ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

その次の話

2011-10-25 11:57:49 | 信・どんど晴れ
「いやね。今回のGameを開発していて思ったけれども、今回のGameの登場人物
の地元の住民のキャラがね
沖繩の近くにある徳之島の加賀美屋という老舗旅館があるけれども、
そこの大女将に似ているんだよ。」
とgameプロデューサーの塚崎は秘書の方をのぞき込んだ。
「そうなんですか・・・。」
塚崎は自分の持っている端末のキーボードとモニターを見ながら、
週刊誌のサイトをLink伝いに呼び出した。
「加賀美屋の嫁姑戰爭、その愛憎の果てには。」
と、扇情的な見出が、webには踊っていた。
「俺もoutだと思って居たけれども、そこまではClaimはない。」
彼も肩をなで下ろしている
塚崎はなおも、加賀美屋の資料を読んでいた。
「次男の嫁にあたる、加賀美環氏は、同郷の女性を後継者に指名したのに対して、
大女将である加賀美カツノ氏は、ヨコハマのHotelに勤務していた孫にあたる加賀美柾樹氏を
後継者に考えていた。」
読んでいて、どうするべきか考え込んでしまう行動である。
「要するに、孫を溺愛している祖母と、現実主義的な人間の話か・・。」
ふと考えて、塚崎はモニターをいつも使っているソフトに切り替えた
おわり
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似ている物

2011-10-18 09:21:34 | 信・どんど晴れ
「プロデューサー、今回のGameの評価ですがあざといと世間では言われていますが。」
Gameプロデューサー、塚崎の秘書はそう述べた。
「あざとい・・・。まあそうだろうね。あの人気企劃をさらっとなぞったから。」
塚崎は涼しい顔をした。其れもそのはず、実質元ネタのGameは、先日公開されてから
一年もファンの間で賛否両論が続き、鐵の結束を誇ったファンが分断される始末になった
そのGameは北海道が舞台のホテル経営Simulationで、ホテルを経営しながら地元の住民と
折り合いをつけたり、経営が上向いたら地元出身の歌手がConcertを開くなどの
イベントが起こるGameだった。
 しかし、其れの続編が出ることになったのだが、旧作のHotelでの悲喜劇を楽しみにしていた
ファンを裏切って、東京のリゾート開発会社がHotelの近くにHollerテーマパークを
作り、其れと対立するという物語になってしまった。却而その姿勢を支持するか支持しないか
でファンが分断される切欠になってしまった。
「プロデューサー、今回のGameの舞台は沖繩なんですね。例のGameとは正反対の
舞台なんですね。」
と、秘書が企画書を見ていた。
「題名は<うちなんちゅちむぐーる>なんですね。」
クスクス笑っているのが、塚崎にも分かった。
「まあ、ここら辺で差別化が図られているかな。俺としては、動画投稿サイトで
からかって楽しんでくれることを見越して制作しているかもしれない。」
塚崎はCharacterデザインの絵師さんが描いたキャラの設定表を見ていた。
従業員の女性、地元の住民のおっさんや老女、劇中で登場するロック歌手などである。
「あのpresentationの醜態以降、例のGameから離れた人間が、気軽に受け取ってくれればいい
そんなきもちで、似ているところは似せて作った。ディティールが違えばそこで感じてくれれば」
塚崎は秘書に自身を満ちた顏をした。
おわり


