ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

瀬戸内の秋(最終回)

2009-04-16 21:22:48 | 逆襲の藤隆
「姉ちゃん、逹彌が待っているぞ。」
友輝の甲高い声が聞こえる。
「ちょっとまってよ。」
制服の上着をあわてて着込んで、姉はかけていった。
なぜだか、寝坊で知られた友輝が早起きである。
逹彌が毎朝來るので、自然と早起きになっていったのだろう。
「姉ちゃんはまだかい。」
逹彌は、友輝に答えた。
「すぐ來ると思う。俺まではやおきになっちまったな・・・。」
友輝は苦笑した。
「まあ、あの時の夕方俺とおまえの姉ちゃんがとの間で・・。」
逹彌が話題を切り出してきた。
「そのことを言うな。俺だって・・・。」
友輝は顏を赤らめた。
「まあ、これでおまえも俺もEvenということか・・・。」
逹彌は鄙俗く嗤った。
「なんだ、その笑は・・・。」
少し友輝の顔が曇ったようである。
「ごめーん、登校班の子たちは来ているの?」
かけてきた姉が逹彌に質問した。
「まだ、来てねえから安心してください。」
逹彌は姉の前でおどけて見せた。
「ねぇ、友輝、Classのあゆみちゃんとはどうなったのかしら?」
姉は友輝に聞く。
「そうだな・・・。」
口籠もった友輝に、逹彌が代わりに答えた。
「まあうまくいっているよな・・・。」
友輝は、
「いうなよ・・・。」
と彼女との恥ずかしい關係に答えざるを得なかった。
「まあ、いいじゃないの。」
姉は、逹彌と友輝を見た。
そんなことを言いながら、登校班にみんなで加わっていった。
おわり
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瀬戸内の秋_6

2009-04-16 21:21:35 | 逆襲の藤隆
ここは、朝の教室。日直が花瓶の水を換えている。
其れを横目で、逹彌は睨みながら・・。
「でだ、俺はあの跡何にもやっていない。」
そんなことを、執拗く詰問する友輝の話題を交わしていた。
「でも、姉ちゃんとはうまくいきそうなんだろ・・・。」
友輝が、逹彌に単刀直入に質問した。
「まあ、な。」
恥ずかしそうに逹彌は答えた。
「エロイ事を考えているたっちんが姉ちゃんの前だとしおらしくなるな・・。」
友輝は意地悪い顏をした。
「俺も、少し複雑でさ・・・。」
逹彌は彼に反論するわけでもなく、冷静な態度をとった。
「友輝君」
小動物のような甲高い聲がClassにこだました。
友輝とは恋仲でもある、女の子だ・・。
「ねえ友輝くん・・・。今度ここに行こうと思うの。」
と雜誌のCopyを指しながら、友輝に質問していた。
「じゃあな。俺は俺の話があるからな。」
友輝は苦笑していた。
1時間目は逹彌の得意な算数である。
それなのに、彼はぼーっとしていて、担任の教師から怒られた。
つづく
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瀬戸内の秋_5

2009-04-16 21:20:39 | 逆襲の藤隆
「今日、遅く歸ってきたけれども、なにがあったんだよ。」
夕食が終わった跡も、友輝の姉への質問は続いた。
「なんでもないでしょ。」
といって、怒って自分の部屋に行く。
「姉ちゃん、今日臺灣ドラマ"まなびストレート"の第1話がここの放送局で
やるんじゃねぇのか。」
と、機嫌を伺いながら、友輝は答えた。
「ああ、あれタイマー録画をしておいて・・・。」
とテレビの録画機の方を指した。
「はいはい。」
といって、録画機を友輝は操作し始めた。
"まなびストレート"はモトは日本のanimeで教育が荒廃した近未来のtaiwanの大学が
舞台である。大学に進学するよりも働く方がかっこいいとされた時代に
ある大学に女子学生が編入してくるところから始まるドラマで、
姉は、見たくてしょうがなかったのである。
「これでよしと・・・。」
友輝は、姉の方向を見ていた。
「まあ、いいや・・・。おそらくたっちんとなにかあったんだろうな。」
と独り言を言った。
姉は、ため息をつきながら、キーボードを叩きながら個人的な手紙を書いていた。
内容は少しエッチなことをしたと横濱の女子大生のお姉さんに
記していた。
「姉ちゃんもよほど深刻なんだな・・。」
今の友輝の頭では、それぐらいしか理解が出来なかった。
つづく
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瀬戸内の秋_4

