ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

ライセンスを手に入れろ!

2015-01-20 18:04:19 | 信・どんど晴れ
「そーなんですよ。今我が社はライセンスビジネスなんですよ。」
縦横大きいそう、フクちゃんの荒熊さんのような男に
杉本は話しかけられていた。
彼はベトナムのホーチミン市にいる。
彼が所属している会社は味噌メーカーである。日本食の海外展開を
推進するために、ベトナムに味噌を売り出しを度る為にこの土地に訪れていた。
そのとき相席した荒熊さんは、なんと杉本も愛用しているラジカセを作っている
大手電機メーカーの現地駐在員だった。
「この前まであなたが愛用しているラジカセとかを作っていたのに、行き成りライセンス
をベトナムに売って、それで設けると本社が決めたんですよ。」
駐在員は熊みたいな體を揺らして、杉本に笑いながら口をゆがめた表情を見せていた。
「その、ライセンスビジネスって日本独自なんですか。」
杉本は大ジョッキのビールに口をつけながら、小皿料理に箸をつけながら彼の表情を見た

「いえ、已に欧米の企業がやっていることですよ。知っていそうな企業としては、
FIATやディズニーもやっていることです。こんな簡単なことが、決まるまで長い時間が
かかりました。日本のメーカーの信用を得るならばソレはソレで正しいと思うんですよ。
インターネットで欧米企業のライセンスビジネスの資料を見ていて、私は納得しています
。」
駐在員の決意は堅かった。
「私の団体の味噌はライセンスビジネスが出来るかなぁ。」
杉本は冗談めかした事を言う。
「味噌屋のライセンスビジネス、面白そうですね。」
駐在員の表情を見ていると、彼は自分が所属している三重県とか岡崎といった
Territory出身じゃなさそうだ。さっきからパッケージを駐在員殿はみていたからだ。
でも、それだから、世界は面白いのかもしれない。杉本は自分を自分で納得させた。
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法律學園

2015-01-13 17:59:04 | 信・どんど晴れ
「おかえりなさい。」
東海岸のロースクール留学から帰った杉本は
すぐ、自分の所属している会社のオフィスに座った。
肩書きは社長秘書である。
何時もの仕事をこなすとき、営業を担当している男性社員の1人から
こう言われた。
「杉本、留学ご苦労様。しかし、ロースクールの留学だったら
西海岸でもマレーシアでもあったんじゃないかな。それなのに
東海岸というのは社長のエゴだったんじゃないかな。」
杉本は
「pさん、社長に聞こえます。」
と男性社員をいなした。
しかし、自分は社長の言うことを遂行して間違いがないと信じている。
おかしいと思っても、自分の身が危なくなってしまうと感じている
どこでも出来るならば西海岸でも、亞細亞の時代を意識するならばマレーシアでも
良いはずなのだ。でも、東海岸というのは、社長のこだわりだろう。
岡崎に帰って直ぐの時に自分が加盟しているsnsで、同盟者でもある
主婦の1人が、
「高校生の息子が英語の留学に赴いていたけれども、そこは東海岸の
コネティカット州だったようだ。イギリス、とりわけscotlandに行きたかった
息子からしたら、すごく不服だったようだ。しかし彼なりに面白かったようである。」
と言うのを当時目にした。
今思い出すのは
「面白かったのは良いけれども、行く前にあまり魅力的に感じないのでは
問題があるのでは。」
という事である。
社長ぐらいの世代の人はコネティカット州と聞いて小躍りするだろうけれども、
ソレより下の世代は憬れないのかなとふと感じてしまった。
社長は趣味でピアノを弾くがその多くがジャススタンダードなどの古い洋楽が多い。
ああいう世代には、アメリカの方がいいのかもしれない。
「社長の嫌いな者には、聞き流し目をつぶっているけれども、自分は社長の行き過ぎた
アメリカの豊かさ・あこがれ物語は、ついていけない。」
最近そう感じることが多い。
おわり
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豊かさって何だろうか?

