ブルーシャムロック

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だんだんという意味_5

2010-01-31 04:52:01 | 信・どんど晴れ
「すまんな・・。」
佳奈ちゃんは気不味くなった空気を察したのか、申し訳がない顏になった。
「そう言うところもあるようんうん。」
私はみんなの顏を察しつつ、なだめに回った。
「小学校の社会の時間かな、私沖繩のことを調べていたんだ・・。
熱帯魚の写真か映像をみていて、面白いなと思ったけど。」
と、日本海側出身のブラボーは少し笑って見せた。
「そうか。私の家の近所には、潜れば見たような魚がいる。」
佳奈ちゃんは、また訂正した。
「へぇ。まあ食べりゅのと早うとが違うような・・・。」
チャーリーはおどけて見せた。
「だろうだろう。変に無い物ねだりをしてしまっても。」
佳奈は窓の外を見た。
「窓の外?加計呂麻島でも思い出したの?」
私は、佳奈ちゃんをじろじろ見た。
「馬鹿を言えっ。」
彼女は必至に訂正して見せた物の、本心はって處だろう。
酒盛りは続いたのか、一番電車の時間になっていた。彼女は
立川駅の方に向かっていった。
「高尾方面ってxx時でいいんだよな。」
あから顔の佳奈ちゃんが全然よっていない私を見た。
まあ下戸だし。
「そうだよ。」
佳奈ちゃんは、私の方を見ながら
「お前さんのRoommateが言っていたけれども、なんだか佳奈ちゃんが來ると
女になるってさ。」
と苦笑して見せた。
「そう。」
私は恍惚けて見せた。
「悔しいけれどもさあ私女なんだ。同性愛みたいな事になったら大騒ぎだ。」
佳奈ちゃんの言葉は、ただ率直に言ってみたけれども、現実を当てて見せた。
「あ、そうだね。でも一瞬佳奈ちゃんが男に見えるときがある。」
私はそう言った。
「そぉかあ、まあお前さんに愛された男は幸運かもな。」
と、言って高尾方面のホームに佳奈ちゃんは急いでいった。
おわり







だんだんという意味_肆

2010-01-30 05:04:31 | 信・どんど晴れ
 「さてと・・。」
チャーリーが愛媛の実家から贈ってもらったさかなの干物を
焼き始めた。
「へぇ・・。」
佳奈は、珍しそうに魚を見始めた。
「こういう魚もあるんだ・・。」
「松本さんの郷里だって四方海に囲まれてゐるんだろ。干物ぐらい有るんじゃないの?」
チャーリーは、それとなく佳奈ちゃんに聞いた。
「そうだなぁ・・・。でも・・・。本土の人たちに食べさせる魚じゃないんだ。」
いつもの聲のToneが下がった。
「熱帯魚みたいなやつ。」
ブラボーが苦笑した。
「あれか・・・。」
佳奈は一回考えて、
「自分たち島の人間だけが食べるだけ取って、おみやげ物売場にはださない。
その代わりと言っちゃ何だが、ダイビングSpotは腐るほどある。」
道化師めいた表情をした。彼女自身郷里には何にも未練がないようで、
あっさりと答えていた。
「この前、私らの家に来た、淡雪の知り合いの沖繩の小禄と名乗った女性は
私らがいつも食べていた魚を唐揚げにするとか言っていた。」
干物をうまそうに佳奈は食べていた。
「魚を唐揚げだなんて、なんとも勿体なく贅沢な感じだね。」
ブラボーは想像が付かなかったようである。
「不思議な物だねぇ。」
佳奈ちゃんは魚を持つ手をふとやめた。
つづく






だんだんという意味_3

2010-01-29 07:28:28 | 信・どんど晴れ
「佳奈ちゃんエイサーをやったこともなくて、見たこともないなんて・・。」
ブラボーとチャーリーはビックリしていた。
「ああ。例の沖繩の芸能は關東に来てから見た。急に誘われて・・・。」
佳奈は答えた。
「あんたの顏を見ていると、沖繩の人みたいだから・・。」
ブラボーは答えた。
「だよねぇ。私もそう思っていた。」
チャーリーの言葉はブラボーを修飾していた。
「エイサーは無い。でも指笛とかあったり、太鼓の使い方が
加計呂麻島や対岸の大島にある八月踊りみたいでね。
何ともすんなり、入り込めたんだ。」
今まで暗かった佳奈の顏が明るくなった。
「島嫌いな人が八月踊りの話題になると明るくなるなんて。」
私は意地悪く笑った。
「うっ、ああ・・。」
佳奈はばつが悪くなった。彼女が私に良く見せる表情だ。
彼女は私の幼なじみである横手淡雪や石川県出身の女性と
神奈川縣で同居している。でも波長が合わない。
しかし、上京してひょんなことで出会った私とは波長が合うようで
こうやって立川と神奈川縣を言ったり来たりしている。
「追浜さんって、本当に佳奈ちゃんの事が好きなんだね。」
チャーリーがくすくす笑っていた。
少し言いすぎだよ。チャーリー。
つづく