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去り時

2011-10-18 09:21:00 | 信・どんど晴れ
「今度の葬式でしたが、なにやら亡くなった大女将に味方をする人間はいませんでしたね。」
松本佳奈は、さらっと台詞を言う。
「いないかもね。だって大女将は自分勝手なことをしたから。」
佳奈の上司である女将は湯飲みのお茶に口をつけた。
「自分勝手ですか。たしかに朝倉夏美とか言う溺愛している孫につながる
人間を後継者にしようとしましたからね。結局くるはずだった孫の柾樹も大女将が
亡くなった跡だった。」
葬儀の時、遺骨と成った祖母を呆然とした顏で、身を寄せている石川県で出会った女性と
ともに見ていたのを佳奈は覺えている。
「それにしても柾樹、これからの後継者は、あなたの隣にいる佳奈さんだ。とか言ったのは
隣の内縁の奥さんの影響かもしれない。あの奥さん、関東に住んでいたときの同居人の
高校までの同級生だったとか。」
おかみはちと意地悪く答えた。
佳奈はばつが悪くなり
「まさかそんな人だとは思いませんでした。何處でどういうつながりがあるか自分も
信じ切れません。」
佳奈は、運命の皮肉さを感じていた。
「今だから話すけれどもね、関東にまた行きたかったあんたを加計呂麻の実家から
引き離して、徳之島に来させたことは少し後悔している。」
と、女将は佳奈の肩をたたいた。
「いえ、私は仕方がありません。だって私は関東でも、求める物が求められなかった
けれども、あまり好きではない此處で、刺激的な毎日を過ごしています。」
としんみりとした顏をした。
自分を中心に、運命を回り出す・・・。先日cable televisionのChannelを変えて
偶偶写ったanimeがそう述べていたのを思い出した。
おわり
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甲と乙と

2011-10-03 16:46:16 | 信・どんど晴れ
神奈川県に存在する三浦金沢公立大学経済学部に所属する高槻久留美。
彼女の友人は沼津出身の麗だけではない。
会津出身の甲と乙なる人間が居る。
筆者からのMetaphaseであるが甲と乙は彼女たちのコードネームである。
「なるほど。るーむめいが秋田の出身か。もう一人の奄美大島って・・。」
甲は、一瞬首をかしげた。
「沖繩の近くの島。」
と一言言う。奄美出身のルームメイト曰く、關東では奄美は知名度がないのかなと思った。
「奄美というと奄美の黒兎の居るところだっけ。鼠みたいな。」
ともう一人の乙が言う。
「そうそう。でも、わたしあんまり生物には関心がないからルームメイトに言われなければ。」
と久留実は恐縮した顔を見せる。
「私は歴史の方が好きだったが、乙は生物とか明るくてね。」
甲はそう述べる。
「そうか・・・。私も経済学部に居るけれども古典とか歴史は好きだよ。」
久留実はそう述べた。
會津と言えば未だに長州との確執を彼女は考えた。
「もし、歴史が許すならば長州に軍事侵攻も辞さない。東北独立国が成立するならば
私はそうしたいな。」
甲はそうつぶやいた。
「なるほど・・・。」
久留実は一瞬考え首を縦に振る。
「會津の人間としては、長州に對する考えはいろいろあるがね。しかし甲は極端すぎる。」
乙は軽く言い放つ。
「歴史に対して軽く考える人間はそうかもしれないね。」
甲は言い返す。
「それにしてもまじめっぽい漫才だねぇ。」
久留実は軽く笑った。
「漫才か・・・。」
甲は複雑に、乙は笑って
久留実に応対している。甲と乙ふたりの印象的な立場を表しているのかもしれない。
「あ、何か気になることがあるの?」
甲は久留実がテーブルに置いた本に目が行った。
「うん。なんだか・・・。」
甲は、苦い物を口にしたようだった。
「私の石川の実家は古美術とか扱っているから多少は茶頭などに関心があるのよ。」
と久留実が言った矢先、甲は利休七哲の項目に目が行き、
「利休七哲ってだれか分かる?」
と久留実に述べた。
「確か、古田織部か細川忠興じゃなかったっけ?」
と、久留実は易々と回答した。
「違う。ほかに蒲生氏郷がいるでしょ。彼は私の出身地である会津若松を作った人なんだよ。」
と甲は自信満々に本を閉じた。
「えっ。確か幕末の松平容保の先祖の家じゃないの?」
久留実は答えた。
「いや。松平公は跡から入ってきた。」
甲は言う。
久留実は、歴史に詳しい自負があるものの、松平家以前の人が居たことに考え事を
していた。
「私も蒲生氏郷は知っている。でも會津に・・。」
そう言いながら、ペットボトルのお茶に口をつけた。
「あ、そうだ。麗さん跡から此處に來るらしい。會津鐵道を見に行きたいんで
市立図書館でその資料を借りてきてからなんだと。」
乙が述べた。
歴史の話をしていたのと違う空気が流れた。
end


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