ブルーシャムロック

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出来杉英才暗殺計画_肆

2010-02-28 05:18:58 | 逆襲の藤隆
「出来杉英才か・・・。彼は何をやっているか解らない恐ろしい男に見える。」
久米さんはそう言った。
「解らない男ですか・・・。何故です。」
私は聞き返す。
「そうですねぇ。彼は万能の天才みたいな男らしいのだけれども、全てすごくて
何をやっている解らないように思えるのですよ。彼が暗殺されたとき
何にもやっていないのになんで死んだのか解らないって顏をしていたと
当時捜査した警察官が述べていたのを思い出しましたよ。」
久米さんが自説を言う・・。
「でも、彼ほどの男ですから暗殺されるには何らかの意味があってもと
考えている人がと思って理髪店の店主にいろいろ聞いたんですよ。」
私はまくし立てる。
「まあ、多くの人はそう答えるかもしれません。でも私は暗殺の実行犯はです・・・。」
読み終えたワープロ書きの原稿を、机においた。
「ところで、出版するんですよね。」
私は念押しをする。
「するさ・・・。あんた佐賀市内出身で、現在福岡市在住・・・。關東の出版社にも
九州の出版社にも断られた顏だと私はみたが・・。」
久米さんはふふっとした顏をした。
「そうなんですよ。内容が内容なんで九州の方で断られて、關東では如何かと・・・。」
私は困った顏をしながら、久米さんに言った。
「關東じゃ、出版界を藤沼騏一郎に牛耳られているからなあ・・・。
彼の師匠というか親玉が、神路だしなあ・・・。」
久米さんは腕を組んでいた。
「で、あなたの處です・・・。」
という私の応えに
「私は關東の厚木出身でね。もともと關東に本社のある大手出版社にいたんだけれども
危なくなって、永世中立国のここ北陸に亡命して會社をおこしたのさ。」
彼は又、原稿を見た・・。
つづく


出来杉英才暗殺計画_3

2010-02-27 05:57:40 | 逆襲の藤隆
「私が注目したのは、彼が出入りしていた理髪店の店主なんですよ。」
私は、原稿を見る久米氏にそう教えた。
「理髪店の店主か・・・。」
彼は又、私のワープロ原稿を見た。
「店主が聞いた話では、自分を暗殺しようとした人間は
敵対する研究機関のAgent、Asia 各国の国家機関とかだったらしいです。」
「出木杉さんという人も何というのかな・・。柔和で敵を作らない男だと
思っていたけれども。」
久米氏はふーんと言う顏をした。
「まあ、誰にでも優しい男だったからと店主は、私に録音機を渡されて
しゃべりました。」
私はそう続けた。
「出木杉さん、なんだか悲しそうだったというか・・・。幼い頃のようにはいかない。と
何度も続けていた訳だね。本当に強いのは何なのだろうね。」
つづく


出来杉英才暗殺計画_02

2010-02-26 10:23:34 | 逆襲の藤隆
「おう、小寺さんかぃ。まああがりな。」
私の原稿を担当してくれる男、
久米聖陽は、自分の出版社のBuildingがある前から
私を招き入れてくれた。
かつて、首都が存在した關東ではなくて金澤にOfficeを
作っているところ自体、風変わりだ。
「小寺さそ、あんたの出身地は佐賀市内か。」
と、苦笑しながら、古いBuildingの階段を軋ませながら
アガっていく。
「へぇ、未だに暗殺された出来杉英才の暗殺者以外の人が
命をねらっていたのか・・・。」
振り向きながら久米さんは私に訪ねる。
「そうなんですよ。出木杉博士が暗殺される1年前静香夫人が
暗殺されていますよね。その前から暗殺を企てていた人がいるんです。」
私はそう答えた。
「そうなんかい。まあ俺の予想だけれどもさあ、出来杉の暗殺の首謀者は
彼に幼い頃から嫉妬心や殺意を抱いていた誰かだと思うんだ。
首謀者暴きは、他の聯中にやってもらいたい。それは飽き飽きだ。」
と、面倒くさそうに言った。
「あのー、小寺さん、例のワープロ書き原稿を持ってきたんだろ。」
また、久米さんは私の方を振り向いた。
「はい。」
分厚いa4 Sizeの原稿である.
「おうおうおう。なるほどねぃ。こげなCONCEPTの出来杉暗殺を企てていた生き物がおる
んかい。」
階段を上がる前から、私の文章を読み始めていた。
「出来杉行きつけの理髪店の店主の大神ちゅう人か。」
すごいSPEEDで原稿を開いて言っている。
「そうなんですよ。数年前から東北聯邦や北海道共和國のAgentが蠕いていたんですよ。

