ブルーシャムロック

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相模川の川辺で

2017-01-31 11:06:22 | 逆襲の藤隆
朝岡蓮次は恋人の平賀知世とともに相模川の川辺に向かっていた。
車は蓮次の愛車で行くはずだったが、知世が自分の車がいいというので蓮次は知世の愛車に乗り込み
彼女と交代する形で神奈川縣の県央の相模川の川辺に向かっていた。
場所はそこにあるバーベキュー場である。
「しかし、ちゅごいクルマね。」
知世はハンドルを握りながら前を進む最新鋭のrvを皮肉っぽくみた。
いつも付き合っている幼馴染カップルのバーミリオンやマゼンタでもなく、
瀬戸内に住んでいて關東にひょろりと現れる水着大好き少年少女の日下部浩一郎や萌美でもない。
知世が恋愛感情を持っていた木之本さんという女性の現在の恋人の共通の友人の幼馴染カップルである。
この前の奥山梨温泉郷に赴いた時、帰り際東京方面のパーキングエリアで
「バーベキューに行こう。」
ということを無理やり約束してしまった。
彼らとは知世の地元である横浜の汽車道あたりでもよく出会っている。
 そして、バーベキュー場。
もうもうと煙が立ち込めている。
彼らと社交的に言葉を交わすものの、なにか腑に落ちないものを知世と蓮次は考えていた。
「知世さんって面白い方ですね。木之本さんを恋愛感情を抱いていたんでしょ。でも蓮次さんは
偽装なんですか。」
と方我れの女性が言う。
知世は一瞬考えて。
「そうですね。戦国時代から江戸時代ぐらいの権力者が女性の正室以外にも同性愛の若い男性を
囲っていたと聞きますから、男性も女性も両方愛せるのですよ。」
と答えた。
女性は
「擬装では無いのですね。」
と答えた。
相方の男性は女性を睨んだ。
「でも、私も考えていてね。それほど好きでもない人間を監視するためにバーベキュー場に誘うのは
やめたほうがいいかなと。」
と肉をひっくり返しながら答えた。
「そうだろうね。親しくもない人とバーベキューというのは緊張感が伴う。」
蓮次も答えた。
二人もそれに同感だった。
バーベキューはものの一時間で終わった。
知世も蓮次も怒りながら車に乗り込んだ。
ハンドルを握り、車が狩場付近に近づいた時だろうか。
二人の持っている携帯端末にメールが来た。
知世の端末には浩一郎と萌美。
蓮次の端末にはバーミリオンだった。
一旦落ち着いた時、ハンドルを握っていた蓮次が
「今さっきの人たちじゃなくて僕達にはバーミリオンも、浩一郎くんも萌美ちゃんもいるよね。」
とお互いの信の友達を確認し合った。
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奥山梨温泉 go!!

2017-01-01 08:04:46 | 逆襲の藤隆
「私が愛したのは、木之本さんだった。一時期彼女に熱を上げていた。しかし、バーミリオンと
付き合い始めたけれども、彼の間からも消えた。今はバーミリオンはマゼンタさんのもの。」
僕の恋人平賀知世は今夜泊まる宿に近づくにあたって左ハンドル仕様の隣の助手席で
つぶやいた。
「何が言いたいの。」
僕は訝しんだ。彼女は一部では瀬戸内に住む日下部浩一郎君という少年が好きだと思われている。
「基本的に、ここ最近は女性は恋愛対象にできない。」
彼女は脳裏に浮かんだことを述べた。
「ああ。そうか。」
彼女がバイセクシャルであることは僕は 13 歳の頃から 100 も承知である。
「女性を恋愛対象に出来るのに僕をこうやって恋人として 20 歳になるまで付き合ってくれている
君はすごい。」
僕も心にあったことを話した。
「あんたほど、私にしつこくいいよって真面目に向き合った人間もいない。そしてそれが
あなたの心の糧になっているのもわかるよ。」
知世もそういう。
「そうかぁ・・。」
僕は黙りこくる。
「私も 13 歳から 20 歳の今まで現実的に生きようと思ったのよ。木之本さんが私の元を
去ってからね。」
彼女はフロントガラスから見える山を見ている。
「ああ。深い山だね。今日泊まる宿は山菜が売り物で、神奈川県に住んでいた人が脱サラで
始めた店なんだよ。」
僕もハンドルを握りながら答え、ギアを変える。
「そうなんだ。やはり tv とかで得た知識 ? 」
知世の質問だ。
「そうだねぇ。でも、どうしてバーミリオンやマゼンタさんにこの車を運転させないんだ ? 」
彼女の問に質問をそらすように僕は常日頃、知世に感じていることを質問した。
「バカねぇ。私の宝物をバーミリオンやマゼンタさんに壊されるのは怖い。貴方が一番信頼しているから。」
知世はそんなことを言った。いつも僕にはそっけないのになぁ。
おっ、宿が見えてきた。
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