2009-04-16 21:19:55 | 逆襲の藤隆
「明日決行だ。」
逹彌は、姉にそう言った。
「明日・・・。」
このことは、カナリの覚悟を彼女に強いたことであった。
自分だって、少し恥ずかしい感じと、なんだかな氣持ちがある。
自分の学習机に正座っていた姉は窓をみた。
「いつも落ち着いている姉ちゃんがこれか・・・。」
友輝は剣呑な顏をしたのであった。
「なんでもないのよ。友輝・・・。」
姉は、あわてて訂正する。
翌朝、姉はあまり寝られなかった。
眠たい目をこすりながら、登校班に合流した。
珍しく早起きの、友輝は友達とCardGame の話しをしている。
逹彌は、本当にやる氣なのだろうか・・・。
彼女は、彼の軽はずみをとがめようとした・・。
でも、出来ない。
「はるかちゃん、どうしたの?」
傍を歩いていた、由実香が姉に尋ねる。
「なんでもないのよ。友輝がいつも寝坊で、こまるとか、男子がエロイとか・・。」
あわてたような表情をした由実香は、
「そうですよねぇ。男子はエロイです。」
と同感するように答えた
そして、學校について、1 日の授業も滞りなく終わった。
教室を出た跡、廊下に入ったとき、達也が待っていた。
「行こうか。」
逹彌はそう言った。
姉は黙ってうなずいた。
そして、二人が帰ったのは、日もとっぷり暮れたときであった。
遅い時間に帰ってきた友輝は皮肉めいて
「ねえちゃん、なにかあったろう・・・。しかしねえちゃんもな・・。」
と意味深な答えを発した。
つづく
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瀬戸内の秋_3

2009-04-16 21:18:27 | 逆襲の藤隆
「本当に、やるのかしら・・・。」
姉は悩んでいた。
彼のことだ。好色な男だと聞き及んでいるからだ。
「おい、姉ちゃん。何を考えているんだよ」
友輝が、怪訝な顏をした。
「なんでもないけれども。」
姉は、あわてて訂正した。
彼女自身、それほど逹彌が考えていることに對しては準備が出来ていない。
いつも、食事をするテーブルの椅子に腰掛けながら難しい顏をした。
「姉ちゃん、食器洗う当番は姉ちゃんだろ。」
友輝の甲高い聲がする。
「あんたがやって!!」
そう言うのを聞いていた、友輝はちぇっという顏をして台所に
向かっていった。
その夜、宿題をしながら彼の計画していることを考えている
姉を友輝は・・。
「ねえちゃん、考えすぎると佳くないと思うんだけれども・・・。」
と心配をしていた
大丈夫よと言いたかったが、なにかやりたいと思う
心が強くなっていた。
つづく
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瀬戸内の秋_2

2009-04-16 21:17:23 | 逆襲の藤隆
友輝に、算数の問題を教えた跡、
逹彌は校門をでた。
待っていたのは、一人の少女だった。
「逹彌君・・・。」
少女は、声を上げた。
「ちょっとな。友輝に問題を教えていたんだよ。ウンウン(゜ー゜)(。_。)(゜-゜)(。_。)」
なにかごまかそうと逹彌はした。
「何ごまかしているのよ。ごまかす必要はないのよ。私を待っていたんでしょう?」
少女は意地悪く答えた。
「そう・・。かもな・・・。」
逹彌は顔を赤らめながら答えた。
「あんたも、友輝に問題を教えるのは難しいでしょう。あいつは物覚えが悪くてね。」
少女は苦笑した。
「そうだね。でも教えてあげるのは俺のつとめだよ。」
逹彌の口が猫口になった。得意になると、この口元になる。
「あんた、噂に聞いているけれども例の猫口ってやつになるんだ。」
少女はそう答えた。
「それよりも、明日やるんだな。」
逹彌の問いに、少女は頷いた。
「でも、本当にいいんだな・・。」
彼は其れしかいえなかった。
つづく
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瀬戸内の秋_1

