ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

しばふ村にいる男

2018-05-26 10:20:30 | 逆襲の藤隆
「ふぅ。バスでまだ 2 時間かかるのか。」
ここは日本のどこにあるかわからないひょっとしたら近くにある空港のある地域の
コニシティ。
ここはある男がいるしばふ村の最寄りの空港である。しばふ村へのバスはここから出ている。
ぷりぷり県から、飛行機で 2 時間ぐらいでコニシティ空港までついた。
「豊崎さん、またあのに會うんですか。」
アルマーニを着用した顎の長い男。豊崎とは編集者としてライバルでもある原山泰亮である。
「原山さん、この前あなたが責任編集したアイドルが出てきた漫画、最終回
アイドルの葬儀シーンで終わっていましたね。」
豊崎は皮肉交じりに原山に尋ねた。
「ああ、そうですよ。現実のプラネッツの元メンバーの急死をみてああいうふうに
作者の瀬戸口君に提案したんですよ。ああ彼のファンでしたからということで・・。」
豊崎にとってはあまりにも唐突であまりにも不満だった。
「しばふ村行きのバスまで、 30 分ぐらいか。彼から原稿をとって、コニシティに戻って
飛行機で羽田に帰らないといけない。」
led 表示をずっと見ている豊崎に、原山は、
「もしかしたら、原稿を取ってくる人間は私とあなたで同じじゃないですかね。
出来杉英才博士とも、ゴーダマートの社長とも親しい男ですよね。
どちらかといえば豊崎さん、あなたは文学よりの雑誌を主宰していたはずです。
ルポルタージュ主宰のあなたがあの男に取材を申し出るなんて。」
と不思議がった。
「ああ、これは私が私が飼っている子飼いの作家が執筆している小説のキャラが
どことなく今取材しようとした男に似ているから、彼の東京の父としては
自分の個人的な取材と共にその男に会おうかと。」
と豊崎は言ってみた。
「ああ、足を運んで邪魔にならないようにね。」
原山は、豊崎が行く前にしばふ村バスセンター行きのバス停に向かっていた。
一旦終了
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それにしてもだ

2018-05-11 21:55:38 | 信・どんど晴れ
「それにしてもだ。どうして、俺の息子に下町は東北人のための街だと教え込まなかったのか ? 」
松本佳奈の上司に当たる新一という名前の男は、日頃から松本佳奈が言葉にしている事を
尋ねた。
「そうですね。それは子どもたちが小田原に行ってから、考えることですよ。ひょっとしたら
新宿にだって行くかもしれません。」
佳奈は、ありそうなことを新一に言う。
「新宿か。そこは下町とはどう違うのかな。」
彼は、漠然とした東京の知識しかないようだ。
「下町の方が新宿より古いのですが、些かそこにできた駅の流れにつられてしまう。」
と、かつて一緒に住んでいた人の知識などを使って答えた。
新一はよくわからないという顔をした。
そして、
「まあ小田原に赴いて、そこで関東地方を考えていくだろう。」
と佳奈に回答した。
おわり
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それは偏見かもしれないけれども

2018-05-04 18:41:48 | 信・どんど晴れ
「そうだな。下町には自分が大好きで、最寄りの上野駅からやってくる人のためにしか
尽くさない。下町からみて田舎に彼らが苦手なものがよく住んでいる。」
こんなことをまだ小学生の低学年でしかない新一さんの二人の男の子に
話している。申し遅れたが、私は松本佳奈という。
ここ、徳之島の旅館で働き始めて數年になる。
新一さんの嫁さんが子供二人を連れて故郷の小田原に歸るようだ。
下町に関する、偏見に満ち満ちたことを話していたのは、学生時代關東は神奈川県に住んでいた
時の話を、別れる嫁さんの実家である小田原とどう違うかと誇張して伝えた。
「下町が後ろだてになってものが進んでいる。其れ故に今島であることが正しいとは言えなくなる。」
私はそう、二人の子供に伝えた。
「私も下町に憧れたことがある。關東に行く前、漫画からの知識だったがね。」
私はまた、子どもたちに伝える。
子どもたちは、半信半疑だ。
「でも、下町に徳之島のことを知っている人がいたらいいな。」
子供の一人が言った。
「ああ。そうであってほしい。でも、そうじゃない部分もある。」
私は言う。
「小田原に行ったらもしかしたら、正しいことがわかるかもね。」
また子供の一人が言った。
「ああ。」
私はそういう言葉しか出ない。
おわり
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