2015-01-06 18:27:51 | 信・どんど晴れ
私は、杉本という。
恥ずかしながら、愛知県のある企業に勤務している。
最近まで社長命令で東海岸のロースクールに留学していた。
まあ、後継者だから仕方無いのだ。
でも、なんで東海岸なのだろうか。
社長のあこがれの場所だから仕方がない。
社長はアメリカのホームドラマに憬れていて
アメリカの豊かさとあこがれをすごく持っている。
自分には理解できない。
東海岸に立つ一週間前に見たアンジェリーナ・ジョリーの映画を思い出していたが
けして、それに豊かさやあこがれは見いだせなかった。
vfxなどは社長がみたアメリカのホームドラマより発達しているのに。
単なる人気映画だった。
留学中、ボストンの自宅からnyに観光旅行に赴いた。
第一印象としては、「新宿みたいだ」だった。
社長がExciting Cityなどと大騒ぎしていたので一回行ってみると思ったのだ。
当時、宿泊していてノートパソコンのキーボードを忙しくたたいている
東洋人を発見。どうやら日本人のようだった。彼の持っているキーボードが日本語配列だ
からだ
ちらっと端末の画面を発見する。
「アメリカは田舎の國だ。」
という言葉が何回も出てくる。
「失礼ですが、何を書いているのですか。」
無躾に声をかけてみた。彼の服装が余りにもラフで学生やビジネスマンには見えない。
年齢も30前後だと思った。
「私はノンフィクションライターで、私が調べた日本のサブカルチャーを
海外がどう受容しているか知りたくて今回はアメリカが調査対象になりました。」
と気が焦っているような顏をしていた。
「へぇ。」
というと
「多くの日本人は、アメリカは都会の國だと錯覚しているようですが、本当は
田舎の國だったという部分も、新作で今度発表するポイントになるんですよ。
失礼ですが、あなたはアメリカに住んでいるんですか。」
とノンフィクションライター氏は言う。
「はい。私は愛知県に本社のある企業のサラリーマンで社長命令でボストンの
ロースクールに留学しているのです。」
と正直に答えた。
「ボストンのロースクールですか。そこにいたって、見えないです。
まあ社長がボストンやニューヨークに憬れていた年代なんでしょうね。」
と、ノンフィクションライター氏はキーボードを忙しく叩く手を止めた。
図星だった。
ノンフィクションライター氏のアメリカは田舎の國という主張の本を
完成したら読んでみたくなった。今住んでいる東海岸は空虚に時間が流れているだけだか
ら。
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ウェディングドレスは誰が着る

2015-01-01 01:13:01 | 逆襲の藤隆
「この前まで旧正月だったのか。」
起き抜けの海外ニュースの話題を聞いているとき、韓國のニュースが
流れていてソレで確認していた。
旧正月と言えば平賀知世の友人であるバーミリオンが婚約者の
マゼンタの実家がある臺灣に正月の帰省に伴っていた。
日本の正月の帰省同様、韓半島や華人圏の正月も同じように
Baka込みだと聞いている。
「どんなお正月を過ごしたんだろうね。」
いつもみんなが集まる場所に向かうとき、浅岡蓮次も言う。
「まあ、バーミリオンのことだから。」
知世は言葉を濁した。
みんなが集まる場所に向かったのは、バーミリオンから
やたら余裕のメールを、皆が持つ端末に来たからだ。
知世も蓮次も端末を眺めながらお互い顔を見回し不安になる。
みんなが集まる濱の関内駅から徒歩圏内のshopping mall。
「よぉ。ふたりとも」
バーミリオンがマゼンタとともに、フードコートの席に座っていた。
「正月の帰省大変だったよね。」
知世がバーミリオンにたたみかける。
「うーんと、そーだなー。」
バーミリオンは一瞬考えて
「確かに日本の正月同様、込んでた込んでた。空港からマゼンタの実家がある
台中にいくのが、必死だった。」
と苦笑した。
「バーミリオンも両親も認めてくれた。」
マゼンタも口を開く。
「結婚式、どこでやる。」
と透かさず答える。
「そーだなー。」
バーミリオンの声である。
知世と蓮次はバカップルぶりに恥ずかしくなった。
おわり
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