ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

宍道湖と中海に捧げるバラード_Prologue

2010-09-30 20:57:29 | 信・どんど晴れ
「うんうん・・。そうなのか・・・。それはよかったな・・・。」
電話に出ている人間は初老の男性である。
携帯に夢中になっている男性を座卓で座りながら御茶をすすっている同じくらいの
女性である。
「風森先生、一体誰と話しでいるんですか?!」
女性は、苛苛しているようである。
「だから、私が話しているのは、小学校時代の教え子だよ。竹崎先生」
苦笑しながら、女性の顔を見ていた。
「せっかく隠岐から松江まで出てきたのに、教え子と電話ですか。」
怒った口調だが、懇願した口調である。どうも風森には、この竹崎という
女性の言葉には参るようである。
「まあ、せっかく隠岐から松江まで出てきたんだから、緩慢話すとしようかな。
それと相変わらず、怒っているようだけれども、旦那さんも・・・。」
風森は、言葉を開こうとしたが・・・。
「もう其れは言わないでください。それが私の癖です。そのせいで
隠岐の小学校の児童からはイカルだなんて、どこかの漫画家みたいに言われているんですよ。」
竹崎は自分を真剣に見ろと言わんばかりに、風森をみた。
つづく
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馬を見ようよ_5

2010-09-26 19:19:22 | 信・どんど晴れ
「もしたしたら、この海外の利権団体は、藤澤氏の父親からむしり取ろうと
したのではないのかしら?」
淡雪はテレビの内容を少しだけ理解をした。
自殺だったのだろうか。暗殺されたにしては、それに對するにおいが
少ない。陰謀史観の人間であるならば、秘密裏になんとかとか考えるかもしれない。
だから、mongolに足繁く通うのにも、根拠がある。
レアアースに対しては私には関係がないし・・・。
そんなことをイイながらHotelの通路を歩く淡雪。
また、テレビでは藤澤氏の話題を伝えていた。
「今回はトカラに足を運んだ跡、サイン会を来月の3日に鹿児島市内で開く予定です。
藤澤氏にとって、馬のルーツをmongolと日本を結びつける文章を作成するために
昨年訪れた与那国島紀行と併せた南方馬紀行の集大成にするようです。」
モニターをちらりと見た淡雪は、
「彼女は、おかしな物に左右されずに馬の話題を書いていけばいい。
でも、サイン会が近日じゃないのが悔しいな・・・。」
といって、飛行機の時間を氣にし始めた。
おわり


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馬を見ようよ_4

2010-09-26 19:18:50 | 信・どんど晴れ
「ねぇ。久留実、mongolと言ったら馬とかチンギス・ハーン以外に思い当たることがない?
現在トカラ列島で取材を行っている藤澤典枝氏のお父さんとか言う人がmongolで
死んだとかいう記事を見かけたから・・。」
横手淡雪は高槻久留美に電話をかけていた。
「その記事は、通勤途中の電車で見たよ。
うーん。mongolか・・・。馬とかチンギス・ハーン以外か・・・。」
久留実は淡雪の問いに一瞬考えた。
「何か思い当たる。」
淡雪はせっかちに答えを求めた。
「mongolといえば、現在では石炭・レアメタル・レアアース、といった鉱物資源が
埋蔵していると学生時代の講義で聴いたことがある。」
経済学部出身の久留実の答えである。
「鉱物資源・・・。なにやら利権が絡みそうなものね・・。」
淡雪は真剣な口調で電話先の女性に回答した。
藤澤氏はフリージャーナリストになる前は商社勤務だったと伝え聞く。
その実父もそうだったらしい・・・。
夜の番組で藤澤氏の実父の話題が取り上げられていた。
眠い目で見たとき、どこか海外の利権団体の名前をコメンテーターは連発をしていた。
つづく
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馬を見ようよ_3

2010-09-26 19:18:22 | 信・どんど晴れ
淡雪は出張先の図書館、あるいはインターネットカフェなどで
日本の在来馬の資料を漁り始めた。
現在いる、鹿児島市内からは、都井馬という馬が存在しているらしい。
何れも、サラブレッドよりも背の低い馬である。
しかし、足は頑健で物を運ぶのに適しているようだ。
在来馬、そして藤澤氏の資料を調べている際に発見した資料には、
良くmongolに足を運んでいることが言及されている資料が多数。
馬のことに詳しくない淡雪でもヒットメーカーである彼女が
mongolや遊牧民の言葉を良く引用する事を思い浮かべた。
なぜ、mongolなんだろうか。
歴史に興味を持ったから?
Roommateの一人、高槻久留美はいわゆる歴女で、チンギス・ハーンに関する
資料も書かさず読んでいたけれども、藤澤氏は?と言わざるを得ない。
なんとも派手そうだし・・。
定宿にしている、鹿児島市内のビジネスホテルに戻る淡雪。
そのとき、Lobbyのマガジンラックに思わせぶりの記事が掲載されている
書籍を発見した。
「フリージャーナリスト、藤澤典枝氏の実父mongolに死す?」
そのように、見出は伝えていた。
つづく
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馬を見ようよ_2

