ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

今こうして三重県にいること

2014-01-31 17:25:28 | 信・どんど晴れ
俺、田口昇平が、三重県の料理屋に居ること。
それは、俺がバイヤーとして、三重県を含めた東海三県の
担当になったからである。
俺の同期は、ここかあるいは周辺の文化が近いと言われる
愛知県や岐阜県の出身らしい。
「うどん定食お待ち遠様。」
40歳前後の店員が、かけうどんとおにぎりがお盆にのった
料理を運んでくる。
かけそばを食べたかった。でも存在しない。
俺の生国である松江市の周辺ではそばを食べることが多い。
就職のために、關東に来たときもかけそばばかり食べている。
同期の松井達男、あいつも、うどんばかり食べている。
口にしようとしたとき、電話がかかってくる。
上司だった。
「はい。おもしろ掘り出し物を三重県の工房で発見しました。
これは受けます。」
これでいい。でも、懇意にしている工房の職人が使っている
スーパーで購入してきた味噌、「山張」と書かれていた。
本社が愛知県岡崎市・・・・。
少し離れている。
(次はどうなるかな?)
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夜のとばりのおおぼりこうえん

2014-01-22 07:55:00 | 信・どんど晴れ
福岡市の夜。
俺は取引先の會社の人間に、夜の接待を受けていた。
いろいろ飲んだ。
よったかどうかは想像に任してくれ。
その中の1軒、おしゃれなバーに入る。
一面洋楽が流れていた。
「俺の趣味なんですよ。」
背の高い方が言う。
今流れている奴、なんだっけかな。そうそうキングクリムゾンだ。
あのすごい顔のあんぐり口を開けたレコードジャケットのあのアルバムの。
おやじの影響なのかふむふむという顔で聞いている。
「松井さんは、こういう1960/70年代系の洋楽は好きなんですか?
俺は最近のhip popしか分からないから。」
と背の低い方は苦笑した。
「俺もリアルタイムじゃないですけれども、こういうのって聞き馴染みが
あるというか。」
つぎに流れたのはジャズのスタンダード、それからレッド・ツェッペリンだっけな・・・

のhip pop好きの背の低い方は苦笑している。
「なんだかなじんじゃっているね。」
古い洋楽に明るい背の高い男はいった。
「もしかしたら、松井さんは東京生まれ東京育ちじゃないように思えます。」
酒が混じっているせいもあってかいきなり背の低い方が言った。
「なんていうか関西弁風というか、なにか隠していませんか。」
背の高い方もそういうことを切り出す。
俺が生国を隠しているのは公然の秘密だが、やはりばれるのかな。
「そうかもしれませんね。」
俺はそう切返す。
取引先の會社の人もこれ以上は言いづらかった。
おわり
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うどんの味

2014-01-21 17:35:36 | 信・どんど晴れ
俺、松井達男は出張先の福岡市内のudonチェーン店でうどんを食べている。
取引先の會社の社員が食事に誘ってくれたのだ。
メニュー表をみていて、おもったのだが、福岡県内のいろいろな場所で
展開しているようだった。
中年女性の店員が持ってきたうどんを社員は待ってましたとイワンばかりに
箸をとった。
自分も商社勤務だが、九州担当になって久しい。
このうどんの腰のなさはあまり慣れない。
「私たちにとってうどんといえばこれなんですよ。私どものoa/it機器を担当している愛
知県の
取引の會社の方々が、腰がないとかいっていました。」
社員はふたり居たのだけれども、背の高い方が大きな声で言う。
もう一人の小男の方が彼をたしなめる。
「そうですね。私はすいとんみたいでおいしいですよ。」
俺は率直な意見を言った。
取引先の會社の方はぽかーんとした目をした。
「私はこのゴボ天うどんが好きですよ。」
俺はそう答えた。
「俺もこれが好きですよ。」
背の高いほうがいう。
「私は・・・。」
小男はうどんに拘りがあったので、實に長い物語だった。
背の高い方はまた始まったかという顔をしていた。
福岡の昼は過ぎていく。
つづく
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