私は彼に同意を促した。
「まあ、あの男だからな。アイツは無心、無私の人だけれども、この態度が
敵を作っていたのを解らん生物だったからねぃ。」
私は
「そう思います。彼の研究exam Systemという訳のわからないものが、東アジア各国の
用心からねらわれていたのですよ。」
「おう。昨日廣東共和國の廣州市や香港からメールが来てなぁ、俺の大洞に
乗ってきた奴がいるんだ。それが出来杉英才暗殺計画なんだよ。」
と聲のToneを上げた。
あーあ、日本語圏だけじゃなくて華人圏か・・・。
「お前、華人圏や韓半島って考えていただろう。まあ中文やハングルもだすね。」
見透かされていた・・・。
こうして私は彼のOfficeに入った。
つづく







出来杉英才暗殺計画_01

2010-02-25 05:26:32 | 逆襲の藤隆
私が、この原稿を持って北陸聯邦の首都である金沢市に向かうのはあの時が
初めてであった。
国際列車を使うか、飛行機を使うかで迷ったが、飛行機を使った。
ワープロ書きの原稿を手にして、私は原稿の確認をしていた。
数年前暗殺された男、出来杉英才についてである。
彼を暗殺した人間以外も暗殺を企てていた男がいたことを
私は瞬時にキャッチした。
この原稿を是非とも出版したかったが、日本列島・日本語圏の大都市
關東にある出版社ではけんもほろろに断れた。私の個人Office がある
北九州でも頼んでみたけれども、此處でも駄目だ。
いろいろなところを回ってみたけれども、電話やfax,Internet を使って
脈を見つけたのが北陸は金澤の出版社である。
mail で話したら、なんだかぶっきらぼうでがさつな男に感じる。
こんな男で大丈夫か?
脳裏にいやな感情が過る。
まあ、東アジア・日本語圏に私の主張が問う事が可能ならば、金澤でも今は
問題がないのだ。
飛行機は、金沢市の最寄り空港に近づこうとしている。
つづく


神奈川ラプソディー_05

2010-02-24 05:39:35 | 逆襲の藤隆
翌日である。朝ご飯の時間.
「知世さん、俺お姫様だっこされて恥ずかしかったんだぜ。」
炊飯ジャーから御飯をつぐ知世に、喧嘩をふっかけるように
友希は、声を発した。
「だから、あんたが力をつけてあゆみちゃんをお姫様だっこ
出来るようになったらいいじゃない。」
と知世は笑って答えた。
「でもー。」
いいわけする、友希にアユミは答えた。
「がんばればいいじゃない。」
と言って、友希にKissをした。
「朝からKissか。」
蓮次は苦笑していた。
「恥ずかしいよ、あゆみちゃん・・・。」
でも、強引なあゆみには友希はなすすべもない。
「だって、友希君のことが好きなんだもん。私知世さんに負けないから。」
あゆみは知世が卓袱台の前にいるのを見てそう言った。
「言ったな。」
知世は不敵な笑みである。
「私、友希君を他の人には渡さないから。」
あゆみも言い返した。
そんなことも知らずに友希は
「おかわり。」
とお茶碗をだした。
「ふふっ。無邪気なんだから。」
知世は微笑んだ。
「ボクが見ているとうらやましいな。」
蓮次ももらい笑をした。
こうして、瞬時の夏は過ぎていった。
おわり