だんだんという意味_2

2010-01-28 16:52:33 | 信・どんど晴れ
「なるほどなぁ・・。チャーリーはくにで伊予柑とか育てているのか・・・。」
神奈川縣から、加計呂麻島出身の友人である松本佳奈が訪ねてきて
自宅で酒宴を囲んでいる。
私は下戸で全く酒が飲めない。
「いろいろ農機具とか、機械とか大変だよ・・。佳奈ちゃんはサトウキビ農家か。」
チャーリーは焼酎をたたえた湯飲みを傾けつつ、佳奈に質問していた。
「ああ。今飲んでいる焼酎にするような加工するやつと、精糖用をな・・・。」
佳奈という女性は、故郷に対する思いはなにやら屈折しているせいか
感情が複雑になる。私のように秋田も好きだけれども広い世界を見たいという
まっすぐに郷里に対する思いがある人間とは違うのだ。
「ところでさぁ。松本さん、あんたぁ島を捨てなきゃいけないという変な使命感に
とらわれている感じがするんだよ。もう少し郷里に対して経緯ってもんがないのかね。」
ほろ酔い気分になった、ブラボーが答える。
「ブラボーさん、あんた出雲の松江だったよね、親御さんが確かタクシー会社を経営か・
・。
また、痛いところをつかれると深刻ぶる佳奈ちゃんの癖が出た。
「そうだけれども。」
ブラボーは回答した。
「そうだなぁ・・・。私の島は何にもない。」
佳奈とて酒は飲んでいるが全くよってもゐない顏で答えた。
「まあまあ、なんでもイイじゃないの。」
チャーリーが制止した。
「でもさあ。」
ブラボーがむっとした顏で答えた。
「済まなかった。私は關東の大学に通っているのは、關東の會社にGet Jobするため
そして、關東で一生を終えたいと思っている。」
佳奈は重厚な口調である。
「でも佳奈ちゃんは、島が呼んでいる感じがする。この前神奈川縣に
遊びに行ったとき、エイサーを見ていたけれども、初心者にしては
ノリノリだったよ。初めてじゃなかった。」
私は、佳奈ちゃんに意見を放った。
つづく







だんだんという意味_1

2010-01-27 17:15:52 | 信・どんど晴れ

「だんだん・・・。」
私の同居人であるブラボーという名前の女性が声を上げた。
「ふふっ。思ったけれども面白いね。」
同じく同居人のチャーリーの言葉である。
女性なのにブラボーとチャーリーという名前は
伏せ字である。
彼女たちが実名を出さないならば、自分たちの話をしてもいいと
いったので、適当に伏せ字で私は記録を取っている。
申し遅れたが、私は追浜彰という秋田市出身の女性である。
現在上京して立川で今上げた女性たちと共同生活をしている。
ブラボーが、出雲の出身、チャーリーが愛媛の小島の出身である。
出雲といえば、日本海側に存在し、周囲に因州、伯州を抱える土地、
愛媛は、瀬戸内地方にあり、本州側の廣島や岡山、同じく四國側にある
香川などとともに、一地方を形成している。
なのに、だんだんという言葉が有るなんて不思議である。
「ところで、だんだんってどういう意味だっけ。」
私は彼女たちと知り合ったときに2人に質問したことがある。
「あのね、ありがとうという意味なんだよ。秋田ではどういう風に言うの。」
彼女達2人は聞いてきた・・・。
「ええと・・。」
まったく言葉が出てこない。
「ああ、そうか・・。方言も時代とともに使わないときもあるよね。」
と微笑まれた。こういうところの配慮が関東生まれ關東育ちじゃない
人の配慮であると私は感じている。
「こうやって、全く違う地方の人間が大学で出会うのが面白いよね。」
と2人は一升瓶を抱えて酒を飲んだ。
「なにこれ?日本酒?」
私は二人に聞いてみた。
「いや、焼酎だ・・・。」
とLabelを見せる。銘柄は出雲でも愛媛でも、彼女たちの隣県の
地域でもない。鹿児島か宮崎のメーカーらしい。
「今度、神奈川縣の友人が訪ねてくるみたいで、焼酎の一升瓶を
差し入れてくるらしい。」
「焼酎と言うことは、どこか其れの産地の人かね。」
聊かなまった口調で、ブラボーが興味を持った。
「琉球群島の加計呂麻島とか言っていた。」
私は素っ気なく答えた。
「加計呂麻島といえば黒糖焼酎だなぁ。こいつは楽しみだ。」
チャーリーが答えた。
私は、その加計呂麻島出身の女性に電話をかけ始めた。
つづく。





