保健福祉の現場から

感じるままに

バイオテロの懸念

2015年05月29日 | Weblog
朝日新聞「米国防総省、生きた炭疽菌を誤送付 感染者なし」(http://www.asahi.com/articles/ASH5X4241H5XUHBI011.html)。<以下引用>
<米国防総省は27日、ユタ州にある同省の研究所が、炭疽(たんそ)菌の生きたサンプルを誤って各地の研究所に送付していたと公表した。同省のウォーレン報道部長は「感染が疑われたり、確認されたりしたケースはない」と話し、把握している限りは公衆衛生上の危険はないとしている。同省は原因を調べている。炭疽菌は生物兵器にも使われることがある細菌。ロイター通信などによると、メリーランド州など9州の政府や民間の研究所、在韓米軍基地の施設がサンプルを受け取った。研究利用の目的で、本来は不活性化したものが送られるはずだったという。22日にサンプルの炭疽菌が生きていることに気がついた研究所の一つが米疾病対策センター(CDC)に通報し、発覚した。計26人が予防的な医療措置を受けたが、感染の兆候はないという。>

そういえば、以前、読売新聞「絶滅したはずの天然痘、米保健機関にウイルス」(http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=101681)と報道されていたが、天然痘ウイルスをはじめとするバイオテロ関連微生物の保管は米国機関だけではないであろう。新型インフル対策の検討はバイオテロにも役立つように感じる。例えば、天然痘(痘そう)(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01-01-03.html)は、感染症法の1類感染症(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou11/01.html)であるが、予防接種法に基づく臨時の種痘は、新型インフルエンザ対策(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/index.html)(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/index.html)の特定接種、住民接種(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/jumin-sesshu.html)の準備が役立つはずである。平成15年11月の感染症法改正で、天然痘が一類感染症に位置づけられるとともに、予防接種法の政令改正で法に基づく臨時接種が実施されることになっているが、世界根絶宣言されている天然痘が法律で規定されるのは、起こりうる可能性が否定できないからである。以前の保健師国家試験(http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/04/dl/tp0419-3-2am.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/04/dl/tp0419-3-2-kaitou.pdf)問69で天然痘が出題されたことがあり、「天然痘では1例でも発生した場合はアウトブレイク」である。保健医療関係者は天然痘研修会資料(http://idsc.nih.go.jp/disease/smallpox/index.html)をみておきたい。政府の「NBCテロ対処現地関係機関連携モデル」(http://www.j-poison-ic.or.jp/ippan/1122nbc.pdf)では「保健所」がしっかり組み込まれていることを認識したい。そういえば、エボラ出血熱(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/ebola.html)の対応で、厚労省通知(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dl/20141128_01.pdf)で「消防機関との事前の協定等の締結が必要」とあったが、テロに限らず、感染症対策でも消防機関との連携は重要である。国民保護(http://www.kokuminhogo.go.jp/pc-index.html)は武力攻撃事態だけではないであろう。
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