神奈川ラプソディー_肆

2010-02-23 07:08:06 | 逆襲の藤隆
車は1時間弱走っただろうか。
横浜市内のBuildingが立て込んだ町並から
自然が多くなっていく。
山を背して、海というのがこの三浦半島の
特徴である。
一行が到着した砂浜は岩の多い磯という感じである。
「準備体操はと・・・。」
彼の顏からすれば、なんとも準備体操をせずとも飛び込んでしまう
感じもするが、これを欠かせないのは知世と蓮次には不思議だった。
「彼は水泳の選手だし、遠泳に参加したことがあるのよ。」
あゆみが2人の横から入ってきた。
「よっしゃーっ。」
友希の声が聞こえた。
助走をつけて走っていく。どぼんと大きな音が聞こえる。
「ふふっ。友希君は威勢がいいねぇ。」
知世は苦笑した。
「スイミングや遠泳の腕を此處で試したいのよ。」
あゆみもあきれていた。
「選手コースだったね。運動音痴のボクにはわからんね。」
すると・・・。
「うわーっ。」
友希の聲だ。
なんだかおぼれているようだ。
周囲には誰もいない。
それを飛び込んでいったのはなんと知世。
「友希君大丈夫。」
濱に友希を抱きかかえたのはなんとまぁお姫様だっこ。
「知世、男の子をお姫様だっこするなぞなんだか不思議だな。」
蓮次が皮肉をはいた。
知世は
「ほっといてよ。」
とのひとことだった。
つづく





神奈川ラプソディー_參

2010-02-22 05:27:20 | 逆襲の藤隆
「友希君起きたかな。」
知世は、大きなお弁当などを入れたバッグを持ちながら
蓮次の方を見た。
「彼だったら朝壹に起きたよ。うるさかったな。」
と苦笑していた。
「そうだとおもったわ。」
と、駐車スペースに存在するでかいダッジバンの方向に向かっていた。
友希はあゆみとともに
「今日はいっぱい泳ぐぞ。」
と意気込んでいた。
「準備体操は忘れずにね。」
知世が付け加える。
「一般道だっけ?」
蓮次がroad mapを知世に手渡す。
「そうそう。私らあんまお金ないしね。」
苦笑して知世は、運転席のカーナビをセットする。
三浦半島の方向にあるxx海岸である。
吉野町を通り過ぎて、今は久良岐市の方である。
助手席に座っていた、蓮次は
有ることを考えていた。
「知世さんは、俺のことをじろじろみる・・・。」
そんなことを夕べの風呂で友希から聞いた。
ボクはそんなに魅力のない男か?
彼みたいなワイルドな少年がいいのか。
「何ぼさっと考えているのよ。帰りあなたが車運転するんでしょう。
友希君は、可愛い馬鹿ガキと思っているだけ。今の時点ではあんたよ。」
と何かと難しく考える自分が解ったような顏でハンドルを握っていた。
つづく









神奈川ラプソディー_2

2010-02-21 05:02:21 | 逆襲の藤隆
「蓮次サン。」
少年は二十歳ぐらいの青年に尋ねる。
「ああ、何。」
青年は笑い乍ら答えた。
「この前の知世さんのPresentしたものを素直にもらっていいのかな。」
少年は首をかしげるばかりだった。
「いいんじゃないの?もらっておけば。」
青年は答えた。
少年は、包み紙を見て、困惑しかしていない。
青年は、鉛筆を取って、スケッチブックに少年の繪を描き始めた。
「俺の繪、もし描くんならばイケメンに描いてくれよ。」
少年は、絵を描いているスケッチブックをのぞいていた。
「いいよ。」
青年はうなずいた。
彼の魅力は何だろうか、少年は炭火のような暖かさが恋人を
もしかしたらと考える。
つづく





