ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

なんとかざBeginning_2

2019-05-25 15:17:27 | 逆襲の藤隆
僕達を載せた航空機はぐんぐん上に上がっていく。
巡航速度が出る高度まで達した蹟、
アナウンスは続ける。
「当機はyy岬を通過しています。」
この岬は日本の地理の授業では日本列島の縁としばしば言われているところだ。
海と陸地のすれすれの場所を飛んでいるんだなぁ。
「ふーん、今回の目的地はなんだか不思議なものと出会いそう。」
知世がつぶやいた。
「不思議なもの?この前の妖怪が出てくる実写映画か、長編アニメ映画みたいだね。」
僕は一週間前なんとかプライムサービスで見た映画を見て考えていた。
不思議なものってなんだろうか。ひょっとしたら、異世界のプリンスやプリンセスとか・・。
「あのー、知世。プリンスやプリンセスが出てきて騷動が大きくなって・・。」
僕は昔見たアニメか漫画を思い出していた。
「それもありそうね。異世界のプリンスやプリンセスに出会えても・・。それよりも
今回の旅の目的はこんな場所よ。」
知世はガイドブックをさして、お目当ての女性がいる店に赤インクをつけていた。
つづく
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なんとかざBeginning_1

2019-05-24 13:00:41 | 逆襲の藤隆
「これが今回の目的地である、なんとかシティに行くための飛行機ね。」
知世が漏らした。
「うん。小さな飛行機でしか行けない場所なんだよ。」
ここは羽田。
僕朝岡蓮次は、恋人の平賀知世が行きたいと思う場所に行くために、まず足を運んだ。
目の前に行く飛行機はヘリコプターのような、飛行機のような、最近物議を醸しているオスプレイのような
機体である。
「飛行機乗り場に行く直前の電光掲示板に掲載されていた(伏字)空港って確か日下部浩一郎君と柿沼萌美
ちゃんの住んでいる桜ヶ丘市の最寄りの空港か。」
知世がそういった。
「確かにそうだね。今回の旅の目的の女の人って、知世がこの人のブログをよく読んでいるみたいだよね。」
僕は知世を見た。13歳の時から彼女は僕と付き合ってくれるけれども、本心は女性が好きなので、彼女の
性的興奮を刺激したのかな。
「彼女は、自分の自宅を兼ねたアトリエみたいな場所でセレクトショップを開いているの.」
知世がそんなことをいい、僕は頷きながら座席に誘導されていく。
「ふーん。」
僕は表示板が言うようにシートベルトを着用する。
乗っている時、この航空機が上昇したようにも思えた。
つづく。
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菊の名前の後先_參

2019-05-03 11:03:30 | 潮風の櫻
「へぇ。この松島基地の公報の方、うちのスナックによく来てくれるよ。」
俺が撮影したデジカメの写真を見て、久慈市にあるスナックのマスターが答えてくれた。
久慈市に到着したのは丁度お昼どきだった。
俺は、何かというとしがないフォトジャーナリストだ。 3.11 の原発事故以来、浪江町を中心に
回っている。 3.11 以前から浪江町を中心とした場所をずっとインターネットで報道していた。
あの地震と原発事故より前、過疎化の告發のような使命感をもって浪江町を取材してきた。
そして、 3.11 が発生することになる。
俺は、第二の故郷である浪江町を追われた格好になった。その後も避難している人を取材対象に
してきた。
「浪江町を主に取材対象にしてきたようですが、なんで松島や久慈市に足を運ぶ事になったの ? 」
マスターは見当違いの場所にいる俺に質問してきた。
「はい。他の自身で被災した場所も見聞きしていきたいと思って、松島にも久慈市にも足を運ぶことに決めたん
です。」
俺はそう嘘をついた。
マスターは納得したようだった。
俺が、松島や久慈市と言った場所に赴いたのは今は亡き、熊本出身の学生時代の親友が「菊の名前」という長
編小説の二次創作のエピソードを延々と自分のブログで掲載していたからだった。
その小説の舞台が現在の松島基地近辺や久慈市といった場所が舞台だったからだ。だからついでにこっちに来
た。
「そうそう。現在松島基地の広報をなさっている自衛官の方も、災害救助のヘリコプターが
久慈市の方を救助できたらいいなとか言っていた・・。彼も津波で何もできなかった。」
とマスターは話を続けていた。
カランカラン、スナックにつけていた鐘がなった。
「今熊本から帰ってきてね。あの時の恩返しができた。」
消防署の服の人がカウンター席に座った。
「まああの時も熊本の消防署の方に助けられたから。」
マスターは消防署の服の方にそう答えてきた。
世の中は持ちつ持たれつ。
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菊の名前の後先_貮

2019-05-02 10:15:38 | 逆襲の藤隆
「知世、この前貸してくれた小説面白かったよ。」
朝岡蓮次は、恋人に弁当箱のように分厚い小説を運転席のすぐ下においてある
彼女のバッグに入れた。
「ああ。そうなんだ。あの南北朝時代の騒乱は戦国時代より魅力的だったから、
インターネットの書籍ダウンロードで売っているのを見て、図書館で借りたんだ。」
恋人平賀知世は、横須賀と書かれた自動車用の方向板を見ながら答えた。
「あの時代だったら、現在通過する金沢文庫や京急富岡駅界隈ゆかりの人も関わりあっていたな。」
蓮次はそう答えた。
「まあ、そうね。あの小説は近江が舞台だから、方向が違うけれどもね。」
知世はわかっているでしょと言う顔でハンドルを握っている。
「南北朝時代か・・。まああの小説を読むまで考えもしなかった。」
蓮次はそう答えた。
「こういう小説から歴史の授業が楽しくなる人もいるから引っかかりとしてはいいんじゃないの。
蓮次君。」
知世はそう答えた。
「そうだね。」
蓮次は本を読み終わってからももやもやした南北朝時代のことを考えていた。
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菊の名前の後先_壹

2019-05-01 10:19:22 | 信・どんど晴れ
今日話す話題は、学生時代、神奈川縣の三浦金沢市という
場所に住んでいた時の話だ。
ちょうどルームメートの高槻久留美という女性が本や演劇が好きで、
しばしば、住んでいたアパートの近くの市立図書館から本を借りて
来ることが多かった。
「やっと、菊の名前を読むことができた。実家のある石川では読めなかった。」
と、弁当箱のように分厚い文庫本を見せびらかしていた。
「どんな本なんだ ? 」
私は、久留美に聞いてみた。
「鎌倉末期から南北朝時代にかけての近江の寺での殺人事件の話。
いろいろ現実世界であった事件が交錯することで有名なのよ。」
と、彼女は私に読めないでしょうと言う顔で言う。
確かに今旅館の仲居として徳之島にいる今でもその時代は解らない。
そう言えば、彼女称名寺や富岡八幡宮と言った近所の寺社にはよく足を
運んでいたようにも思う。
その流れで、図書館で借りてきた本も読んでいるのかもしれない。
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