2010-09-26 19:17:49 | 信・どんど晴れ
時間をおいて淡雪は、ある人に電話をかけていた。
電話帳には「松本佳奈」と書かれている。
現在、徳之島のRyokanに女将だか仲居頭の候補に選ばれたらしく
それの修行をしている学生時代のRoommateである。
その松本佳奈の名前を選び携帯がダイヤルするのを待っている。
数秒後、呼び出しに出た電話の主。
「もしもし、佳奈ちゃん。久しぶりね。トカラ列島ってご存じかな。
藤澤典枝とかいう作家サンが現在取材で訪れているみたいだけれども・・・。」
と淡雪は話した。
「淡雪か。今岡崎の會社の近くか?」
佳奈は疑うように答えた。
「ううん。今出張で鹿児島の市内に来ているの。」
と言う。
「私もそのNEWSは昼食時間にみたけれども、確か中之島とか言っていたな。
その中之島は、つい最近まで仲居頭をしていた、時江さんとかいう女性が引退して
親戚とそこに住んでいる。最近来た電話では馬がいると聞いたことがある。」
電話先の、佳奈の聲は面倒くさそうに聞こえた。
「あわてているところを見ていると、早く電話を切り上げたいと思っている。」
淡雪は苦笑していた。
「そんなことはない。そこで保護・飼育している馬が藤澤氏とか言う人が取材するぐらいだから
珍しいのがびっくりでね。」
とあわててその面倒くさいことを覆い隠しているようであった。
つづく
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馬を見ようよ_1

2010-09-26 19:17:17 | 信・どんど晴れ
鹿児島市内にある大型書店、此處に出張中で鹿児島に来ていた
横手淡雪は一冊の本を見ていた。
「日本の在来馬を歩く。」
著者は、フリージャーナリストの藤澤典枝女史である。
もともと、商社勤めであったが、北海道である馬に出会って、
その馬主になってから、Freeになって、第2の故郷北海道や
海外ではmongolを行ったり来たりしている風変わりな人間と
業界で走られている。
淡雪はページを開きながら、
「やはり道産子に関する記述は充実しているわね。他に
東北の馬もいる・・。」
Pageをパラパラと開いたとき、書店内に据え付けられている
大型モニターに鹿児島県内のLocalNEWSが映し出された。
「馬に関する著作を多数抱えるフリージャーナリストの
藤澤典枝さんが鹿児島県内のトカラ列島を訪れて
トカラ馬を取材に来ました。藤澤さんは島民の問いに
にこやかに答えて・・・。」
そう言ったアナウンスのあと、藤澤氏の動向が映し出されていた。
「まじ・・・。何という偶然なのかしら・・・。」
淡雪はある人に電話をかけた・・・
つづく
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晋・雲伯風土記_5

2010-09-14 12:25:28 | 信・どんど晴れ
「完成しました。」
そのような文面を關東の村田さんにmailで原稿添付にて送信。
利一郎は、新作を考え始めた。
「この前の作品はタッチの牧場風って感じだったから、今度のは
大人気美少女ゲーム風にしようかな・・・。」
彼の頭に構想がよぎる。
そのとき・・・。
「生まれる・・・。」
妻が苦しそうな顏をした。
「一寸まて、俺が救急車を呼んでくる・・。」
119番をダイヤルしている、彼の頭はパニック半分急いでいる。
程なくして、松江市消防署と書かれた車が入ってきた。
利一郎は、浪江に
「安心しろ、俺がついている。俺がもっと確乎りしなければいけなかったのに・・・。」
と何度も繰り返すように言う。
「そんなことを言うんじゃありません。いつもなやんで難しく考えるのは
あなたの悪いところです・・・。」
救急車のBedの上で妻は弱い声でつぶやいた。
程なくして妻は分娩室に運ばれた・・・。
看護師は
「生まれました。男の子です。」
という。
利一郎は、
「俺も親父か・・・。」
と照れながら息子と妻を見た。
父親になった彼は、小説を執筆し続けるのだろう。
おわり
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晋・雲伯風土記_4

