munasii

「大阪、京都に魔物がいるならば、東北六県にも魔物がいる。
故に電車がつく上野駅の周りは、ここ百余年、その幻影に悩まされている。
いつも思うが、多摩も、大田区だったら、大阪京都も東北6県とのしがらみも
なく雙方と向き合える。あり體にいえば會津のイベントも長州のイベントも
開(ひら)けるというわけだ。」
ある男は、昔書いたワープロ書きの原稿を見ながらつぶやいた。
「虚しいよな。」
「郊外である場所が平喘として、市街地が苦しむなぜそうなったのか・・。
近畿圈とは並行線を語るだけだ。」
と文字をとじた。

想像におまかせする。

リゾートタウンに着ていた朝岡蓮次と平賀知世。
リゾートタウンの平賀知世の友人であるリゾートタウンのおねーさんに
浩一郎と萌美の話をしたのだが、リゾートタウンのおねーさんは
「そう。私達のリゾートタウンの周辺でも水着用布を作り始めてね、
リゾートタウン周辺に自生していてかつては貧しい時代の主要産物だった
苧という草と、リゾートタウンでしばしば出て來るペットボトルを使った
繊維ができてね、私もこれで水着を作ったんだ。そういえば
遠くに住むお友達が小学生だと聞いて、私も二人のカップル向けに水着
を作ったんだ。」
と、おねーさんが渡したのは、おねーさんがイメージとしている
プラム色のリゾート風サーフパンツとビキニだった。
「おねーさんの好意だから受け取っておこう。」
知世と蓮次はその水着を直様[すぐさま]、浩一郎と萌美が住んでいる桜ヶ丘市に
送った。
「あ、おねーさん。今さっき水着に使った布を使いたいのですが、
余り布でいいから譲ってください。」
と知世が言う。
「ああ、知世ちゃんならば、構わないよ。いつも水着を作っているあなたは
思いつくものが多そうだね。」
とおねーさんは答えた。
知世は宿泊先の部屋で
「流石に、おねーさんに浩一郎くんの愛用している水着が6尺ふんどしだとは
言えないかなぁ。」
と言いながら、知世は水着用布を6尺ふんどしの形に裁斷し、
萌美のワンピース水着の型紙を作り始めたのだった。
どんな水着になったのか想像におまかせする。

そこまで・・。

リゾートタウンの物語はなおも続く。
「ところで、"オリハルコンの夢",音樂がこの前のカバー曲から
SuperflyのFORCEに変更になったよね。あのプロデューサーが
カバー曲とか既成曲が好きなのかな。」
そんな話題をし始めたのは、リゾートタウンのおねーさんの彼氏君だった。
この話題を聞いた朝岡蓮次はびっくりしていた。
ここまでの人がそのアニメが好きだったのは、
蓮次もアニメや特撮は嫌いではないが、そこまでこだわらない。
横で平賀知世が友人のリゾートタウンのおねーさんにいう。
「彼氏君ってそこまでアニメとか好きな人だったの?」
と。
「そこまでアニメとか好きじゃないけれども、"オリハルコンの夢"は
彼にとって別格みたいね。」
とおねーさんが言った。

昨日の夢

山田守が本據地にしているぷりぷり縣から
あさっての方向にある場所に存在する
リゾートタウンに平賀知世と朝岡蓮次が遊びに来ていた。
そこの一角、イタリアの街を再現した場所にある
イタリアンレストランに、平賀知世、朝岡蓮次は友人
のリゾートタウンのおねーさんとその恋人
と一緒に来ていた。
雰囲気もよく料理もよく、四人は楽しんでいるのだが、
そこのbgmが不思議な編成だった。
aiのアルデバランが流れたと思ったら、古畑任三郎の
テーマ、他にアニソンとか・・。映画やテレビドラマやアニメなどの
劇伴曲ばかり流れていた・・。
この曲は、ファンタジーロボットアニメ
「オリハルコンの夢」の音楽が流れていた。
「この曲好きなんだよね。」
朝岡蓮次がその曲を口ずさむ。
現実世界、かつて一世を風靡したC-C-Bないしはチェッカーズ
みたいなスタイルのバンドが歌っている。
「この曲、昔流行ったドラマのカバーみたいだよ。」
おねーさんの彼氏が蓮次に囁いた。
「そうなんだ・・。」
おねーさんが相槌を打つ。
「世の中知らないことが多いほうがいいかな。」
知世が言う。
「明日よ、風に舞えという題名だけれども、雰囲気にあっているな。」
蓮次は呟いた・・。