ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

スパーク

2015-06-27 05:55:08 | 信・どんど晴れ
「私はね。木下順二の大ファンで彼の戯曲には蛍光ペンで・・。」
得意げに話しているのは、飛ぶ鳥を落とす勢いの脚本家
藤崎藤九郎である。現在アンモラルなエピソードの映画やテレビドラマ
のスタッフに連なって、ヒットを飛ばしている。
彼が、木下順二ファンであるということを公表し始めたのは
ここ1/2年である。
「そうですね。かれの詩情豊かな風景が・・・。」
テレビ画面からみて藤崎氏の対面の席に座っているのは可愛い男の子の
イラストを描くことで知られる女性イラストレーター、魚住理恵である。
彼女も木下順二ファンとして知られる昨今の論客である。
仲介者としてこの番組の司会である30代半ばの男性芸能人が座っている。
知らない人に説明するが、木下順二とは、戯曲「夕鶴」などを執筆した
往年の劇作家である。
私、高槻久留美は先日録画したいつも見ているドラマチックヒストリアという
歴史チャンネルのレギュラー番組を見ていた。
今録画した番組に写っている藤崎氏は、先日舞台劇を書き上げたことで有名である。
彼の木下愛を投影した作品とマスコミが触込んでいる。
番組を見終わったあと、東岡麗美先輩から電話があった。
「高槻さん、今度渋谷に藤崎藤九郎の舞台を見に行かない?」
だった。
東横線を使って渋谷に赴いた。
流石に若い観客が多い。
題名は「スパーク」
というらしい。
「どんなのでしょうか。やはり木下順二みたいな感じだろうか。」
私が質問する。
「さあ」
先輩が言う。
完全に見終わって。
「どちらかといえばある一定の次期以降の戯曲みたいだ。」
先輩が言う。
「そうですね。私はあまり伝説の日本文学の作家ってリスペクト
しないですからね。」
私は苦笑する。
やはり、木下順二リスペクトは言えども、周囲の鴻上尚史や野田秀樹の
空気には皆勝てないのだろうか?
end
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ミストラル

2015-06-26 13:39:35 | 信・どんど晴れ
「ミストラルか。」
徳之島の旅館で仲居を務める松本佳奈という女性は、
ケーブルテレビの番組表を見つけてふとつぶやいた。
この、フランスドラマを見る事が可能なのは、
徳之島だけではなくて、鹿児島の本土や関東地方でも、
視聴可能なチャンネルである。
「先日の韓流ドラマの後番組だね。噂ではアイムホームだか梅ちゃん先生
といった日本ドラマの再放送とか言っていたけれども、結局フランスドラマなんだ。」
佳奈の上司である旅館の女将はつぶやいた。
「どうもそうみたいです。基本的に日本以外のドラマを放映するから
韓流の後版にフランスドラマがあっても、おかしくはないですよね。」
佳奈は妙に冷静だった。
「台湾のドラマという選択肢はどうなったんだろうね。」
女将は言う。世代のせいか、基本的に外国映画といえば女将は欧米映画のほうが馴染む。
韓流は言うに不及、臺灣偶像劇だって香港映画だって苦手なようだ。
「フランスだったら私の世代はあれだ・・・。」
女将は何かを言おうとしたが、
「ですよねぇ。」
と佳奈は誤魔化した。やはり関東に赴いていた時代、そういうものが好きな人と
出会って困惑したことがあったからだ。
最も彼らとて、欧米映画しか理解せず日本以外のアジア映画やドラマを理解しない
年寄りは許せない人も一部には見受けられたが・・・。
「ああ、第一話録画しておきました。」
佳奈はいう。だって放映が早朝だからだ。
「早速休み時間に、見てみようか。」
と女将。
「はい。」
と佳奈も快く返事をした。
休み時間。
佳奈と女将はドラマを視聴した。
女将は楽しく見たようだが、
佳奈にとっては上京した時みた数多くの欧米映画みたいだと思ったようである。
まあ、頑張れ。
佳奈はそうつぶやいた。
おわり
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新機軸

2015-06-16 11:21:44 | 逆襲の藤隆
「おい。この前のハイケネンやバドワイザー柄の水着、瀬戸内の子に渡したよな。」
相川美幸さんが、平賀知世に言う。
「はい」
知世は、そう言うしかない。唐突にこういうのを持ってきて、
いきなりこれをやるでは何も言えない。
「あの水着、知り合いのイベント会社の人が水着メーカーと共同開発して
ワンピース水着の復権を込めていると言う。」
知世が知らなくてもいいことを美幸は、べらべらと語る。
「へぇ。ユーザーの萌美ちゃんは生地も丈夫で気に入っているみたいだった。」
知世はそっけなく答えた。
「お前さんに渡した水着は、巫山戯た柄だったけれども、今度硬派な柄も出すとか
言っていた。」
知世は
「かえって其れのほうが体育会系の人にも受けそうですね。」
と答えた。
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読者モデル

2015-06-02 11:43:59 | 逆襲の藤隆
「私はこの人のファンなんだ。」
私、平賀知世も親友である、有村佐和子が贔屓にしている雑誌を見て
或女性を指す。
「どの人?」
私は有村が、指した写真みた。
「田能村真澄」
という名前らしい。
「彼女は、私服の写真を見たけれども、なんとも男の子っぽい感じなんだって。
それがメイクしたりすると、こんなに女の子っぽく化けるから気に入っているんだ。」
モデルの女性は、幅広の帽子と長めのワンピーススカートに身を包んでいた。
ばっちりメイクした感じが艶かしい。
「もしかしたら、男の人に好かれそうな感じっぽい。」
有村は、少しあほで売っている腰までの長い髪の女性アイドルみたいな口ぶりだ。
「うん。」
私は田能村真澄のファンじゃないけれども、ボーイッシュより女性っぽさで彼女は売って
おいたら
正論だと思うのだ。
「女性に好まれるのは有村さんだと思うけれども。」
私は意地悪そうに有村をみた。
「そうなんだねぇ。」
有村は、おどけて見せた。
いろいろある。だが、それでいい。
おわり
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