神奈川ラプソディー_1

2010-02-20 18:18:48 | 逆襲の藤隆
「でねぇ・・・。それで・・。」
神奈川縣のある街の夜。
二人の女性がお風呂上がりで髪を拭いていた。
一人は二十歳前後、もう一人は、10 歳前後というところであろう。
「ところで、蓮次サンの事をどう思っているの?」
十歳前後の女の子は、二十歳の女性に聞いていた。
「そうねぇ・・・。彼、中学以来の知り合いでこれまでなんとナシにつきあってきたというか。」
二十歳の女性は、少女の言葉を受け流すようであった。
「蓮次サンという男性がありながら、友希君にエッチな目をしていたぞ。」
友希というのは、少女の恋人である。
「彼か・・・。彼は小学校の頃の幼なじみに聲とか似ているから、親近感があるというか。」
女性は、隠し事があるとふふっとした口になることを少女は知っている。
「そうかなー、違うと思う。」
少女は女性に懇願しているようであった。
「今度の海のこと?あの子にPresent したものにたいして、気にしているんだ。」
女性は、少女に切りだした。
「明日のことがあるから、私寝る。」
そんなことを言ってパジャマ姿の少女は寝室に向かっていった。
つづく

バレンタインデー何を。

2010-02-05 16:30:27 | 逆襲の藤隆
「ふーん、私がお勧めしていた本、出木杉英才暗殺計画いらないのね。」
平賀知世は、寂しそうに電話を切った。
「いらないのか。出木杉英才暗殺計画日本列島全域で人気があるのにね。」
十歳前後の少女であるあゆみが平賀嬢をみた。
「ああ、図書館で借りるんだって。何ヶ月待ちになるかもしれないのにね。」
知世は苦笑していた。
知世とあゆみは、元町にバレンタインデーのPresentを探しに来ていた。
Chocolateだと藝がないので、他のPresentを探して渡す人の
それを探しているのだ。
「蓮次さんに何を渡すか決まった?」
あゆみが知世に尋ねた。
「そうねぇ。意表をついてこのBrand物の財布。高かったけれども
長く使うんだったら、これだと思うんだよね。皮革が上等だから。」
と瀬戸黒柄の包装紙をあゆみに見せた。
「私はええと・・・。」
渡そうと思っている友輝は子供っぽいからな・・・。
あゆみは考えている。
「彼ねぇ・・・。彼、未来世紀tomoedaとか西方projectとか
好きな人かな。」
知世があゆみに意見を言った。
「そういう大人っぽいアニメとかラノベとか好きじゃないから・・。」
とあゆみは素っ気なく返した。
「あ、今から行こうとするケーキ屋の隣に和風のお店がある。」
知世は思いついた。それにあゆみも同感した。
彼女たちは、和風の手ぬぐいを購入した。
「急度友希君喜んでくれるな。」
あゆみは微笑んだ。
ケーキ屋を見ていると張り紙がされていた
「人気パテシエ綿兔白雪Produceチョコレートケーキ。」
とである。
ドアを開けると綿兔女史自身が腕をふるっていた。
人数分購入すると素早く2人は店を出た。
すると電話が入ってくる・・・。知世にだ。
「はい、美幸さん?バレンタインデーのPresentに未来世紀tomoeda
キャラクターFileが欲しい?分かりました。」
そんなことを聞いていたあゆみは
「美幸さんって例の出木杉英才暗殺計画を渡そうとした人か・・・。
へぇ・・・。あのアニメ20代から30代向きだもんね。」
と答えた。
「まあね。所で出木杉英才って今度出版された登場人物以外に暗殺された
けれども、彼は無心・無私の人間だったんだろうか・・。知らずに敵を
作っている人だったのかも。」
と空を眺めた。
「そうだね。私も彼の行動は敵を作りやすそうだったし・・・。」
2人は吉野町にある知世の家に向かっていた。
おわり