ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
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人は、退出下さい。

馬を見ようよ_5

2010-09-26 19:19:22 | 信・どんど晴れ
「もしたしたら、この海外の利権団体は、藤澤氏の父親からむしり取ろうと
したのではないのかしら?」
淡雪はテレビの内容を少しだけ理解をした。
自殺だったのだろうか。暗殺されたにしては、それに對するにおいが
少ない。陰謀史観の人間であるならば、秘密裏になんとかとか考えるかもしれない。
だから、mongolに足繁く通うのにも、根拠がある。
レアアースに対しては私には関係がないし・・・。
そんなことをイイながらHotelの通路を歩く淡雪。
また、テレビでは藤澤氏の話題を伝えていた。
「今回はトカラに足を運んだ跡、サイン会を来月の3日に鹿児島市内で開く予定です。
藤澤氏にとって、馬のルーツをmongolと日本を結びつける文章を作成するために
昨年訪れた与那国島紀行と併せた南方馬紀行の集大成にするようです。」
モニターをちらりと見た淡雪は、
「彼女は、おかしな物に左右されずに馬の話題を書いていけばいい。
でも、サイン会が近日じゃないのが悔しいな・・・。」
といって、飛行機の時間を氣にし始めた。
おわり



馬を見ようよ_4

2010-09-26 19:18:50 | 信・どんど晴れ
「ねぇ。久留実、mongolと言ったら馬とかチンギス・ハーン以外に思い当たることがない?
現在トカラ列島で取材を行っている藤澤典枝氏のお父さんとか言う人がmongolで
死んだとかいう記事を見かけたから・・。」
横手淡雪は高槻久留美に電話をかけていた。
「その記事は、通勤途中の電車で見たよ。
うーん。mongolか・・・。馬とかチンギス・ハーン以外か・・・。」
久留実は淡雪の問いに一瞬考えた。
「何か思い当たる。」
淡雪はせっかちに答えを求めた。
「mongolといえば、現在では石炭・レアメタル・レアアース、といった鉱物資源が
埋蔵していると学生時代の講義で聴いたことがある。」
経済学部出身の久留実の答えである。
「鉱物資源・・・。なにやら利権が絡みそうなものね・・。」
淡雪は真剣な口調で電話先の女性に回答した。
藤澤氏はフリージャーナリストになる前は商社勤務だったと伝え聞く。
その実父もそうだったらしい・・・。
夜の番組で藤澤氏の実父の話題が取り上げられていた。
眠い目で見たとき、どこか海外の利権団体の名前をコメンテーターは連発をしていた。
つづく

馬を見ようよ_3

2010-09-26 19:18:22 | 信・どんど晴れ
淡雪は出張先の図書館、あるいはインターネットカフェなどで
日本の在来馬の資料を漁り始めた。
現在いる、鹿児島市内からは、都井馬という馬が存在しているらしい。
何れも、サラブレッドよりも背の低い馬である。
しかし、足は頑健で物を運ぶのに適しているようだ。
在来馬、そして藤澤氏の資料を調べている際に発見した資料には、
良くmongolに足を運んでいることが言及されている資料が多数。
馬のことに詳しくない淡雪でもヒットメーカーである彼女が
mongolや遊牧民の言葉を良く引用する事を思い浮かべた。
なぜ、mongolなんだろうか。
歴史に興味を持ったから?
Roommateの一人、高槻久留美はいわゆる歴女で、チンギス・ハーンに関する
資料も書かさず読んでいたけれども、藤澤氏は?と言わざるを得ない。
なんとも派手そうだし・・。
定宿にしている、鹿児島市内のビジネスホテルに戻る淡雪。
そのとき、Lobbyのマガジンラックに思わせぶりの記事が掲載されている
書籍を発見した。
「フリージャーナリスト、藤澤典枝氏の実父mongolに死す?」
そのように、見出は伝えていた。
つづく

馬を見ようよ_2

2010-09-26 19:17:49 | 信・どんど晴れ
時間をおいて淡雪は、ある人に電話をかけていた。
電話帳には「松本佳奈」と書かれている。
現在、徳之島のRyokanに女将だか仲居頭の候補に選ばれたらしく
それの修行をしている学生時代のRoommateである。
その松本佳奈の名前を選び携帯がダイヤルするのを待っている。
数秒後、呼び出しに出た電話の主。
「もしもし、佳奈ちゃん。久しぶりね。トカラ列島ってご存じかな。
藤澤典枝とかいう作家サンが現在取材で訪れているみたいだけれども・・・。」
と淡雪は話した。
「淡雪か。今岡崎の會社の近くか?」
佳奈は疑うように答えた。
「ううん。今出張で鹿児島の市内に来ているの。」
と言う。
「私もそのNEWSは昼食時間にみたけれども、確か中之島とか言っていたな。
その中之島は、つい最近まで仲居頭をしていた、時江さんとかいう女性が引退して
親戚とそこに住んでいる。最近来た電話では馬がいると聞いたことがある。」
電話先の、佳奈の聲は面倒くさそうに聞こえた。
「あわてているところを見ていると、早く電話を切り上げたいと思っている。」
淡雪は苦笑していた。
「そんなことはない。そこで保護・飼育している馬が藤澤氏とか言う人が取材するぐらいだから
珍しいのがびっくりでね。」
とあわててその面倒くさいことを覆い隠しているようであった。
つづく

馬を見ようよ_1

2010-09-26 19:17:17 | 信・どんど晴れ
鹿児島市内にある大型書店、此處に出張中で鹿児島に来ていた
横手淡雪は一冊の本を見ていた。
「日本の在来馬を歩く。」
著者は、フリージャーナリストの藤澤典枝女史である。
もともと、商社勤めであったが、北海道である馬に出会って、
その馬主になってから、Freeになって、第2の故郷北海道や
海外ではmongolを行ったり来たりしている風変わりな人間と
業界で走られている。
淡雪はページを開きながら、
「やはり道産子に関する記述は充実しているわね。他に
東北の馬もいる・・。」
Pageをパラパラと開いたとき、書店内に据え付けられている
大型モニターに鹿児島県内のLocalNEWSが映し出された。
「馬に関する著作を多数抱えるフリージャーナリストの
藤澤典枝さんが鹿児島県内のトカラ列島を訪れて
トカラ馬を取材に来ました。藤澤さんは島民の問いに
にこやかに答えて・・・。」
そう言ったアナウンスのあと、藤澤氏の動向が映し出されていた。
「まじ・・・。何という偶然なのかしら・・・。」
淡雪はある人に電話をかけた・・・
つづく