2009-04-16 21:16:30 | 逆襲の藤隆
瀬戸内のある場所にある町、海で小学生があふれていた時期は過ぎ去り、
町には秋風が吹く季節になった。
少女は、この前の夏のことを考えていた。
彼女は弟の友人とつきあい始めた。
なんとも、おかしいけれども彼の方に私に気があったということである。
ふぅ。とため息をついて、勉強机の方向の窓を見ていた。
すぐ近くには、彼女が好きなtaiwan ドラマの俳優のポスターがある。
弟も、悩んでいるようである。宿題だろうか。
それも彼の嫌いな算数だろうか?
「畜生解らないよ。」
悩んで大きな声を上げそうな、弟に
「逹彌君に教えてもらったら?」
と意地悪く嗤った。
「んなこといっても、あいつは自分で解けというダケだが・・・。」
と剣呑な顏をした。
「まあ、それもそうね。」
姉はそう言うしかなかった。
それよりも、逹彌という少年と自分がつきあい始めたのは、なぜなのだろうか。
自分の弟と同じような粗野な山猿といった方がいいのにだ。
「そーなのかー。」
珍しく弟がひらめいたようである。
鉛筆を走らせていく。
つづく
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西方萬魔殿_4

2009-04-02 20:53:19 | 菊の名前異聞
「担当としては・・・。」
私は細倉先生にといかけた。
「めちゃくちゃな魔界の宮殿という雰圍氣で執筆してもらいたいのですよ。
やった、決まったと私は思った。
「ずいぶん簡単ね。貴殿が考えているような世界を書くと思うわ。」
と先生は微笑んだ。
「でも、西洋のパンデモニウムでしたっけ。それと東洋の十王図はまったく違うと
思うのですが・・・。」
私はまずいことを言ったかなぁという顏を先生に見せていた。
「それが作家の見せ所なのよ。いろいろ想像でhokan できるのよ。」
「補完ですか。私にはどうにもですねぇ。」
相変わらず、文系の人は理解が出来ないのだ。
「理解できないならば、仕事を淡淡とこなす。」
先生は確信に満ちた顏だ。
「實はね、anime の脚本を書いてみないかと、某プロデューサーに言われているのよ。」
先生はまた素っ頓狂なことを言い出した。
「anime ですか。またこれはマニアックな・・・。」
私は苦笑するしかかなった。
おわり
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西方萬魔殿_3

2009-04-01 21:37:06 | 菊の名前異聞
「私の最新作のImageは固まったかしら。」
先生が今日も自分に意地悪な質問をしてきた。
「そうですねぇ。」
弱気な自分も今回は強気である。
「強気ね。萬魔殿のImageが固まったかしら。」
人を莫迦にした目を先生は続けていた。
「そうですねぇ。先日日本画の伝統的な画題である十王図を見てきましてね。」
先生は一寸考えながら、
「ああ、あの構図の絵ね。でも、自分が考えている小説のImageは違うわ。」
先生の言葉には、冷たい物があった。
「と、いいますと・・。」
私は答えた。
「今回の小説はダンテのImageだから西洋風なの。西洋では萬魔殿はパンデモニウムとい
うのよ。」
ここら辺が無知な私は答えられなかった。
でも、
「西洋式なんですか。」
と恍惚けてみせた。
「そうなの・・・。」
先生の顏は寂しかったような。
つづく


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