ブルーシャムロック

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たそがれくさかれほしひかれ

2012-04-20 18:14:40 | 信・どんど晴れ
今日は、天気がいいので円覚寺や建長寺などの北鎌倉の古寺社をめぐろうと思う。
鎌倉、それは高校卒業まで物語の世界の話だった。
私高槻久留実の生まれ育った石川県の街では能が盛んで、石川県の伝統工芸である
陶磁器や漆器を扱うお店において、よく足を運ぶ常連客がその練習をしている
謡曲の話題を話して聞かせるのだった。
歌舞伎にもなり、古典芸能のファンには常識な
「紅葉狩」、「卒塔婆小町」、「舟弁慶」、「勧進帳」
あるいは、
平家物語や源氏物語に取材した作品など。
古い陶磁器や漆器は古典芸能や古典文学に取材したケースが多いので
そこで歴史に関する興味が生まれたのかもしれない。
そして、大学に進学したとき、何故だか嬉しかったのは、物語の世界である
學校が鎌倉の近くだったこと。
謡曲「鉢木」に登場する北条時頼の一支族の金沢家のお膝元だったのが
面白いではないか。そこも足を運び、歴史に浸った。
そして、本家本元の鎌倉に行き、北条時頼のゆかりである建長寺が目的である。
山門をくぐり、歴史ある伽藍だ。
敷き詰められている玉砂利を踏む。
自分が疑問なのは経済学部に在籍して国文学や歴史方面の学部ではない事を
皮肉に感じながら本堂に手を合わせる。
私が、関東に出てくる1つの理由としては、家に戻ってくることが条件だから。
だから、その仕事を継ぐ為、経済学部を志願した。
高校も普通科で、商業高校を蹴ったから、その勉強を關東でしてくる。
そう誓わされたからだ。
でも、東京の芸能事務所に就職しようとしている。
それの揺れる氣持ちを
神仏に聞いて貰いたい。
そのために鎌倉の寺社参りにきたのだ。
親も、私のことを安心しきっていたが、また偽りが・・・。
「たそがれくさかれほしひかれ、よかれあしかれせがれをしかれ。」
なんのことばだっけ。ふと思い出す。
おわり