1月のGriffin_7

2010-01-19 07:06:27 | 逆襲の藤隆
「貴殿の脚本はマニアックすぎる。」
そんなことを大親友が沢山いる人間に言われたことがある。
彼の腰巾着だったっけな。
まあ、お笑いだけの人間だから、そう言うのだろうな。
なぜ、単純化されたものじゃなければ物語じゃないんだろうか。
私は疑問を感じる。
今し方、図書館から借りてきた本である
「検事のゴミ」
を読みながら、考えていた。
人気のラノベSeriesで、品性最低の検事が空回り捜査をした跡、
事件を解決してしまうという空回り探偵ものである。
もしかしたら、これにヒントがあるかなと思っても居たが。
ないなあ・・・。
「馬鹿でもわかりやすく、あるいはベタ且つ解りやすいものか・・。」
画面を眺めながら、考えて、またキーボードを叩く。
昨日の練習場の下品な笑いを考えて、またキーボードを叩く。
「貴殿の酷い文章は、読む価値がない。プリントアウトして
読み返したらどうだ・・。」
どこぞの日本文学至上主義思想の徒の考えも過った。
誰に笑ってほしいのか泣いて欲しいのか?
そんなことは全く解らない。
でも、がむしゃらにキーボードを叩くだけなんだよ。
日本至上主義者さん、私は自分の爲に、思ったことを執筆しているだけ。
もし、助けてくれるならば誰が助けてくれるのだろうか?
夜が明けた。
體が元気なようだ・・・。
これを出版社に持って行こうか・・。
もし、自分を助けてくれたのは8月のライオンじゃなくて、
1月のGriffinかな。
Griffinって架空の生き物だっけ。
昔極楽蜻蛉という生き物がいたことを思い出した・・・。
これを食べると、願いが叶うみたいだけれども、
助けてくれるかな。箱詰めの電車の中で私は考えていた。
出版社のある驛にはき出されるように私は降りた。
これで、コンプレックスに悩まされることもない。
おわり



1 月のGriffin_6

2010-01-18 16:36:13 | 逆襲の藤隆
Monologue。
私の小説や脚本はそればかりだと言われたことがある。
そんな事ばかりが、まかり通るならば
私は悩んでしまう。
他の人は、自分の行動に辟易すると言ったことがある。
キーボードを叩きながら、悩んでいる。
彼の声が聞こえるのだ。
私は彼との共同制作があった時代は、ゴッホとゴーギャンみたいな
ものだと考えたことがあった。
そして、自分が原因で破談。
今回の作品題名を何にしようかな。
今ケーブルテレビで放映されている臺灣ドラマ
「8 月にライオンがゐるならば、1 月にはGriffin がゐる。」
そんなことを言っていた。
なんだかパくっちゃおうかな
駄目だ駄目だ。
モノローグを超えた地平を開拓するのだ。
つづく



1 月のGriffin_5

2010-01-17 19:01:47 | 逆襲の藤隆
文章を執筆しているとき、眠くなるのでtv をつけていた。
ちょうど、日本と中華圏の合作の映画かドラマが放映されていた。
日本人の男性と、hong kong の女性が登場していた。
昔放映されていたファイティングガールみたいな内容なのかと
思いながらみていた。
劇中の日本人男性は香港人女性にこう語っていた。
「伝統的に、日本ではuk/us の音楽が人気があって、
近年であれば
あなたが聞いているメジャーなj-pop 以外にも、
インディーズや同人の音源が充実しているのでhong kong の音源ははやらないし
聞かないのです。」
なんだか冷や汗でしどろもどろになっているな・・。
そんな感情を私は感じた。劇中のhong kong 人女性もきょとんとした顏で
日本人男性を見ていたし。
どこかの話しで聞いたけれども、taiwan の人々と比べて香港は独自の文化がある上
我の強い物を感じるとAsia に関心のない自分でも考える。
臺灣もあることはあるけれども、台湾の人々が日本の物と比べて冷ややかな態度を
取っているような気がするのだ。
以前、自分の劇団の台湾人研究生が取った行動から考えてしまった。
つづく


1月のGriffin_4

2010-01-06 20:49:53 | 逆襲の藤隆
キーボードを叩きながら
考えていた。
昔仲が良かった男のことだ。
彼は文学など読まず、そう言った時間があれば
歴史の本を読むと言っていた。
歴史の本か・・。
曾ては読んでいた・・・。
でも、それ以外の本もあるんじゃないのか?
なおかつ歴史だけじゃない・・・。
キーボードは進む。
つづく

1月のGriffin_3

2010-01-05 07:28:37 | 逆襲の藤隆
私はワープロを叩ながら考えた。
先日、私を馬鹿にした沼田という男であるが、
彼は繰り返し、言っていた。
「私が小説で目指しているのはEntertainmentだ。
貴様のようなアートではない。」
私の小説はアートなのだろうか。
私の小説は笑ったり泣いたりさせる部分が少ないらしいのだ。
しかし、自分はただキーボードを叩くだけなんだ。