2010-09-14 12:24:50 | 信・どんど晴れ
仕事が終わり、利一郎は電話をしていた。島根大学卒業後
現在東京の商社に勤務している後輩である。
「そうか・・・。お前も大変なんだな。海外勤務を予定しているのに
国内に回されたのか。ふーん。俺の所の子供か。まあそろそろかな・・・。
女房には、結構長い時間不自由させたからな。俺がラノベを執筆して
現在は印税で安定しているからな・・。でも將來は・・。
まあ違った作風も考えてみるよ・・・。お前の處は子供はまだだったよな。
まえにも話したけれども、同僚は来年は子供が小学生か・・・。」
携帯のスイッチを切った利一郎は、にやにやした。
Calendarを見つつ、
「村田さんの仕事はぼちぼち締めきりか・・。」
とつぶやいた。
これからも、ラブコメを書くのだろうか・・。自分自身不器用だからそれにこだわっていく
かもしれない・・・。
利一郎は腕を組んだ。
つづく
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晋・雲伯風土記_3

2010-09-14 12:23:59 | 信・どんど晴れ
「今歸った。」
妻の浪江にひとこという。
「今日は早かったですね。いつも回想すると2時間ぐらい粘るのに。」
史伽は苦笑した。
「ああ。新作のアイディアが浮かんだ。」
そう言って、自分のpcの置かれている仕事場に赴いた。
彼の仕事場には、
小説を書くpc,他に小説の参考文献の書籍が所狭しと並んでいる。
他に図書館で借りてきた、インカ帝国と、リャマ、ラクダ、エジプト、
イラクと書かれた書籍が置かれていた。
「今度の、アイディアは・・・牧場が舞台だ。」
彼が執筆している小説ジャンルはラブコメだ。
「此處の牧場はリャマとラクダを飼っている風変わりな牧場なんだ・・。
そこで牧場の若き飼育員が恋を繰り返すんだ。」
かちゃかちゃとキーボードを叩きつつぼさぼさした髪を書く、利一郎。
独白が一階にまで届いてくる。
「始まったか・・私が出来ることは、お父ちゃんに栄養のある物を
食べさせることかな・・・。」
妊娠したお腹を摩りながら,浪江は笑っていた。
つづく
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晋・雲伯風土記_2

2010-09-14 12:22:59 | 信・どんど晴れ
「ライトノベルでデビューといっても、聊か俺自身の体験も盛り込んでいるな。」
利一郎は、お店で出された御茶を口に含みノドを潤わせた。
食べ終わった、蕎麥の皿を少し睨みながら、これまでの自分の失敗を考えた。
「何時だったかな・・・。」
これを見ていた双子は、噂しあった。
「でたーっ。利一郎さんの回想Modeだ。」
なんともうざいらしい・・・。
「まあ、あの人の顏からすると、おそらく大人向きの小説で身を立てたかったんだろうよ。」
そば屋の店主は、申し訳なさそうな顏を双子に向けた。
彼女たちはそーだねとお互い顔を見合わせた。
彼にとって少しは、他の人間にとって長時間だ。
利一郎の頭には、数年前Internetの詩のSiteの事を考えていた。
彼は全く無名でいろいろな文章を方方の場所に書いていた。
今挙げた詩以外も戯曲やエッセイ、評論などを書いて、數打てばあたる。
そう言う考えが充満していた。
その中で水田さんという名前の人が運営していた詩のSiteにはいろいろな才能が
結集していた。
そのなかで彼が気に入った詩人は、桐立という名前の医学生だった。
彼の鮮烈な詩は、筆者のつたない文章では書けないぐらいだ。
全く持って、彼の連絡先に色々Attackして仲良くなって意見の交換も
するほどの仲だった。
過日、利一郎の過失で桐立の仲は破局した。
大阪でのオフ会に行ったとき、彼に水をぶっかけられる程だった。
「貴殿の行動には辟易をする。貴殿には忠告しておくが、人のわからないものを
詩に盛り込むのはいけないことだ。」
憤然と店を立つ彼のことを、彼は鮮烈に覺えている。
今も水田さんのSiteには赴く物の、破局した前後から彼は顏を現さなくなった・・。
他に、瀧本あかりさんと言うトランペット奏者のことだ。
彼女のトランペットを利用したジャズ風の音楽を気に入って
足繁く通っていた。
当時、気に入ったクラブジャズ風の音源が気に入って、
いろいろなmp3を贈った。
その中にインディーズか同人のmp3が雑じっていて、
「他サイトの音源を贈るのはやめてください。」
と憤慨されたことがある。
自分は、彼女のSiteから自主的に身を引いた。
彼女のブログにくる人々は、マイルス・デイヴィスやコルトレーンなどの
難しいジャズの話題ばかりする人ばかりで、
自分には波長が合わなかったからだ。
他の音楽に関するSite・・・。同じようにロック・ポップス系のサイトのように
リラックスしてSiteに通えないと思ったからかもしれない・・・。
あれやこれや、利一郎の中で過る・・・。
回想が終わり、急いでレジに行く。
つづく
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