉への復讐心を育んでいる部分が彼にはある。本丸は感じていた。
「僕のフィアンセはいつも天然だ。そしてフランクフルト時代の日本人の同僚も・・。」
イザヤは、自分が狙われていると思い込んでとき折現実逃避するようなことを言う。
「イザヤ、君はすごいよ。普通に俺と出来杉の取材ができているじゃない。抜身の刃を見せない
君を、だらしない俺は尊敬している。」
本丸はそうなだめた。彼にはそういうしかない。幼い頃本丸は余りにもだらしなくて
それを指摘されてきた。今もそれを引きづっているが、イザヤはそれを感じない。
パリの今の会社に勤務するようになってからイザヤとバディを組んで思う。
「ああ。自分で自分を褒めるのはきらいだけれども、それがフィアンセや昔の同僚が自分を好きなのかも
しれないな。」
とイザヤ。
「ところで、イザヤ、フランクフルト時代の日本人の同僚って・・。」
本丸が言おうとした時・・。
「彼女は既婚者だよ。それでいい。でも同僚としての腕は尊敬している。」
とイザヤは話した。
(本編了)
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12月の曇りの日_09

2019-01-26 09:25:23 | 逆襲の藤隆
妖精界、そこには曾て、出来杉を憎んだ男が来ていた。
本来ならば、此処に来ることは不可能である。
しかし、妖精界の女王様の特別の計らいにより、憎んだ男はこの場所に来ていた。
かつてこの妖精界は危機になり、王位継承者であった女王様が命を狙われることが
あった、そんななか危機を救った人々がいた、それは招かれた男も含まれていた。
彼自身、ともに力を合わせた人々とともに勇者として語られているようだった。
「女王陛下、お招きに預かり恐悦至極存じます。」
男は、硬い調子で女王様をみた。
「yy さん、今回貴方を呼んだのはあるものを見せたかったからです。」
普段何もなかったところに、魔法の力で 40 インチほどのモニターが映しだされていた。
「これは・・。僕・・。そしてあの女性は・・・。」
それは、出来杉を憎んだ男が、違う世界では結婚したと言われる出来杉の嫁さんに
拒絶される場面だった。
「yy さん、今から出来杉さんとお勉強に行くの。あなたは此処に来なくてもいい。」
男も、嫁さんも、出来杉も小学生ぐらいだった。
「こんな不様な姿なんて、見せなくても良いのでは。」
男は剣呑な表情をした。
女王様は
「ココカラが面白いのです。」
とにやりとした。
「yy、もうあの女と出来杉に接近するのはやめろ。これから面白いことがあるよ。
きっとあの女に近づくと出来杉が近づく。」
小学生ぐらいの男よりは年上の女性だ。彼女は無理に男を引っ張っていき、
いろいろと見せていた。最後に見せたのは女性と男が、結婚している場面だ。
「あのモニターの世界のあなたも出来杉さんを乗り越えるきっかけを作った。
今のあなたと同じだ。女性にしろ仕事にしろ、いろいろある。」
女王様は言う。
「そうですね。ありがとうございます。未来は変更できると僕は思います。」
男はそういった。
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