ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

青いペリカン _2

2017-10-27 12:01:04 | 逆襲の藤隆
「出来杉英才博士の奥様の z さんが亡くなってもう 3 年が経つのですね。」
車で移動中、何気なしについていた am ラジオからそういう話が伝わってきた。」
このラジオのパーソナリティが出来杉博士の信奉者らしい。
私が考えているのだが、出来杉という人は「強すぎる大將」というイメージの拭えない人
だった。
いい人で完全無欠なようであるが、それが彼の強さを見せびらかしていて、本人は
あまりそれに気づかないところがある。それがいささか嫌味に見えるのだ。
逆に彼を嫌っている人は数多かったような。
それが、逆に奥様が殺害に結び付けられているように思う。
犯人はどうして、奥様を狙ったのか。
出来杉をまず狙うのであるならば、奥さんが黙っていない。
犯人はそれを思ってまず奥さんを狙ったのだろう。
一説には、奥さんを取られて、恨みに思っている思っている人という説が囁かれている。
でも、彼が知らず識らずのうちに、出来杉を乗り越える態度を見つけたらどうだろう。
こういうヤツのほうが出来杉に結果的に勝利しているからね。
そいつはありえない。彼はきっと奥さんも乗り越える冷徹さを持っているからだ。
彼が望まないにしても。
「それにしても出来杉博士、弱さを見せませんね。」
ラジオのパーソナリティは言う。
そうとも。
彼はそういうやつだと、自分も彼に関心を持ってから考えている。
弱く見せることを知らない人だと、彼の著作や、彼を調べた資料から思っている。
強すぎる大將、その後はどうなるか。彼の最大の敵は見えざる敵じゃなくて、ひょっとしたら

青いペリカン _1

2017-10-20 08:05:37 | 逆襲の藤隆
「ふぅ。」
僕はそう言って、しょうもない恋愛物の原稿を書き始めた。
キーボードを叩き始めて思っていることがある。
つい数年前まで、東映ヒーローの私設サイトに言って、そこの二次小説をよく書いていたこと、
学生時代不遇をかこっていた映研のことを考えていた。
「映研の人たちは悪くない。僕が思い違いをしていただけだ。」
僕は、これまで物語を書くためのサークルとして映研を考えていた。
僕が考えているのとは違って、映研の上の人が考えた意向に従ったエピソードに基づいて物語を作る
サークルで、僕は様々な原稿を出し合って批評しあうサークルを考えていたので
自分のプランはことごとく却下された。
「自分のプランはマニアックだ。」
だってさ。
で、映研を辞めて、学校を卒業して數年、自分の家にインターネットが引かれて、かつて好きだった
仮面ライダーや戦隊モノといった東映ヒーローのサイトに足をよく運んでいた。
そこによく二次創作の小説が掲載されていたのだけれども、僕は感動したのは秘密戦隊ゴレンジャーの
二次創作だった。著者の独自の設定に基づいた重厚な物語は、僕をすごく感動させ、
僕もあの時、二次創作の小説を書いたんだっけ。独自のヒーローだった。
しかし、氣前の言いはずの管理人さんはいつまでたっても自分の原稿を掲載してくれなかった。
管理人さんは冷たく
「あなたは自分のホームページを作ってください。」
という逃げるような言葉を自分にかけた。
もういいよ。自分の意向とは違ったベクトルで動く映研も多様性を認めない東映ヒーローサイトも
もういいよ。と思ってアニメも特撮も別な恋愛物を小説に書くことを決めたのだ。
つづく

スカポンタン城悲哀

2017-10-13 09:39:06 | 逆襲の藤隆
「さようなら」
ここの領主がピストル自殺をしたあとの古い日記にそう記されていた。
1645 年の記載がある。
僕は、 Scotland 人である。
何かを求めて、ベルギーとオランダとフランスの参加国にまたがるヨーロッパ大陸の
スカポンタンという街に来ていた。
本職は画家なのだけれども、ブリテン諸島の絵師の 2 つのサークルの板挟みになって
ここに逃げてきた。
今僕がいるのは修道院の図書館だ。
ここの領主も、大国に挟まれていろいろ国家の運営に迷っていたんだよな。
だから苦しくなる。どう 2 つのサークルと中立を保てるのか悩んでいるんだ。

必勝寺文書が語るもの

2017-10-10 17:26:38 | 逆襲の藤隆
「ふぅ。小さな国の領主というものは大変だな。」
私は、 q 県の、小さな町 y 市の必勝寺という寺に来ていた。
ここの領主というものは、戦国時代から江戸時代にかけて、この地域を統治したのだが、
両隣りに甘辛藩と苦味藩という大国に挟まれた小国だった。
言い忘れたが、私は画家である。
「勢力のあるものに挟まれていると、中立を保つかわからないよな。」
古文書を読むことができる私は、東京の画壇の両派閥に挟まれていつも悩んでいる。
住職に頼み込んで読ませてもらったのが、 21 世紀に生きる私は益々悩む。
明日東京に帰るときどうしようか。スマホの飛行機の時間を確認しながら悩んだ。

セブ島と日本のファッションショップ

2017-10-04 21:43:21 | 逆襲の藤隆
「この水着って、この前、温泉旅行に行った店員の店で買ったんだよね。」
僕、日下部浩一郎は、萌美ちゃんの水着を見た。
「そうよ。」
萌美ちゃんはそう強く言う。
「よく似合っているよ。」
僕はそう言うしか言えなかった。本心を言うと彼女がいま着用しているビキニより、
昔のようなワンピース水着の方がいいかもしれない。
でも、彼女のビキニ姿は彼女の強さと美しさを強調している。
それは、東映特撮のヒーローやプリキュアが変身後の出立みたいに。
セブ島から日本に帰った時、僕は萌美ちゃんと一緒にファッションショップに赴いた。
「いらっしゃい、萌美ちゃん。あ、温泉の時に話していた彼氏君だ。」
自動ドアが開き、出迎えてくれた女性は、現在ハタチの僕と萌美ちゃんからみて
1 つ 2 つ年上ぐらいの女性が出てきた。
彼女は、スモモのようなブローチをつけていて、腰まである長い髪が特徴の可愛らしい女性だ
「彼氏君、ようこそファッションショップへ。」
そう言われても、店は女性ばかりで、僕は場違いな感じもした。
「男性向きがないから恥ずかしいです。」
それをみた萌美ちゃんは、
「私の付き合いできたから、そこら辺大丈夫だよ。貴陽ちゃん、メンズも開発するとか。」
ショップの女性貴陽ちゃんは黙って頷いていた。